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「アデライデ」ディレクター・長谷川左希子と、シンガーソングライター・BENIが対談!

  • 2021.2.17
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アデライデ、アディッション アデライデの若きディレクター、長谷川左希子。セレクトショップの枠にとどまらない活動で存在感を増す彼女とは一体どんな人物なのか? 親友の証言、生い立ちから、その魅力を深掘りしてみる。

長谷川左希子とはどんな人?
盟友、シンガーソングライターBENIと対談

──お2人の出会いについて教えてください。

BENI 7年くらい前、ふらっとアデライデに行ったんです。スタイリストの紹介だったかな。服を見ていたら、突然左希子が「私たち共通の知り合いがいっぱいいるし、たぶん仲良くなれると思う」みたいなことを言いながらぐいぐい来て。本当にびっくりしました。いきなり英語もしゃべり出して。はっきり言ってナンパですよね(笑)。

長谷川左希子(以下左希子) 普段そんなことはしないんですけど、仲良くなった方がいいんじゃないか、という直感が働いたんです。その場でLINE交換もしました。すっかり私に心を許しちゃったんだよね(笑)。

BENI いつもは初めましての人に連絡先を軽々しく教えないから(笑)!何かわかり合えそう、という気はしました。

──BENIさんが1歳上で、年齢も近いんですね。

左希子 BENIは3人兄弟の長女だからお姉さんの感じがすごくあって甘えてしまうんです。飲みに行ったら「もう帰ろう」とストップをかけてくれるし、自己管理もしっかりしている。ジムも、マッサージも、ネイルも、彼女と同じところに行きました。完璧主義でとことんリサーチするから良い情報をすでに持っている。私が調べなくてすむんです(笑)。

BENI 歯医者も一緒。

左希子 あとは漢方の料理教室とか、ヨガとか。

BENI 私も紹介してもらうことがあって。お互いに情報を共有し合うんですよね。2人とも自分を磨くことが大好きだから。

左希子 向上心の塊だよね。いろんなことに興味があって、良いものは全部取り入れたい。

BENI それに、オン/オフのバランスをつねに追求しているんです。

左希子 オン/オフの切り替えが仕事に良い影響を与えてくれるということは、BENIから教わりました。

──ナンパに始まり(笑)、そこまで仲良くなったのはなぜなのでしょう。

BENI 私はアメリカに住んでいた時期が長かったし、日本にいる間もずっとアメリカンスクールに通っていました。アメリカと日本、両方のカルチャーをあわせ持っているんです。左希子も小さい頃から海外へ行き、ロンドンに留学したりして、インターナショナル感がすごくあって。私は音楽、彼女はファッションという違うフィールドで活動していますが、ルーツが近しいから葛藤や悩み、コンプレックスが似ているんです。でも、価値観は一緒だけど、行動の仕方が全然違う。それも長く付き合っていけるポイントなのではないかと思います。私は感覚的で、左希子はロジカル。たぶんビジネスをやっているから、というのもあると思うけど。

左希子 BENIはアーティストだしね。悩んでいる時は自分の悪い癖が出ないよう、必ず彼女に意見を聞いてベストな方法で対処するようにしています。BENIとは、「だよね〜」とただ言い合うだけの女子会にはならないんですよ。討論会(笑)。意見がぶつかって喧嘩もよくしますけど、進展がないと意味がないので。

──たとえばどういう悩みについて語り合うのでしょうか?

左希子 大半はビジネスについてです。経営者の孤独についてとか。

BENI お互いリードをしなければいけないような立場にいるんです。私は事務所から独立したので。

左希子 私はだんだん会社を任されるように。2人とも同じくらいのタイミングでそうなって、一緒に占いとかにもよく行ったよね(笑)。

BENI 恋愛や音楽、食事、美容についても話しますが、仕事におけるフィロソフィが話題になることが多いです。周りのスタッフの巻き込み方とか、モチベーションの上げ方とか。

──フィールドが違ってもわかり合えるものなのですね。

BENI 音楽にもファッションにも人を動かす力がある。お互いそこにすごく情熱を持っているから共感し合えるんです。同じフィールドではないからこそオープンに聞けるところもあったり。そして左希子は音楽大好き、私は洋服大好きだし、パズルがフィットする感じです。

左希子 ライヴでBENIが歌っている姿を見るとすごく刺激を受けます。音楽は人を元気にしてくれる。私もファッションでそんなふうに人を幸せにしたいな、と思うようになりました。ただお客さんに服を選んでもらうだけではなく、輝かせてあげたい。そしてファッションの楽しさを伝えたい。「洋服屋さん」から、一歩踏み出したくなって。そういう気持ちになったのはBENIの存在が大きい。

BENI 左希子に接客されてわかるのは、お客さんがどうやったら輝けるか、とつねに考えているということ。たぶん仲が良い私にだけじゃなくてお客さん全員にそうしているからすごく好きなんですけど。素直にお客さんがすてきになっていく姿を見たいから、情熱を持って仕事をしているんです。だからたくさんの人たちが左希子のことを信頼しているんだと思います。「私を変えて」、と人が周りに集まってくる。それぐらい洋服を超える何かを得られるんです。

──お2人で今後の話もされたりするのでしょうか。

BENI 2人で朝の散歩を始めました。コロナ禍でライヴができなくて、仕事がまっさらになった時期もあっていろいろな葛藤を抱えていたんです。それで自然の中、すっぴん・Tシャツ・レギンスで、歩きながら話そう、と。今では週2、3ペースのルーティンになっています。そこでアイデアがいっぱい生まれているんです。時には散歩中に話が終わらないことも。

左希子 アイデアが浮かんできて楽しくなっちゃうんですよね。

BENI お互いフェミニストっぽい部分があって、つねに女性をどうエンパワーメントするか、ということを考えています。今までなら私は音楽で取り組んでいたのですが、左希子も同じ情熱を持っているから一緒に何かできたら面白いね、とブレストしたり。私たちは古い考え方には「No!」と言う主義なのですが、そういう人たちがもっと増えていいと思う。そうなりたいけどなれない、という女性たちに向けて、「No!」と言っていいんだよ、と発信していきたいんです。

左希子 私もこうして表に出る機会も増えてきたし、女性たちに「自信を持って」と伝えたい。男尊女卑的な考えに悔しいな、と思うこともあったけど、結果を出したらもう何も言われなくなる。毎日がつまらない、と思っている人もいるかもしれませんが、ちょっとしたマインドの切り替えで変わるはず。好きなことを仕事にして輝いている女性たちに着目してみてほしい。それにもっと世界に出ていかないと、という気持ちもあります。

──お散歩討論会が白熱する様子が目に浮かびます!インターナショナルな感覚を持ったお2人に感化される人も多いはず。今後の発信が楽しみです!

GINZA2021年1月号掲載

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