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ドラマ主題歌「追い風」をリリース!SHE’S「基本は音楽が好きで作ってるので、そこはぶれないでいたい」

  • 2021.2.17
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ドラマ「青のSP(スクールポリス)‐嶋田隆平‐」の主題歌「追い風」をリリースするSHE’S 撮影=諸井純二
ドラマ「青のSP(スクールポリス)‐嶋田隆平‐」の主題歌「追い風」をリリースするSHE’S 撮影=諸井純二

【写真を見る】「転がるよりは立ち上がっていく言葉を描きたかったんです」と話す井上竜馬

曲としてドラマティックに完結できるようバランスを取りました

4人組ロックバンドSHE’S のニューシングル「追い風」は、ドラマ「青のSP(スクールポリス)‐嶋田隆平‐」(フジテレビ系)の主題歌として書き下ろされた。日本初のスクールポリスを主人公にした学園エンターテインメントの脚本を読み込み、ドラマの主軸となっている「人間の再生」を意識して、曲を作っていったという。

井上竜馬(Vo・Key)「ゴールデンタイムのドラマ主題歌を担当するのは初めてなので、喜びと一緒にプレッシャーがありましたね。番組サイドとの打ち合わせで、『シリアスな内容だけど、見ている人の背中を押せるような前向きなメッセージがあると嬉しい』って言われて。その後、台本を読んだうえで、まず僕がトラックを作っていきました」

華やかなイントロから始まる、起承転結を感じさせるドラマティックな展開。サビは明るく抜けが良い。

井上「シリアスなドラマの世界観を壊したくなかったので、サビも明るいっちゃ明るいんですけど、突き抜けたポップネスにしたわけではない。ドラマを見てない人にも伝わるよう、曲としてドラマティックに完結できるようバランスを取りました」

広瀬臣吾「エレクトロの部分で冷たさを出した後、サビでよりバンド感を出す方がドラマにも合うのかなと思ったりしながら作っていきましたね」

力強いコーラスや、ハンドクラップ調のアレンジ、大サビ前のダイナミックなギターソロと、1曲の中で多くの要素が詰め込まれており、どの音も派手さがある。

広瀬「去年出したアルバムの『Tragicomedy』から、こういうモードが続いていますね」

井上「サビの後に、サビくらいメロディーが頭に残るパートを作りたいと思っていたので、軽い気持ちでそれをやってみたところもあります」

服部栞汰「僕のギターソロは、去年亡くなったエディ・ヴァン・ヘイレンへの追悼を込めてバチバチに弾きました。だから今までのSHE’Sにはないギターになっていると思います。デモの時点で入れたいなって思っていて、竜馬と別件で電話してたときに『エディの追悼のギターソロ弾くのどう?』って言われて、同じことを考えていたんだと。それで、『なら良かった』と思って、思いきり弾かせてもらいました(笑)」

井上「自分に置き換えると、例えば、めちゃくちゃ影響受けたELLEGARDENの細美(武士)さんが亡くなったとしたら、絶対追悼で曲書くなって思って。それで、エディが亡くなってしまったから、そういうギター弾かな、(服部の)気が済まんやろって思って(笑)」

服部「はははは」

井上「これはどんなギターソロがきても『やり直せ』って言わんとこうって思って(笑)」

【写真を見る】「転がるよりは立ち上がっていく言葉を描きたかったんです」と話す井上竜馬 撮影=諸井純二
【写真を見る】「転がるよりは立ち上がっていく言葉を描きたかったんです」と話す井上竜馬 撮影=諸井純二

手は汚れてるままで、一度した過ちは消えてない

ドラマと同様、あらゆる傷ついた人に対して追い風を吹かすような力強い歌詞になっている。

井上「サビの『生きていくものだけに吹く追い風』って1行がキーワードになるなって思っていて。失敗と更生を描いていくドラマだから、転がるよりは立ち上がっていく言葉を描きたかったんです。1番も2番も最後の落ちサビでも“花”に関する言葉が出てくる。僕は家に観葉植物があるんですけど、生き物なので外に出して風を浴びさせないといけないっていうことを知って。

