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「スマホは楽天、フライパンは高級」節約しなくてもお金が貯まる人の着眼点7つ

  • 2021.2.26
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お金持ちはケチが多いとよく言われますが、本当にそうなのでしょうか。多くの富裕層と交流のある不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんは、「ケチケチした発想をもっているわけではなく、自分軸でのお金の使い方を徹底している人が多い」と指摘します。お金持ちになれる人が、お金を出すときの着眼点とは――。

ジムでスマートフォンを使用している男性の手元
※写真はイメージです
なぜ楽天モバイルか

家計の固定費削減について紹介した前回の記事(「通信費月9500円減、住居費はゼロに」お金持ちに学ぶ、すごい“固定費削減プラン”)は、多くの人に読まれたとのことでしたので、今回は私自身の家計改善への考え方を中心に、続編を書きたいと思います。

ちなみに前回、特に反響が大きかったのがスマホ料金削減についてで、ツイッターでは否定的な意見もいただきました。そこで私が楽天モバイルを選ぶに至った経緯をまずご紹介します。

少し前になるのですが、2020年12月初旬に私が発行しているメルマガで、次のようなコメントを書きました。

迷いましたが、結局楽天モバイルに変更しました。
やはりドコモの低価格プランは業界に与える影響が大きく、地殻変動が予想されるからです。

政権からのプレッシャーだけではなく、格安SIM業者潰しの意味合いも持ち、おそらく今後1年間で業界再編・淘汰が起こり、打倒ドコモに向けて次々と新サービスが出てくると思います(実際、日本通信は対抗プランを発表しています)。

なので、この1年間は無料の楽天モバイルで様子見をしようという判断です。

1年も経てば、格安SIMの各社からドコモや楽天モバイルに対抗した魅力的なプランが出てくると思いますし、楽天モバイル自体もあまりパケットを使わない私のようなライトユーザー向けのもっと低料金プランを出してくると思います。

私は出先で動画などをほとんど観ないため、月3GBもあれば十分。通話品質は問わないし、混雑する昼時や夜にスマホでネットをいじることはほとんどありませんので(自宅ではWi-Fi)、動きが遅くなっても問題ない。

(ビジネスボイストレーニングの講師をする)妻は電話をする機会は多いですが、オンラインレッスンはPCを使ってやはりWi-Fiでやっていますから、おそらく大きな問題はなさそうです。

それに今ならポイントがつくので転出料を引いても損はなし。
待っていたらこのキャンペーンも終わるかもしれないし、加入者が300万人に到達して無料期間も終わるかもしれない。それに忘れてしまうリスクもあるので今変更したというわけです。

たかがスマホに多くを求めていない

それから約2カ月半、その後は皆さまもご存じの通りの展開となっています。

そして、毎月の支払から通信費が消えたのは非常に大きいし、私のエリアでは通話品質もスピードもまったく問題ありません。「ランチタイムは動きが遅くなる」という懸念はありましたが、実際にはそのようなこともなく快適に使えています。

むろんエリアにもよるのだと思いますが、仮に途中で切れてもかけ直せばいいだけで、それで商談が壊れるとか信頼を失うということなどないでしょう。たかが携帯・スマホにそこまで求めなくても……という感じです。

着眼点1.企業戦略の意図を読み解くことが賢い消費への近道

何が言いたいかというと、企業が提供する商品サービスは常に進化しており、その動きにキャッチアップしておけば、つねに経済的に有利な選択ができるようになるということです。

楽天モバイルは「私の場合」であり単なるわかりやすい一つの例にすぎず、「楽天モバイルだからどうこう」ではなく、各人の状況に応じてNTTドコモでもソフトバンクモバイルでもどこでも選べばいいのです。

目先の具体例に惑わされるのではなく視点を上げて抽象的に思考し、「では自分の家計、あるいはモバイル環境の快適性と経済性を最も有利にするにはどうすべきか」に思考を向ける必要があります。

