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日本カルチャーを愛する、最旬イタリア人ラッパー・Mahmoodの名曲3選【イタリアン・ポップス】

  • 2021.3.3
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元ミラネーゼによる『伊太利亜通信』。国をまたぐことが遠い日常となっているいま、目下の楽しみはシンプル&素材勝負なイタリアの食を楽しむこと。そして、大好きなイタリアン・ポップスに浸ること。日本ではまだまだニッチな分野ですが、計り知れない魅力が詰まっているんです。ということで、第12回はイタリアでいま最も勢いのある若手ラッパー・Mahmood(マムッド)をご紹介します!

イタリア人と日本文化

ミラノやローマではよく日本の漫画を置く書店を見かけたり、テレビアニメでは『ドラえもん』が放送されていたり。イタリアにも日本のカルチャーが広く浸透しています。子供の頃から漫画やアニメとともに育ったことで遠い異国に親しみがわき、実際に日本に行ったことがある・行ってみたい、または日本語を勉強している、という人にも多く出会ってきました。イタリアで生まれ育ったラッパーのMahmoodも例外ではありません。日本をこよなく愛する彼の楽曲には“Uramaki(内側に海苔が巻かれた巻き寿司)”や“Karate(空手)”など、実は多くの日本語が散りばめられているのです。ジワジワとやみつきになる曲調とMahmoodの独特の世界観をお楽しみください!

1.「Inuyasha」/Mahmood

2021年2月のイタリアン・ポップス界を賑わせている1曲、その名も『Inuyasha』。ミラノの運河“ナヴィリオ”や“ナイル川”といった固有名詞を曲中で頻繁に使用し音楽で旅を続けるMahmoodですが、新曲の舞台は日出る国、日本。漫画家・高橋留美子さんが描く『犬夜叉』にインスパイアされ誕生したというこの曲は、オクターブを上下する印象的な歌声とともに、これまでのMahmoodとは一味違う雰囲気を醸しています。ミュージックビデオの壮大な雪景色にも注目!
「2020年はみんなが家に閉じこもってばかりの1年だったので、旅に出たり、人と出会ったりすることができず何かを生み出そうとする気持ちも閉じ込められてしまった。そんな中、幸運にも夏にトスカーナでセッションする機会があり、そこで『Inuyasha』が生まれた。メロディはすぐに完成したものの、歌詞を考えるのに2ヶ月半を費やした」と語っています。中学生の頃に深夜のアニメ番組で見て以来大ファンだという『犬夜叉』の世界観が大自然の中でフラッシュバックしたことで、彼の音楽活動が再スタートをきりました。

2.「Milano Good Vibes」/Mahmood

みんながバカンスに出かけ、空っぽになったミラノで過ごす夏を歌った1曲。“龍”の字が入ったリラックス感のある開襟シャツを羽織り、“ミラノ、きみは本当に美しい砂漠だ”と歌いながら軽快にリズムを刻むMahmoodを見ているだけで、あたかも夏がやって来たかのような胸の高鳴りが…!“バカンスに出かけてリラックスする人もいれば、ひとけのない静かなミラノで最大限にリラックスする術を探す人もいる。海がなくお店も閉まってしまう砂漠のようなミラノの街でも、気の持ちようではキューバのビーチ以上”とは、なんともポジティブなバイブス。“サムライのような眼差しで自分の影を見つめ続ける”というフレーズには、日本好きなMahmoodらしさがあふれています。

3.「Gioventù bruciata」/Mahmood

イタリア人の母とエジプト人の父親のもとに生まれたMahmoodが、幼少期にイタリア〜エジプトという異なる2つの国を行き来することで生じた葛藤を表現した1曲。象徴的なのが、“invicta(インヴィクタ)のリュックを背負って砂漠を走った”というフレーズ。幸せとはいったい何なのか?子供から大人までがこぞって身につけるイタリアの国民的バッグブランド〈invicta〉と、広大な砂漠という対照的な描写がそれを際立たせます。
ほかにも、Mahmoodの楽曲には“LACOSTEのジャージ”や“NIKEのスニーカー”といった誰もが知るファッションアイテムをはじめ、“Nintendo”や“Pokémon”、さらにはポケモンのキャラクター“カイリュー”が登場することも。時代と距離をかけ合わせた歌詞、そして音の層を大切に扱うその繊細な作曲センスが高く評価され、Mahmood自身もファッションアイコンとしての注目を集めています。

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