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Netflixオリジナル番組、世界人気トップ5のあらすじや評判を解説! 『オザークへようこそ』『ザ・クラウン』『アンブレラ・アカデミー』など

  • 2021.2.10
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gettyimagesより

この1年、ステイホームが続く日常において動画配信サービスの利用時間が増えた人も多いだろう。日本では、Netflixオリジナルドラマ『愛の不時着』や『梨泰院クラス』をはじめとする韓流ドラマが大ヒットを飛ばしたが、世界的にはどんな作品が見られていたのだろうか。

今回、世界的な情報 /調査会社ニールセンが発表した「2020年に最も視聴されたストリーミング・オリジナル番組」をもとに、Netflix作品をチェックしてみた。ランキングは以下の通り。

1位:『オザークへようこそ』(304億6,000万人)
2位:『LUCIFER/ルシファー』(189億5,000万人)
3位:『ザ・クラウン』(162億8,000万人)
4位:『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』(156億1,000万人)
5位:『マンダロリアン』(145億2,000万人)
6位:『アンブレラ・アカデミー』(134億7,000万人)
7位:『ブリティッシュ ベイクオフ』(132億8,000万人)
8位:『ボス・ベイビー:ビジネスは赤ちゃんにおまかせ!』(126億3,000万人)
9位:『Longmire』(113億8,000万人)
10位:『YOU ー君がすべてー』

『スター・ウォーズ』シリーズ初の実写ドラマ『マンダロリアン』(Disney +)以外は、すべてNetflixの作品。Netflixのオリジナル番組の充実度がいかに高いかを世間に知らしめる結果となった。

今回は「20年、Netflixで最も視聴されたオリジナル番組」トップ5がどんな作品なのかを紹介すると共に、なぜ視聴率がよかったのかを分析してみよう。

1位『オザークへようこそ』

麻薬組織のマネーロンダリングを引き受けた男が、資金洗浄先として選び家族で移住したアメリカ南部の田舎町で、子どもたちや妻を巻き込みながら闇落ちしていく犯罪ドラマ。

財務コンサルティング会社の共同経営者に資金を横領され激怒したメキシコ麻薬組織のボスの怒りを鎮めるため、ファイナンシャルプランナーのマーティは、ミズーリ州のオザークなら資金洗浄ができると提案し、妻子を連れて移住。麻薬組織は共同経営者を殺害しており、マーティはヘマをしたら自分も家族も殺されることを知っている。だが、地元の犯罪を牛耳る一家やFBIに狙われ、そう簡単にはいかない……という物語。

マーティ役には『JUNO/ジュノ』(07)などに出演しているジェイソン・ベイトマン、妻のウェンディ役には演技派女優のローラ・リニー。FBI捜査官役には『チェンジリング』(08)のジェイソン・バトラー・ハーナーがキャスティングされている。クリエーターは、『ザ・コンサルタント』(16)などを手掛けたミズーリ出身のビル・ドゥビュークが務めている。

昨年3月27日、コロナ禍の中配信開始されたシーズン3の視聴者数は、初日が97万5,000人、2日目は156万人、3日目は132万人で、10日間で870万人を記録。18年に配信されたシーズン2と比べて74%もアップした。コロナ禍でステイホームを強いられた人たちの多くが、ストリーミングサービスを利用するようになり、そのことが視聴時間増加につながったと大きく報じられた。

2位『LUCIFER/ルシファー』

堕天使と美人刑事という異色のコンビが、さまざまな事件を解決していくというファンタジー・クライムサスペンス・ドラマ。

地獄の王であることに退屈し、ロサンゼルスで高級ナイトクラブを経営しながらロサンゼルス市警のコンサルタントとなったルシファー。不死身の肉体を持ち、人間が心の奥底に秘めた欲望を知ることができる無敵に見える彼だが、父なる神や女神、天使などとの関係に悩む。そんな彼が美人刑事クロエと組んで、事件を解決していく中で、少しずつ変化する……という物語。

ルシファー役にはウェールズ出身の俳優トム・エリス、クロエ役は『シカゴ・ファイア』でレスリーを演じたローレン・ジャーマン。ルシファーは、DCコミックス『サンドマン』に登場するキャラクターに基づいて制作されている。

この作品はもともと米FOX局で放送されていたが、シーズン3での制作打ち切りが決定。熱狂的なファンが多いことからNetflixが救いの手を差し伸べ、シーズン4からはNetflixのオリジナルドラマとして制作・配信されることになった。

昨年6月には、シーズン6制作が決定。ファイナルシーズンになると発表され、「悪魔の数字666を連想させるシーズン6だ!」と大きな話題に。8月に配信開始されたシーズン5も評論家から高く評価され、視聴数増加へとつながった。