私たちは会社に行けば、「いかに自社が儲かるか」を考えながら働いています。反面、一歩会社を出れば、生活者として賢い消費をしようとします。会社員としてはいかに消費者に財布を開かせるかに知恵を絞っていますが、生活者としては、いかに安く買い物をするかに知恵を絞っています。

つまりまったく逆の行為をしているということですが、視点を変えると、私たちが企業人として創意工夫をし、マーケティングや商品開発を進化させればさせるほど、消費者としての生活も進化することになります。

たとえば無料お試しサンプルや新商品のサンプルサイトも乱立していて、タダもしくは格安で買うことができますが、これも顧客リストを集めて後々のセールス活動に利用したいという企業の思惑だ、というのはおわかりいただけると思います。企業の戦略に乗ってカモになるのではなく、戦略とその意図を知れば、逆手に取って有利な消費をすることができるのです。

着眼点2.商品のライフサイクル全体でのコストを考える

また、プリンターを売る企業は、本体価格を安くしてトナーなどの消耗品で儲ける、という話は聞いたことがあると思います。ウォーターサーバーも、サーバーは無償で提供して水そのもので儲けるという販売手法です。

これは企業にとっては儲けの法則です。初期投資が安いから手軽に導入できますが、トナーや水そのものはちょっと割高。でも長期間利用してくれるから、安定して儲かるのです。

しかしそれと裏返しに、それを利用する側にとってはお金を失いやすい法則とも言えます。そこで、ライフサイクル全体での総コストを考慮して、その出費の合理性を判断するようにします。

たとえば戸建住宅を建てるとき。最近人気のローコスト住宅は、確かに初期投資は低いのですが、10年単位で修繕が発生します。特に2階建て以上なら足場を組んで外壁の洗浄やら防水をしなければならないので、結構高くつきます。

そこでわが家では、初期費用は若干高いですが、メーカー公表で30年間メンテナンスフリーという、特殊コーティングを施した外壁材を選びました。

つまり、「初期投資+生涯の修繕費」を計算したとき、後者のほうが安く上がるのではないかという判断です。トイレも廉価な一般品ではなく、値段は高いですがエアー排水の超節水タイプを選びました。これも「初期投資額+ランニングコスト(水道代)」で20年間使った時、いったいどちらが安いのかを考慮した結果です(20年使えるかどうかはわかりませんが)。

着眼点3.リセール可能なものは資産性を意識して買う

リセール可能とは、中古市場や転売市場が整備されていて、自分が使ったあと売却して資金を回収できるもののことです。中古車や中古住宅などが典型例で、人気があるものなら高値で売却できますから、買うときの値段が高くても、最終的には安くつくというのはわかりやすいと思います。

たとえばマイホームを選ぶとき。多くの人は、戦略的に不動産を選ぶ(立地や将来の資産価値を考慮して)というよりも、自分の収入で買える価格帯から、その場所のその物件を選ぶ、という傾向があります。さらに新築信仰が強く、「新築だから買う」という判断をします。

そのため、都心から遠く離れた郊外とか、最寄駅からバス便などの不便な場所の家を選んでしまいます。そして将来の資産価値は大きく下がり、仮に2500万円で買った家が30年後にはたとえば500万円になる、という事態になります。

一方で、ちょっと値段は高くても都心の便利な場所に買っていたらどうなるか。仮に買ったとき5000万円したとしても、30年後もほぼ同じ値段で売れれば、その30年間はほとんどタダで住めたことになります。しかも通勤通学にも便利。

このほかにも、絵画や陶器といった希少性の高い芸術品、高級腕時計や高級ブランドバッグといった趣味性の強い商品、アンティーク家具など経年によって価値を増すものなど、見渡してみればたくさんあることに気が付きます。

上手なお金の使い方とは、単純に安い値段で買うということだけではなく、入り口から出口までのトータルで考えることです。つまりこうしたリセール市場のある商品は、資産性(換金価値)が高いものを意識して選ぶ、というのもひとつの考え方です。それは結果として良いものを選ぶことであり、快適性など満足度も高い買い物につながるでしょう。

