1. トップ
  2. これが...彫刻......? ある美大生が作った「天然石寿司」によだれが止まらない

これが...彫刻......? ある美大生が作った「天然石寿司」によだれが止まらない

  • 2021.2.28
  • 24556 views

「どうぞ召し上がれ」と出されたら、誰でも喜ぶこと間違いない。PCR検査の前に見せられたら、確実に、唾液、よだれが出るだろう。

コロナ禍で外食の機会がめっきり減ってしまって、最近、美味しいものにもありついてないな、とお嘆きの読者が、勢いよく手を伸ばす前に、一言お知らせしておこう。「これ、全部石です」。

「いやいや、どう見ても、正真正銘の寿司でしょう?」とおっしゃる気持ちは、よく分かる。だが現実は、冷酷だ。

ツイートには、「コロナで前期リモートの中後期にせっせと頑張って彫った卒制の石以外何も使ってない着色料無使用の天然石寿司」というコメントが添えられている。

2021年2月23日にこのツイートを投稿したはま(@ha_ma_73)さんは、女子美術大学の学生だ。

「天然石寿司」は五美大展...東京五美術大学(日本大学芸術学部、武蔵野美術大学、多摩美術大学、女子美術大学、東京造形大学)の連合卒業・修了制作展に出展していたものだという。はまさんの投稿には、

「うまそうなトロだなあ」「凄い。美味そう」「ホンマに石なのと?びっくり」「凄い〜石を削って、磨くの?」

などといった歓声が寄せられている。8万件を超える「いいね」も付けられ、その勢いは止まりそうもない(2月24日夕現在)。

いったいなぜ、「天然石寿司」を作ったのか? Jタウンネット記者は、投稿者のはまさんに詳しい話を聞いてみた。

ピンク色の大トロは見つけるまでに1年以上かかった

 はまさんのツイートより

奇想天外な「天然石寿司」の発想、どんなきっかけで生まれたのか? はまさんに聞くと、こんな答えが返ってきた。

「授業で扱った赤御影石がマグロに見えて、息抜きに寿司にしてみたら、思っていた以上に寿司になったので、それがきっかけです」

また、鮮魚関係でアルバイトをしていたので、廃棄と命を捌く場に近かったから......とも、つぶやいている。

 はまさんのツイートより

「天然石寿司」制作で、もっとも苦労したのは、どんな点だったのだろう?

「寿司ネタの色にあった石を見つけるのが大変でした。ピンク色の大トロは見つけるまでに1年以上かかりました。見つけてから制作、見つけてから制作の繰り返しなので全体で1年半以上かかりました」

 はまさんのツイートより

細かい柄や血合い部分は、石を粉にして固めたという。また緑色の石は、川で拾った石を削ったら、たまたま緑色だったので、それを元に、黄色の石の粉、黒い石の粉を調合して色を作ったそうだ。素材を生かしながら、加工に苦心したようだ。そうは見えないところが、すごい。

「それぞれの石を自分の技術でどれだけ魅せることができるかにこだわりました」と、はまさんは語る。

 はまさんのツイートより

石の魅力って、何ですか? と聞くと......

「石は自分よりももっと昔に出来た素材であり、石になるまでの道のり、火山の噴火や海での体積物が長い年月をかけて石になり、それでいてそれぞれに個性がある点と磨いたら輝く所が魅力です。年月、歴史と自然の美に惹かれました」(はまさん)

大トロになる石を見つけるのに1年、制作にさらに半年かけた、はまさんならではの実感のこもった言葉だ。

 制作中の「天然石寿司」 (はまさんのツイートより)

「天然石寿司」のこんなところを見てほしいという点は?

はまさんにそう聞くと、こんな答えが返ってきた。

「それぞれの石によって質感や柄が違うので石の表情を近くでよく見てほしいです」

元記事で読む
の記事をもっとみる