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より幸せで健康な人生に導く「感謝」の習慣の作り方

  • 2021.3.4
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親友や家族と一緒に食卓を囲んでいると、その人たちのやさしさや温かさがありがたい。みんなが帰り、洗い物を済ませたあとに足を乗せられるテーブルの存在もありがたい。こういう“ちょっとした良いこと”に感謝するのは善い行い。科学によれば、そうすることで心身の健康や人間関係も良くなるそう。その内容をアメリカ版『Prevention』からご紹介。

これまでの研究結果によれば、感謝の念には痛みを減らしたり、睡眠の質を向上したりといったメリットがある。米ノースイースタン大学の心理学教授で著書に『Emotional Success』を持つデイヴィッド・デステノ博士によると「感謝を日々の習慣にするのは、ビタミンを摂るようなもの」。これは決して誇張じゃない。感謝は実際に体を元気にしてくれる。しかも、持続的で深い感謝の念を醸成するのは非常に簡単。

専門家の言う“感謝”には、ただ「ありがとう」と言うこと以上の意味がある。「感謝とは、自分の人生の良いところを肯定し、その源は自分の外にあると認識することです」と話すのは、米カリフォルニア大学デービス校の心理学教授で『The Little Book of Gratitude』を執筆したロバート・エモンズ博士。感謝とは、恩義を感じること。おばさんが編んでくれたセーターに対しても、身が引き締まるような冬の日に対しても。

エモンズ博士は、感謝と健康や人間関係のつながりを15年以上研究している。初期の調査では、ありがたいと思うことを被験者に毎週5つ書いてもらった。実際の回答例は「肌に降り注ぐ日差し」や「ひいおじいちゃんになれること」。別のグループには、ちょっとしたいざこざや、良くも悪くもない出来事を書いてもらった。10週間後、ありがたいと思うことを書き続けたグループは幸福度が25%アップしたばかりか、運動をする時間が30%増え、健康に関する悩みも減っていることが分かった。

これまでに実証された感謝のメリットは数多い。健康心理学専門誌『The Journal of Health Psychology』に掲載された2015年の研究結果は、感謝日記を2週間続けるだけで睡眠の質が改善し、血圧が下がることを示している。感謝日記を2ヶ月間続けたことで、被験者の1日の禁煙率が40%低下したという報告もある。感謝の習慣は、重度の病に侵されている人にも有効。初期の心不全を持つ高齢者が感謝日記を続けたところ、心拍数が安定しただけでなく、病気の原因となる体内の炎症レベルも低下した。

感謝と健康の関係性

心と体は密接につながっている。例えば、締め切りや家庭内の口論で精神的に追いつめられると、神経系が緊急事態宣言を出す。すると体内にストレスホルモン(コルチゾールなど)が溢れ、時間と共に、高血圧や炎症といった数々の健康問題を引き起こす。逆に、ありがたいと感じるときの深い幸福感は、体に「万事順調」というメッセージを送り、ストレス反応を鎮めてくれる。「感謝の念は、心身を落ち着かせる副交感神経系を活発にします」とエモンズ博士。

また、いまあることに感謝すれば、目先の喜びの誘惑(喫煙やサボり癖といった悪習慣の裏にある衝動)に負けにくくなる。デステノ博士の研究でも、そういう人は目の前の金銭的な報酬に食いつかず、将来増えてから受け取るだけの余裕を見せた。「感謝の習慣がつくと、未来が大切に思えてきます。その結果、自制心が強くなり、衝動的な行動が抑えられるようになります」。言い換えれば、妥当な時間にベッドに入り、マインドフルに食べるといったスマートでヘルシーな選択ができるようになるということ。

でも、最大の見返りが得られるのは、周りの人と同様、自分に対しても感謝の念を持てたとき。「見て、嗅いで、聞けるという自分の体の能力をありがたいと思う人が多いですね」とエモンズ博士。「その結果、自分のケアをしっかりするようになります」。これは、大きくてヘルシーでハッピーな感謝の輪。そして、いまほど1日1日に感謝すべきときはない。

感謝の念を養うシンプルな方法

Women's Health

「感謝するかしないかは個々人の選択です。すると決めれば、いつでも自在に感謝の念を生み出せます」とエモンズ博士。「そのうち意識しなくても感謝できるようになりますよ」。これで脳の配線が変わることもある。とある予備調査では、お礼の手紙を何枚か書くと、3ヶ月経っても、感謝に関する脳の領域の感受性が高いままであることが分かった。あなたも5つの方法で感謝を習慣にしていこう。

感謝日記を書く

最も広く研究されているメソッドは、感謝日記(専門家いわく毎日良いことを少しずつ書いていくのが効果的)。ポイントは、長いリストをサッと書き上げるのではなく、ありがたいと感じる理由を熟考し、できるだけ具体的に記すこと。例えば「お隣さんに感謝している。凍てつくような寒さの中で、車の雪かきを手伝ってくれた」とか「父のことが気になっていた。電話で話す気になってくれてうれしい」とか。1つのことを5つの文章で具体的に記した人は、5つのことを1文ずつ書いた人より幸福度が高かったという研究結果も存在する。

小さなことに目を向ける

感謝するべき物事を聞かれると、大抵みんな家族、家庭、健康と答える。でも、こういった大きなことだけ見ていると、感謝する意味が次第に失われてくる。デステノ博士が言うように、小さなやさしさや思いやりに目を向けて、感謝の気持ちを膨らませよう。「例えば、あなたが両手に荷物を持っているのを見て、食料品店のドアを開けてくれた見知らぬ人にも感謝できます」

自分にリマインダーを送る

「1日数回立ち止まり、人生における良いことに気付き、感謝し、それを味わうようにしています」と話すのは、米カリフォルニア大学サンディエゴ校家庭医学・公共衛生学部で感謝を専門に研究する治験コーディネーターのメレディス・A・プン博士。ドアを開けるたびに感謝することを1つ見つけるのも良い習慣。窓から注ぎ込む日差し、コーヒーをおごってくれた友達、新しい食器洗い機、子供の冗談……考えれば沢山ある。

アプリやウェブサイトを活用する

感謝日記にアプリを使えば、感謝するべき物事が想像以上に出てくるはず。また、米カリフォルニア大学バークレー校グレイターグッド科学センターが開発したウェブサイト『Thnx4』は、ポジティビティの宝庫。自分が何かに感謝して投稿するだけでなく、見知らぬ人の投稿でもありがたい気持ちになれる。

声に出す

感謝の気持ちを伝えるのであれば、その人の行動で自分がどう感じたかより、その人の努力や長所を引き立てるような言葉を使って。例えば「このスカーフ、早く使いたい!」と言うよりも、「私の好きな色を覚えていてくれてありがとう」と言う方がベター。

米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の社会心理学准教授で心理学者のサラ・アルゴー博士によると、これで「ありがとう」の対象が物(スカーフ)ではなく「あなた」になる。このアプローチは、お互いの結束を強くする。「強い絆は、1日15本のタバコが死亡率に与えるマイナスの影響と同じくらい、寿命にプラスの影響を与えます」。おまけに、元気に長生きできれば、感謝する理由もさらに増える!

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Jennifer King Lindley Translation: Ai Igamoto

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