3位『ザ・クラウン』

英国史上最高齢君主として国民から愛され、絶大な影響力を持つ女王エリザベス2世の知られざる素顔を、実話に基づき描いたヒューマン歴史ドラマ。

25歳の若さで君主となり、激動の時代を駆け抜けてきたエリザベス女王は、いかにして国民の愛を勝ち取ってきたのか。政界実力者との確執、王室のロマンス、数々の歴史的事件の 陰で、妻として、母として、君主として苦悩し葛藤する女王の姿を、繊細に描いた物語である。

エリザベス女王役はシーズン1と2はクレア・フォイ、3と4はオリヴィア・コールマン、22年に配信される予定のシーズン5はイメルダ・スタウントンが演じるというように、物語の時代が移り変わるとともに出演者が一新されているのが特徴だ。

宮殿内部や衣装など細部にこだわり、1話につき1,300万ドル(約13億5,600万円)というNetflix史上最高額の制作費をかけていることでも話題に。昨年11月に配信開始されたシーズン4では、ダイアナ元妃との結婚後もカミラ夫人との恋愛を終わらせなかったチャールズ皇太子、ダイアナ元妃とボディガードの不倫を描くというタブロイドさながらの展開となり、物議を醸した。キャスティングされたオリヴィアの顔つきやしぐさがダイアナ元妃そっくりだったこともあり、感情移入する視聴者が続出。SNSでカミラ夫人が大バッシングされる騒ぎへと発展し、結果、視聴者アップにもつながった。

4位『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』

トラやライオンなどの大型ネコ科動物を繁殖させ、ショーをさせたり、写真撮影をさせることで荒稼ぎしたものの、被害妄想が膨らみ、狂気に 取りつかれ、一気に転落した男“ジョー・エキゾチック”ことジョゼフ・マルドナド=パッセージを中心に、アメリカでエキゾチックアニマルを飼育する私立野生動物園の闇多き実態を描いたドキュメンタリー・シリーズ。

ジョー・エキゾチックという男は、強烈なファッションセンスの持ち主のナルシシスト。ドラッグで釣った若い男たちを恋人にし、動物園でパンツやコンドームなどを売る変態でもある。カントリー歌手としてCDやDVDも出しているが、実は口パク。動物虐待をしたり、園のスタッフにパワハラをしたりと、あくどい男でもある。注目されたいがために選挙に立候補するなど、やることなすことハチャメチャなのだが、その不思議なオーラに誰もが釘づけ。「憎めない男」だと、ハリウッドのセレブたちをとりこにした。

ステイホームで暇を持て余していたセレブたちが、ジョーになりきったコスプレ写真をSNSにアップしたことから、番組はますます注目されるようになり、視聴者数アップにつながった。また、ジョーの人気に乗る形で彼の半生を描くドラマ制作が決定し、ニコラス・ケイジが主演することになったり、トランプ大統領が退任時に恩赦するのではないかと注目されたもののされずに、刑務所から「イノセントでゲイすぎるから選ばれなかった」と悪態コメントを出すなど、話題を振りまき続けており、安定した視聴者を得ている。

5位『アンブレラ・アカデミー』

13年に電撃解散したロックバンド、マイ・ケミカル・ロマンスのボーカル、ジェラルド・ウェイ原作、ブラジルの有名コミック作家ガブリエル・バーが絵を担当したコミックを、ドラマ化した作品。特殊能力を持つ7人が世界を救うために奮闘するというSFドラマである。

妊娠していないはずの女性から生まれた子どもたちを引き取った億万長者が、設立した「アンブレラ・アカデミー」で子どもたちの特殊能力を開花させる。大人になり、ばらばらにそれぞれの生活を送っているが、億万長者の死をきっかけに再会し、地球が人類滅亡の危機に直面していることを知る。自分たちの生活もある7人が、異なるそれぞれの特殊能力を発揮し、大きな謎に迫りながら、世界を救おうと力を合わせるという展開になる。

コミックらしい迫力あふれる映像、スタイリッシュなサウンドで人気を集め、シーズン1は「2019年に最も試聴されたNetflixのドラマシリーズ第3位」となった。続きが気になるシーズン2は、昨年7月に配信開始。こちらも大好評で、ニールセンのファースト・ストリーミングTop10で1位を獲得。11月にはシーズン3の制作決定が発表され、ファンを喜ばせた。ヒーローものなのだが、 一風変わった作風がネット上で話題となり、ファン獲得につながったとみられている。

堀川樹里(ほりかわ・じゅり)
6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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