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ひと言では言い表せない時代。「結論を急がない胆力」を!【ジェーン・スーさんが考える「ネガティブ・ケイパビリティ」】

  • 2021.2.26
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つねに成長と成功を信じ、高い目標を掲げて頑張ってきた私たちに、今、価値観の大転換が求められています。未来が見通せない今、それでもしなやかに、そして美しく生きるために必要なものとはいったいどんなことでしょうか。雑誌『Precious』3月号では特集「今こそ、『曖昧力』を身につけませんか?」を展開中。「曖昧ななかで生き抜く力」=「ネガティブ・ケイパビリティ」に注目し、新時代を歩くための心構えを解説しています。

本記事ではコラムニスト、ラジオパーソナリティ・ジェーン・スーさんにお話を伺いました。生き方、働き方、暮らし方、考え方…すべてを見直す段階にある今、識者たちはどんなことを考えているのでしょうか。さまざまな活動が制限され、視野が狭くなりがちだからこそ知っておきたい「こんな時代の歩き方」を伝授してもらいました。

ジェーン・スーさん
コラムニスト、ラジオパーソナリティ
1973年東京都生まれ。最新刊『女のお悩み動物園』(小学館)が発売中。TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』(月〜木曜、11〜13時)ほか、ポッドキャスト『OVER THE SUN』(金曜17時配信)も好評配信中。

ひと言で言い表せない時代に突入した今、「結論を急がない胆力」をつけましょう

今はいったいどんな時代なのか、これから先どうすれば生き抜くことができるのか…。そんな質問が多く寄せられる昨今ですが、「一概には言えない」というのがその答えです。

これではイライラが募るのは当然ですよね。でも「ひと言では言い表せない」という状態こそ、新しい時代が幕を開けた証拠。不安を感じるのはあたりまえで、それは正しい感情なのだと理解しましょう。たとえばAからCへ向かう旅の途中、記憶に残るのは途中のBの景色だったりしませんか?

急いで出した答えは簡易検査の結果のようなもの。決して精査されたものではないはずです。だからこそ今必要なもの、それが「結論を急がない胆力」ではないでしょうか。

その胆力をつけるためにはどうすればいいのでしょう。それは自分で考え、自分で決めて、自分で行動し、結果を出す。それをていねいに繰り返すことです。専門家に意見を仰ぐのも、専門書を読んで学ぶのもいいでしょう。胆力は筋肉と一緒で、日々の積み重ねがものをいいます。一気につけようとするとケガをしますからゆっくりで大丈夫。時間を割き、労力を払い、日々の問題に真剣に取り組む。そうやって少しずつ血肉にしていきましょう。

いちばん避けたいのは、だれかの発言を鵜呑みにし、思考停止に陥ること。もう「あれがおすすめ」「これを追えば安心」という指標は存在しません。そんな時代は終焉を迎えたのです。胆力とは、いうなれば下着と一緒。つけないわけにはいかない代物なのです。

「なんだか面倒…」などと感じてしまったら、夫婦関係や家族関係を振り返ってみましょう。「正論ばかり押しつけない」「ジャッジせずにふわっとさせておく」などは、今までも十分にやってきたことではないでしょうか。新しいことでは決してなく、この年齢まで生きてくれば、だれしもが少しは経験してきたことだと思うのです。

ニューノーマルより、過去のアブノーマルを自覚しよう

胆力をつけるとともに、やっておきたいことがもうひとつあります。それは先の見えない未来を憂えることでも、「ニューノーマル」や「ウィズコロナ」といった上滑りな言葉に惑わされることでもなく、「今までの世界がいかにアブノーマルだったか」を自覚することです。

「エッセンシャルワーカー」という言葉が知られるようになりましたが、そういう人々は今までもずっと存在していて、世の中を回すのに文字どおり欠かせない存在でしたよね。でも当事者ではない私たちは、自分ごととして考えることができず、ずっと目を向けてこなかったのです。

これからは、弱者に声が与えられる時代になることでしょう。古い体質へのクラック(ヒビ)がようやく入ったのです。私たち女性を含めて、声なき人々に光が当たることを願って止みません。

さて最後に。働く女性にぜひおすすめしたいことがあります。それが「気がパーッと晴れる方法を5つほど確立しておく」ということ。私の場合はマッサージ、運動、睡眠、夢見るようにおいしいチョコレートetc.。3種の神器ならぬ、5種ほどの神器をつねに備えておく。実はそんなことこそが、これからさらにやってくる変化の波に耐える力になるのでは、と思うのです。

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