それまでは、家の中でも陽を浴びて水をあげてたら生きてるって思ってたんですけど、そうじゃないんだって。あと、僕が好きな漫画に、一回折れちゃった茎をハサミで切るとまた伸びてくるっていうエピソードが出てくるんですけど、それも人の再生に似てるなって思って。人生も一回切り取ってやり直せば、風も吹くし自分も育つっていうのが、自分が設定した“花”っていうモチーフとリンクするなって思って、それを一貫して歌詞を書いたんです」

服部「俺、『降りしきる雨も背中を押すよ』って歌詞が好き」

井上「あ、ありがとう(笑)」

広瀬「俺が好きなのは『君らしくいられる 何処かへ行こう 荷物はいらない』っていうところ」

井上「(笑)。俺は、『汚れた手と洗い流した足』っていうのが結構気に入ってる。“手を汚す”っていう言葉がありますけど、更生する時は“足を洗う”って言うじゃないですか。だから、手は汚れてるままで、一度した過ちは消えてないんですよ。最近それに気付いて鳥肌が立って。過去の罪は消えないから、それを受け入れた上で前に進んでいくっていうのが、日本語の美しさなのかなって」

服部「今それ聞いて、そこの歌詞が一番好きになった」

井上「(笑)」

木村雅人(Dr)「確かに『ここどういう意味なんやろ』って思ってた」

井上「1番と2番のリンクはどの曲でもある程度意識はしてるんです。『追い風』だと、1番で『一度折れた花』って書いた後、2番で『花弁はとうに閉ざされた』っていうリンクがあって。1番は、特に書き下ろしのタイアップだと一番流れる機会が多いから、間口の広い歌詞にしたいんですよね。できるだけディティールを描かない作り方をしていて。それで2番で詳細を描くっていう。2番の『貪った孤独の味はどうだい』って結構攻めた表現だと思うんですけど。それは1番ではできないなって思いましたね。でも全体的に、『Tragicomedy』の作詞から、こういうふうに強気にものを言う変化をしたので、そこが無意識に出てるのかなとも思います」

木村「例えば『向かい風に立ち向かっていく』っていう歌詞じゃなくて、追い風をテーマにして背中を押すことを書いてるのが最近の竜馬っぽい、SHE’Sらしさになってるのかなって思いました」

井上「ほんまやな。俺、向かい風のことは考えてもいなかった」

撮影=諸井純二
撮影=諸井純二

自分たちが20周年を迎えても『演奏したい』と思える曲であってほしい

既発曲「Your Song」が、リリースから約一年後にサッポロビールの新CMのテーマソングに選ばれる等、SHE’Sの曲の良さへの支持が高まっている。

広瀬「一年前に出した曲のタイアップが決まるのは、1曲1曲大事に作ってきた甲斐があったなって思いましたね。自信にもなります」

木村「そうやって使ってもらうことによって達成感もありますし。使われてないと、どこか『寂しいなあ』という思いは今まであったので」

服部「しかも『Your Song』はライブでもよくやってる曲だし、インタビューとかでもよく話題にあがって、たくさんの人に気に入ってもらってる実感があった曲なので、やっと日の目を浴びてくれたって感じがしますね」

井上「リリース当初、スタッフがすごく頑張ってくれて、いろんなところで使ってもらえる可能性があったんですけど、結局難しかったんですね。そうしたらCMソングに決まって。お母さんに『サッポロビールのCMに決まったんよ』って言ったら、『当たり前や! 逆に何で決まってなかったんや! あの歌が一番ええわ!!』って怒ってました(笑)。

当たり前かは分からないですけど(笑)、CMによって間口を広げてもらえて、シンプルに嬉しかったです。もちろん自分らでも満足しつつ、そうやって企業側にも喜んでもらえて、お互いが誠実に向き合えると良いですよね。タイアップがなかったとしても、自分たちが20周年を迎えても『演奏したい』と思える曲であってほしい。『あの曲何年経っても良いよな』って自分たちがリスナーとして思ってることを、僕たちのリスナーにも思ってもらえたらいいかなと思います。基本は音楽が好きで作ってるんで、そこはぶれないでいたいですね」

取材・文=小松香里

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