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【漫画】電車にひかれかけて…“芸人が死にかけて人生を考える漫画”が描く芸人のリアル

  • 2021.2.18
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あと1歩で死ぬところだった… ※ナターシャさん提供
あと1歩で死ぬところだった… ※ナターシャさん提供

【漫画を読む】“芸人が死にかけて人生を考える漫画”本編

浅井企画所属のお笑いトリオ・ニュークレープのナターシャさんが描いた“芸人が死にかけて人生を考える漫画”「My presence」。実際にナターシャさんがホームに転落した男性を助け、死を実感したことをきっかけに描いた漫画で、この作品の元となる漫画はTwitterでの公開後1.3万“いいね!”を集めるなど話題になった。

今回はWEBザテレビジョンへの漫画掲載(前・後編)と同時に、作者であるナターシャさんへのインタビューを実施。「死にかけてみて考えたこと」や芸人のリアル、今後の展望などについて話を聞いた。

「人って結構簡単に死ぬぞと思ったんです」

「こんな写真いります!?」と言いつつポーズを取ってくれるナターシャさん ※ザテレビジョン撮影
「こんな写真いります!?」と言いつつポーズを取ってくれるナターシャさん ※ザテレビジョン撮影

――ナターシャさんはバイトに行く途中の駅で、ホームから転落した男性を発見したんですよね?

そうなんです。バイトに向かうために地元の駅に行ったら、おじさんが線路に寝転がっちゃってたんですよ。まあ非常停止ボタンを押して駅員さんを呼べばいいか、と思ったんですけど、ふと目をあげたら電車が来てるんですよね。

それで「やばい、今から非常停止ボタンを探しても間に合わない」と思い、線路に降りてホーム下の退避スペースにおじさんを引っ張っていきました。一応運転手さんも気づいてブレーキをかけてくれたので車両は急停車したんですけど、それでも退避スペースにいた僕らの位置を通過して行った。つまり僕がおじさんを引っ張っていなかったら間に合わなかったんです。

そして、もしこのおじさんがもっと重かったり、僕が躊躇(ちゅうちょ)していた時間がもっと長かったりしたら、僕も死んでたかもしれない。人って結構簡単に死ぬぞと思ったんです。

いつも通りにバイト行こうと思ってシャワーを浴びて、「髪乾かす時間ないな、まあいいや自然乾燥や」とか思って、いつも通り駅のホームへ行ったらそんな出来事があった。人生の出来事は予期なんかできないんやなと思いました。

でも、表彰してもらった時に消防署の署長さんと話したんですけど、「ホームには絶対に降りないでください」って言われました。自分自身が死ぬ可能性もあるので、みなさんはまねせず、非常停止ボタンを押すようにしてほしいですね。

――この経験の後、変わったことはありましたか?

“見切り発車”ができるようになりました。それまではなにかを思いついても「これは本当に面白いのか?」と頭で考えて止めることが多かったんですけど、「どうせ死んじゃうし、好きなことをやるべきだな」っていう開き直りが生まれましたね。

「ライブの給料は給料じゃないですね(笑)」

ギャラを分け合うと… ※ナターシャさん提供
ギャラを分け合うと… ※ナターシャさん提供

――作品内では「打ち上げに行ったらライブのギャラがなくなる」とありましたが、やはりライブのお給料だけだと厳しいんでしょうか?

ライブの給料は給料じゃないですね(笑)。例えば1回トリオでライブに出たとすると、3000円のギャラを3人で割って交通費を差し引いたら、数百円にしかならない。もはや、交通費をもらってるくらいの感覚ですよね。

給料が0円の月もあります。吉本(興業)とか松竹(芸能)だと持ち小屋で通常公演があって、それの出演料がもらえるからまだいいけど、浅井(企画)は持ち小屋がない。そうすると自分で会場を借りたり呼んでもらったりしてライブに出るしかないんですけど、いくらにもならない。芸人1本で食べていくのって、日本だとある程度世間で認知されてるような人じゃないと無理ですよね。基本、芸人はみんなアルバイトをしていると思います。

現実見たら、絶対芸人なんてやめた方がいいです。パチンコやってるやつと同じですよ。当たるかわからない台にずっと座ってる。で、当たったとしても長く続くか、単発で終わるかっていう話です。

インタビューに応じてくれたナターシャさん ※ザテレビジョン撮影
インタビューに応じてくれたナターシャさん ※ザテレビジョン撮影

――ナターシャさんはどんなアルバイトをされているんですか?

ガストで12~3年バイトをしてたんですけど、今は在宅のバイトがメインですね。最近芸人を辞めたペッパーボーイズの前田(かずのしん)ってやつがIT会社の社長をしているんですけど、芸人に在宅でできるバイトをくれるんです。それで打ち込みみたいなことをしてます。

でも、在宅でやるじゃないですか。めっちゃ寝るんですよ(笑)。寝ていた時間は報告する時自分でちゃんと削るんですけど、結果的に全然働いてないことになる。

これはやばいなと思って新宿のネットカフェのバイトも始めたんですけど、客足は伸びないし、別の店舗は潰れたし、いよいよやばいぞと思ってますね。

ギャラがなくなっても楽しい打ち上げ ※ナターシャさん提供
ギャラがなくなっても楽しい打ち上げ ※ナターシャさん提供

ギャラがなくなっても楽しい飲み会事情

――ギャラが無くなっても参加してしまうほど、打ち上げは楽しい?

そうですね。お金を大事にするなら打ち上げなんか絶対行かない方がいいんですよ。けど楽しいんですよね。あほですよ、現実を見てないんですよね。

――芸人さん同士仲のいい感じ、うらやましいです。

いや、傷のなめ合いだと思いますけどね(笑)。

コロナでライブがなくなったので最近は行かなくなりましたけど、前は高円寺とかで飲んでました。それこそ「M-1グランプリ」の決勝に行ったウエストランドの河本(太)とは、よく飲みに行きましたね。マネジャーの三野さん含め、3人で年越したこともあります。

ナターシャさん ※ザテレビジョン撮影
ナターシャさん ※ザテレビジョン撮影

あとは去年マヂカルラブリーの野田(クリスタル)さんが「R-1ぐらんぷり」で優勝したときなんかは、(マヂカルラブリーの)村上さんと三野さんと一緒に居酒屋のTVで見ていました。村上さんが「おおお! やったやった!」とかやっているとこを動画撮ってツイッターにあげたら、メディアから何回か「使っていいですか?」って依頼が来て。まさかその年に2人がM-1でも優勝するとは思わないですけどね。「俺の相方すごい!」とかやってたのに、村上さんもM-1チャンピオンじゃんみたいな。それこそ、さっきのパチンコの話でいうと「ずっと座っていた台が確変した」みたいなことですよね。

※インタビュー後編に続く

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