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お母さんの睡眠の質が悪化する理由。 海外研究が指摘する睡眠パターンの問題とは?

  • 2021.2.10
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子どもと一緒に眠る母親

睡眠日誌をつけてもらって調査

子どもに起こされる母親

子どもが生まれてから、大きな負担になることのひとつは全然眠れなくなるということ。夜中に何度も起きたり、そもそもまったく眠れなかったり。睡眠不足が続けば、体がもちませんし、精神的なストレスで心を病んでしまい、産後うつなどの問題につながる可能性も。

このたびカナダの研究グループは、生後6か月の赤ちゃんがいる夫婦54組とシングルマザー3人(合計111人)を対象に、両親の睡眠の長さと質について調べています。子どもの数や父親と母親との間に違いがあるかなどを検証したのです。

参加者には2週間にわたって睡眠日誌をつけてもらい、睡眠の長さ、連続性、質などを詳しく書いてもらいました。併せて、母乳を与える頻度、赤ちゃんが眠っている場所、うつ病の有無、教育、仕事に就いているかどうかなども調査。データを分析しました。

睡眠時間は同じでも断続的なお母さん

乳児に添い寝する母親

こうして明らかになったのは、お母さんはお父さんと比べて、睡眠への影響が出やすいという男女の差です。さらに、子どもが複数いるお母さんは、赤ちゃん1人だけのお母さんよりも、睡眠を中断されることが多くなり、睡眠の質も悪くなりやすいことがわかりました。ただし、子どもの人数によらず、合計した睡眠の長さそのものは違いがありませんでした。睡眠時間が同じでも、お母さんは何度も目を覚ましてしまうために睡眠に悪影響が及ぶというわけです。

こうした影響は、お父さんの睡眠では見られず、子どもの数によらず、睡眠の質などは同じでした。育児の負担がお母さんに偏っているのかもしれません。研究グループは、「育児が両親の一方に偏ったままであれば、夫婦関係にも影響する」と指摘。「夫婦でうまく役割を平等に振り分けられるような工夫が大切では」と提案しています。

<参考文献>

Mothers, but not fathers, with multiple children report more fragmented sleep
https://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/mothers-not-fathers-multiple-children-report-more-fragmented-sleep-327613

Kenny S, Burdayron R, E M Lannes É, Dubois-Comtois K, Béliveau MJ, Pennestri MH. Mothers’ and fathers’ sleep: Is there a difference between first-time and experienced parents of 6-month-olds? J Sleep Res. 2020 Dec 3:e13238. doi: 10.1111/jsr.13238. Epub ahead of print. PMID: 33274547.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jsr.13238

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