着眼点4.長く使うもの、使用頻度が高い場合は良いものを買う

もちろん、すべての商品で高級品が良いというわけではありません。上記とは反対に、リセール市場があまりない、あっても希少性や趣味性が高くない商品は、徹底的に安く買うほうが、経済面では得です。

たとえばパソコンやスマホ、家電、OA機器などは、新モデルが出れば旧型の価値は大きく下がりしますし、生産から5年以上経てば、ほとんどの電化製品の買取価格は二束三文になります。

こういったものは、ネットで比較したり、決算セールといったバーゲンを利用したりして、安く買うほうがキャピタルロスは避けられます。

ただし注意が必要なのは、安物買いの銭失いという言葉があるとおり、安く買ってもすぐダメになり、修理や買い替えの頻度が高くなると、結局は高くつくことになりかねないこと。特に、長く使うものや使用頻度の高いものは、良いものを選んだ方が結果として賢い買い物になる場合が少なくありません。

フライパンは高級・高機能、子どもの食器は100円ショップ

たとえばわが家の例で恐縮ですが、フライパンや鍋といった調理用品は、高機能なものを買っています。

調理道具は値段だけではなく、たとえば「焦げ付きにくさ」や「掃除のしやすさ」、そして「耐久性」も重要であり、激安商品とは明らかに差があります。そしてこれは毎日のことですから、やはり快適に使えるほうがいい。同じように、家庭で使う洗剤類も、「汚れの落ちやすさ」「すすぎの泡の切れ」「除菌効果」といった機能に依存しますから、これらはちょっと値段が高くても、毎日の家事を楽にしてくれる効果があります。

モダンなキッチン、コンロにフライパン
※写真はイメージです

一方で、100円ショップも利用しています。先日100円ショップで購入したのは、子ども用のプラスチック食器です。子ども(幼児)は食器を床に落としたりするので、プラスチック食器のほうが安心だし安全。しかもレンジ対応もしている。一方で、食器は使い勝手など性能に依存する要素が少ない。ということは安い方がいい。

このように、使い勝手が変わらず機能性を求めない消耗品については100円ショップで十分であり、そうでないものは値段が高くても良いものを買うようにしています。

着眼点5.モノの値段と価値の関係を知る

もうひとつ、高級すぎてもお金の無駄になることがあります。

たとえばビジネスクラスとファーストクラスの両方に乗ってみると、値段ほどの違いがないことに気がつきます。確かにファーストクラスは、シートの広さ、料理やワインの豊富さ、キャビンアテンダントのサービスなどすべてが極上ですが、最近ではビジネスクラスのクオリティも上がっています。

料理やお酒も、種類やゴージャスさは違えど、飲み放題・食べ放題・好きな時間に選び放題なのは同じ。シートもフルフラットになる機体が増えています。

そして料金は、たとえば成田―ニューヨークまでのファーストクラスチケットは往復で約100万円。一方ビジネスクラスは約50万円。所要時間はもちろん同じだし、優先搭乗や優先降機も同じ。ではそこに倍の違いがあるかどうか。

これは、価値と価格の関係が、高級品になっていく過程でどう変化するかを示している一つの例といえます。それは、ある程度の金額までは価格と品質は比例するが、そこを超えると価格の差ほど価値の差はなくなっていく、ということです。

たとえばワインにしても、1本数万円のものまでは、価格が高いほうがおいしい。素人でもわかるくらい味の差は歴然です。しかし10万円を超えるワインになると、飲み比べでもしない限りそれほどの差は感じなくなります。

焼肉でも、1人前480円の格安カルビより、1人前2980円の上カルビのほうが圧倒的にうまい。しかし、それ以上となれば値段の違いほど味の違いはなく、むしろ脂がきつくなって飽きやすいくらいです。

