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「大殺界だから来年」「干支合わず破局」…恋愛や結婚の行方を“占い”に委ねる男と女

  • 2021.2.17
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恋愛や結婚に「占い」は必要?
恋愛や結婚に「占い」は必要?

未来に何が起こるかはわかりません。どん底にいたり、悩んだりしている時に、明るい未来や開運を期待して占いに頼る人がいますよね。

婚活においても、出会える時期やお相手の相性などを占いで見る人たちがいます。良いことだけを信じて、それを前に進むパワーにできればよいのですが、一喜一憂して、占いに翻弄されるのは、いかがなものかと思うのです。

娘のお見合い相手を占いで見る母

「11月1日が大安なので、この日に入籍することに決めました」

吉田孝子さん(36歳、仮名)から連絡が入りました。孝子さんは4月にお見合いをした安藤拓海さん(38歳、仮名)から10月にプロポーズをされ、成婚退会をした会員女性です。

孝子さんたちのように、成婚したほとんどのカップルが、入籍や結婚式の日を「大安」「友引」など、暦の六曜を見て日が良い日に決めています。

わざわざ仏滅の日を選んでお祝い事をする人は、まずいません。日が良い日にお祝い事をした方が、気持ちも晴れやかになりますし、日程を決めるきっかけ作りにもなりますよね。

しかし、こんな例はどうでしょうか。

私の相談所で1年間活動し、成婚しないままに退会していった、佐藤悦子さん(33歳、仮名)という女性がいました。彼女は、24歳の時に一度結婚しており、28歳で離婚したバツイチでした。

なかなか美人だったので、登録したらたくさんのお申し込みがかかりました。しかし、申し込みをお知らせしても、いつもお返事が遅いのです。

ある時、年齢、年収、見た目などが申し分ない男性をお勧めしたら「お見送りします」と言います。その理由が、こうでした。

「母が、『この男性とは相性が悪い』と言うんです。結婚しても、けんかが多くなって、幸せな家庭は築けないって」

悦子さんのお母様は、お袋の味を売りにした飲食店をやっているのですが、専門家の先生に付いて四柱推命占いを勉強し、お客さんにはサービスで占い鑑定をしてあげているというのです。

そして、お申し込みをお知らせしても返事が遅かったのは、全てのお申し込みをお母様に見てもらっていたからだとわかりました。

「お母様が、占いを始めたのはいつ頃からなの?」と聞いたところ、彼女が高校生くらいの時に、四柱推命の教室に通い、本格的に勉強したというのです。

しかし、悦子さんはバツイチ。当然、前の結婚の時も、お母様はお相手の相性や結婚する時期などを見ていたはずです。それなのに、前の結婚は4年で終わってしまいました。

占い通りに行かないのが人生です。

大殺界だから、入籍は来年に

先日、成婚が決まった橋野容子さん(38歳、仮名)ですが、お相手の男性、竹内徹さん(42歳、仮名)のお仲人さんが、占いをする人でした。

「竹内さんのお仲人さんが、今年は私が大殺界らしくて、結婚式や入籍は大殺界が明ける来年にした方がよいとおっしゃっているんです。私は、年齢的にもできるだけ早く入籍したいのですが、年内に進めて、後に何か良くないことが起こった時、『大殺界なのに結婚したからだ』と言われるのも嫌なので、年が明けてからにしようと思っています」

占いは「良いことだけを信じればいい」と言う人がいますが、悪いことを言われると、どうしてもそれが気になってしまいます。何も知らないで、後に何か良くないことが起こったとしても、それは現実として受け入れるのでしょうが、「大殺界」ということを知っていたら、遡って「だから、やらなければよかった」と思ってしまいます。

このお二人、相談所を退会するのも“大安の日”の指定だったので、私もその日に彼女の退会手続きをしました。

いきなり、交際終了になった理由

男性会員の大原裕也さん(42歳、仮名)は、1年間、お見合い婚活をしていましたが、なかなか素敵な女性に巡り会えずにいました。

そんな時、中国人女性のコウさん(34歳、仮名)とお見合いをしました。

結婚相談所に外国の女性が登録して活動するには、2通りのやり方があります。一つは、男性が女性の成婚料を負担するタイプ。もう一つは、女性がご自身で活動費や成婚料を払うタイプ。コウさんは、後者でした。

コウさんは、中国の大学を卒業後、日本に何度か旅行をしているうちに日本が大好きになり、中国人が経営する日本の貿易会社に就職。日本語は、読み書きも会話も不自由なくでき、既に2LDKのマンションを都内に購入している、とても自立した女性でした。

裕也さんは、コウさんについてこんなことを言っていました。

「ひたむきな努力家だし、生きる原始的なエネルギーを感じるんです。話していても、すごく刺激になります」

何度かデートを重ねているうちに、結婚の具体的な話もするようになりました。

「中国が一人っ子政策の時に生まれているから、兄弟がいない。結婚したら子どもは3人欲しいって、最近はそんな話も出ているんです」

結婚に向けて、着実に2人の関係を進めていた矢先、コウさんの相談室から突然“交際終了”が来ました。裕也さんにそのことを告げると、彼はこんなことを言いました。

「毎日メールのやり取りをしていたのですが、今週の水曜からメールがパタリと来なくなったんです。そしたら『交際終了』って、一体何が起こったんでしょうか。もう意味がわかりません」

そこで、私がコウさんの相談室に交際終了になった理由を尋ねました。すると、相談室の仲人さんがこんな理由を話してくださいました。

「大原さんは誠実で頭も良くて、とても信頼できる男性だと言っていました。結婚を真剣に考えて、中国のお父さんとお母さんに、『日本の男性で結婚したい人がいる』と伝えたそうです。すると、大原さんの生年月日を聞かれ、伝えたところ、『干支が合わない』と言われて、結婚を反対されたそうです」

交際終了の原因は、干支が合わないから。これもお国柄なのでしょうか。

不思議なもので、「大殺界です」「四柱推命で相性が悪いです」「干支が合いません」と言われると、前に進めようとする気持ちにストップがかかってしまいます。

占いを、前に進む力や明るい未来の指標にするのは、決して悪いことではありません。朝のニュースバラエティー番組にも占いコーナーがあり、運が良い日と悪い日、ラッキーカラー、ラッキーアイテムなどを一言アドバイスで伝えていますよね。

運の良い日は、追い風に乗る。悪い日は注意を払って生活する。ラッキーカラーやアイテムを身につけ、気落ちを上げて一日を過ごす。

ですが、占いは、当たるも八卦(はっけ)当たらぬも八卦。最終的には“自分の決断”で婚活も人生も進めていくことが大事ではないかと思うのです。

仲人・ライター 鎌田れい

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