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「親戚が多すぎる」39歳婚活女性のお見合いをつぶす“ダメ出し母”のホンネ

  • 2021.2.17
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過干渉な親がお見合いを台無しにする?
過干渉な親がお見合いを台無しにする?

お見合いをしても、しても、結婚が決まらない人たちがいます。その理由は、「なかなか理想の人に出会えないから」だと、ご本人たちは言います。本当にそうなのでしょうか。理由を深掘りしてみると、そこには共通する“親子関係”が見えてくるのです。

母がこう言っていますので…

「お付き合いしていた安西さん(43歳、仮名)ですが、交際を終了にしようと思います」

内野仁美さん(39歳、仮名)が連絡を入れてきました。仁美さんは、お見合い活動を始めて1年になるのですが、お見合いをして交際に入っても、2~3度会うと、彼女の方から、「交際終了でお願いします」と言ってくるのです。

「あら、どうして? この間まで、『話題も豊富な方で、話していても楽しい』って、言っていたじゃない」

交際終了の理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「母が、『あなたは一人っ子で、のほほんとのんびり育ってきたのに、そんな周りが親戚だらけのところにお嫁にいったら大変よ』って言うんです。確かにその通りだなって。結婚って二人だけの問題じゃないし、嫁いでから苦労したくないですから」

仁美さんのお相手である安西さんは、年収800万の大手企業のサラリーマン。ご実家が地主で、マンションやアパート経営もしている資産家の長男坊です。とても条件のよい男性ですが、周りには安西さんの親御さんの兄弟が大勢いる。また、昔からの名士なので、町内会の会合や祭事などは安西一族が仕切っているそうです。

母親にしてみたら、そんなところに娘を嫁がせたら“苦労するのが目に見えている”と。

皆さんにも経験がありませんか? すごく気に入っていたものでも、周りからケチをつけられると、それが途端に色あせてつまらないものに思えてくることが。

恋愛に関しては、相手のことを大好きになっていると、反対されればされるほど燃え上がるんですよね。ところが、まだお付き合いが始まったばかり。“結婚相手としてどうか”とあれこれ見極めている時にケチをつけられると、前向きだった気持ちが途端に裏返ってしまいます。

「今判断しないで、もう少しお付き合いしてみたら?」と勧めましたが、「いえ、お断りしてください」の一点張りでした。

仁美さんは入会して1年になりますが、お相手への希望条件がとても高い。39歳ですから、お申し込みをかけてくる男性は45歳以上の方も多いのですが、男性の年齢上限を43歳までとしていました。それは、「これまで年下としか付き合ったことがないし、あまりにも年上だと早く死んでしまいそうな気がするから」という理由から。さらに、ご自身が大卒だから男性も大卒以上、一人っ子だからお相手は兄弟がいる人、また、両親に何かあった時にすぐに駆けつけられるように、住んでいる場所は東京都内、できれば23区の方。

「そんなに条件を絞ってしまったら、なかなかお見合いを組むことはできなくなりますよ」とお伝えしましたが、譲歩することはありませんでした。

しかし、よくよく聞いてみると、これは彼女ではなく彼女の母親が“娘の結婚相手に望んでいた条件”だったのです。

そして、今回の安西さんのように、「43歳」「大卒」「3人兄弟」「東京23区在住」「一部上場企業社員」と条件をすべて満たしていたとしても、「周りに親戚が多い。そこに嫁いだら苦労をする」と母親が反対するのです。

彼女はどういうわけか、婚活の相談を母親にします。母親は、お相手の条件を聞くと、「あそこがダメ」「ここがダメ」と、お相手のダメ出しをしてきます。しかしながら、100%理想に合う男性なんて、この世に存在するはずがありません。