絵画や不動産などの1点モノでなければ、高級品・高額品になればなるほど、価値と価格の差はなくなっていく。そのためでしょうか、お金持ちで高級品に興味がない人も少なくないのです。

着眼点6.商品・サービスのコスト構造を知る

賢い買い物をする方法の一つは、モノやサービスのコスト構造、あるいは流通の仕組みを知ることです。その知識があれば、価値の割に割高な商品を見抜くことができるからです。

派手な広告宣伝がされている商品の原価を調べてみれば、実は値段ほどの価値がないことがわかります。

たとえば、ほとんどの化粧品の原価は1割以下、コンビニで売っているドリンク剤の原価も10円とか20円と言われています。経費の多くはゴージャスなパッケージと広告宣伝費。では、値段ほどの効果効能があるかどうか……。

逆の見方をすれば、それほどまでに利益率が高いがゆえに、テレビCMなどにバンバンお金を使えるのでしょう。自分はいったいどんな価値にお金を払っているのか。それを計る方法のひとつは、商品サービスのコスト構造・流通構造を知ることです。

着眼点7.自分軸があれば、節約しなくてもお金が貯まる

私は節約貯金には否定的な価値観を持っていますが、その理由のひとつは、自分の出費に「軸」を持っていれば、無理しなくても自然にお金は貯まっていくものだからです。

軸とは「自分は何を重視しているか」という優先順位のことです。自分にとっていったい何にお金を振り向けることが大切なのか、何にお金を投じれば最もパフォーマンスが高いか、その支出は自分の人生のバージョンアップに貢献するか。

そんな判断軸を持ち、財布を開く前にいったん立ち止まって考えると、買うべきモノは実はそんなに多くないということに気がつきます。つい使いすぎてしまうとか、衝動買いといったことにはなりにくくなります。

自分基準か他人基準か

「見栄はコストなり」と言われるとおり、他人に良く思われようとすると、際限なくお金が出て行くことになります。見栄にお金を払う人は、経験よりも「モノ」にお金を使う傾向があります。経験は他人には見えませんが、モノは他人から見えるからです。

会社が見栄を張ると、立派なオフィスに入居し、立派な会社案内や封筒が出来上がります。しかしオフィスは基本的に収入を生まないし、会社案内や封筒も同じ。こうして見た目に大金を使い、不況期に苦しくなり、撤退もしくは廃業した会社を私はたくさん見てきました。

これは個人も同じです。立派な自宅や高級車を買い、流行の洋服やブランド品を頻繁に買い換える。しかしやはりこれらも収入を生むのではなく、ただお金が垂れ流されるだけ。かくして収入が減った時には苦しくなる……。

「安っぽいと思われたくない」「お金がないと思われたくない」と感じたとしても、そう思われていったい何が困るのか。あなたが視線を気にする相手は、本当に見栄を張る価値がある人たちなのか。あなたの周囲の人に見栄を張ることで、あなたにとって何か良い変化や影響が得られるのか。

他人の目を意識してお金を使うということは、他人の目を意識した人生を送っているということ。それはつまり、自分の基準ではなく他人の基準で生きているということです。見栄を張らないと関係を維持できない相手なのでしょうか? だとしたら、それはあなたの成功や幸福には何ら貢献しないはずの人なのに。

住んでいる家、持っているモノ、子どもの服や学校にいたるまで、本当に自分が価値を認めたものなのか、あるいは他人の目を意識したものかを峻別し、自分の価値判断基準を尊重する心の強さを持つことは、精神的自由への第一歩だと私は考えています。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒。大学卒業後、東京都内の会計事務所にて企業の税務・会計支援業務に従事。大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。現在は不動産投資コンサルティングを手がけるかたわら、資産運用やビジネススキルに関するセミナー、講演で活躍。『捨てるべき40の「悪い」習慣』『「いい人」をやめれば、人生はうまくいく』(ともに日本実業出版社)など著書多数。

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