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なぜかビル2階にあって気づきにくい中央区「十思湯」のぬるま湯をじ~っくり堪能するの巻【連載】TOKYO銭湯ザンブリコ(8)

  • 2021.2.19
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ソーシャルディスタンスな散歩を満喫したら、街角の銭湯でザンブリコ――。散歩と銭湯巡りをこよなく愛するコラムニストの島本慶さんが、東京の魅力的なコースへとお連れします。リニューアルした本連載、第8回は、中央区の水天宮前からスタートです。

水天宮のカッパ親子に感動

東京メトロ半蔵門線の水天宮前駅を出て人形町通りを歩きます。人形町に向かってちょいと横道へ入ったり裏道をウロウロしたりすっと、これがパラダイスですよ。

良さげな店がいろいろと並んでいて、もぉ心ウキウキ生唾ゴクリっす。ん? ここは何々? 甘酒横町ってか。なるほど、甘酒のある店じゃみんな行列しておりますなぁ。おぉっと、たい焼き屋さんにも行列ができてて盛り上がってます。

いいねぇこの雰囲気! コロナのことなんか忘れてしまいそうっす。でもまぁみんな一応マスクしてますけど、うーん、総菜屋さんも多いねぇ。コロッケもいろいろ売ってる店がある。何か活気がある下町っつうか楽しくなってくる。

人形町に向かって左の歩道を行くと、観音様があって、おやおや、その脇道の路地がこれまた風情があってグーざんす。かなり古いというか、歴史のありそうな料亭や居酒屋が細い路地の左右に並んでいて、もぉ歩いてるだけでワクワクさせられちゃう。

そういえば「水天宮」って外観がモダンな建物があって、のぞいて見るとゴリッパな神社で安産の神様なんですと。私が気に入ったのは左手前にカッパの像があって、これがかわいい。

近づいてよおく見ると赤ちゃんガッパを抱っこしてお乳をあげてるし、クルリ後ろに回ると小ガッパが2匹いてお母さんにしがみついている。みんな表情が実に何ともほほ笑ましいですな。

でまぁ人形町をすぎて小伝馬町へ向かうわけですが、これがコロッと町並みが変わってビル街になっちゃう。何だか一気に夢が覚めちゃいます。

中央区日本橋小伝馬町の銭湯「十思湯」の外観(画像:島本慶さん制作)

でも目的の銭湯がこっちですから、これはしょうがないなんて思いつつ少し早足になってテクテク。しばらく行くと、左側に大安楽寺があって、これが昔の処刑場跡? へーえ、なんて見ながら、そこを左へ。するってぇとありましたよ「十思公園」が。実はここに銭湯があるんですよ。その名も「十思湯」(中央区日本橋小伝馬町)ってね。

サウナはタオル代込みで870円

それにしても明るいうちから歩いてんのにもぉ暗くなってきました。ところで初めての人はどこに銭湯がなるのかわからないと思います。

というのもこの銭湯、公園に接したビルの2階にあるんですが、知らないと気がつかないのです。私は以前何度か来たことがあるので心得ちゃってっけど、何だか珍しいですこういうアプローチって。

でまぁビルの中に入り階段でお2階へ。げた箱に靴を入れて受付へ。オッサンに470円を払い脱衣場へ。ちなみにサウナはタオル代込みで870円っす。

「十思湯」までの散歩コースの風景(画像:島本慶さん制作)

脱衣場のロッカーは100円戻りのやつですから、小銭のご用意を。すかさず洗い場に入ると、カランは何とひとりずつ仕切られていて、それぞれにシャンプー・リンスおよびボディーソープが置かれていますよ。

私は頭をぬらしてから体を洗い、いつものように最後に頭と顔を洗います。さぁて浴槽は? 熱湯とぬるま湯があって、ぬるま湯の方にジェット2本か。その隣が水風呂ねぇ。でサウナがあるわけです。私はサウナには入りません。ぬるま湯でじっくりと体を温めてから、シャワーでスッキリ。あ~いい気分。

でもねぇ、シャワーのお湯が途中から水になっちゃって少しアタフタしてしまいました(笑)。そりゃあサウナの人はいいですよ、どうせ水をかぶるわけですから。いやぁマジでひやひやしてしまいました。

てなことを帰りに受付のおじさんに言うと、笑いながら「そんなことはありませんって。しばらく出しときゃちゃんとお湯になりますから。ハッハッハ」ですって。

実際そうなのかもしれませんが、待ってると風邪引いちゃいますからねぇ。銭湯は初めてでしょうなんて目で見られちゃいました。ああ、ナサケナイ。

島本慶(コラムニスト、ミュージシャン)

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