母親は、娘を心配している体を装っていますが、本音は、39年間一つ屋根の下で一緒に暮らしてきた一人娘を手放したくないという気持ちが強い気がしてなりません。

父親の顔色をうかがう家族

男性会員、前島悟さん(38歳、仮名)は、35歳の上田敬子さん(仮名)と先日お見合いをし、交際に入りました。敬子さんから“交際希望”が来たことを伝えると、悟さんは大喜びでした。

「敬子さん、見た目がドンピシャ僕のタイプなんですよ。このままうまくいくといいなあ。頑張りますよ」

こう張り切っていたのですが、それから2週間後、前島さんから、「ご相談したいことがあるので、面談をお願いします」と連絡が来ました。

事務所で待っていると、会社終わりにやってきた前島さんは、神妙な面持ちで言いました。

「敬子さんなんですが、僕の気持ちとしては前向きにお付き合いを続けたい。ただ、時間をかけたところで結婚まで進めるかどうか疑問もあるんです」

なぜ、そんなふうに感じたのか。それは実家暮らしの敬子さんが35にもなって、あまりにも親の言いなりで、家のルールにがんじがらめにされているからだというのです。

「交際になった翌日の午後9時に、ファーストコールを僕からしたんですね。その時、話が盛り上がって1時間くらい長話をしたんですよ。そうしたら、翌日にメールで、『家族内でお風呂に入る順番があって、昨夜私が電話をしていてお風呂に入らなかったから、母が入ることができなかった。これからのやり取りは電話ではなくメールのみにさせてください』と言われたんです」

よくよく聞くと、父、母、敬子さん、弟の4人家族なのですが、ご家族の中にたくさんの決め事があるようなのです。

お風呂に入るのは、父→弟→敬子さん→母、の順番。食事は、父と弟は母と敬子さんよりもおかずの品数が1品多い。帰宅が遅くなる日は必ず朝、それを親に告げてから会社に出かけないといけない。家長は父で、男は女よりも上という男尊女卑が徹底している。

「お母さんは常にお父さんの機嫌をうかがっていて、怒らせないように生活しているらしいんです。だから、僕と電話をしていて、お風呂の順番が来たのに入らなかった敬子さんは、お父さんだけでなくお母さんからも、ものすごくしかられたそうなんです」

その話を聞いて、あまりにも時代錯誤のご家族に私は驚いてしまいました。それでも悟さんは、「見た目がタイプだし、もう少しお付き合いを続けてみます」というので見守ることにしました。

ところが、その2週間後に、敬子さんの相談室から、“交際終了”の連絡がきたのです。終了理由を相談室に尋ねたところ、仲人さんからこんな答えが返ってきました。

「先日、前島様から『ただ食事をするだけのデートを重ねていても、距離が縮まらない。そこはどう考えているんですか? 僕と結婚する気持ちはあるんですか?』と責め立てられるような口調で質問されたそうです。それがとても怖かったので、『もう交際終了にしたい』とのことでした」

このことを悟さんに伝えると、彼は驚きとともに不満げに言いました。

「僕は責め立てるように言った覚えはないけどな。でも、そう取られたなら仕方ないですね。交際終了は、分かりました」

過干渉な親の子どもは独身が多い

子どもは、物心ついたころから、“親には従う”という暗黙のルールの下に成長していきます。思春期に反抗もしますが、20歳を越えた辺りから、母親と友達のように仲良く付き合うようになる娘も多い。しかし、親にとって子どもはいくつになっても子どもですから、物言いは常に上から目線です。

また近年、“毒親”という造語も生まれ、社会問題になっています。過干渉したり、教育熱心で子どもの人生のレールを敷き、「親の言う通りに生きていれば間違いない」と強要したりする。また、「だからお前はダメなんだ」と否定的な言葉を常に発したり、夫婦の関係がうまくいかないストレスを子どもに八つ当たりしたりする親もいます。

結婚できない人たちの後ろには、支配的な父親や、子どもにぴったりと寄り添う母親の存在があるケースがとても多い気がします。

あなたは、大丈夫でしょうか?

仲人・ライター 鎌田れい

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