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「服の寿命」の見極め方、処分タイミングを本気で考えてみました

  • 2021.2.8
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「この服、古い」と感じることはオシャレにおいてとても大事。私のファッションの好みは、基本ベーシックだけれど、それでもクローゼットのメンバーは少しずつたゆまず入れ替わっている。一枚買ったら一枚手放すをルールに、服の寿命を見極めている3つの判断基準について。

■服の新陳代謝、良くしてますか?

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クローゼットや下駄箱の中身。今年買ったものは全体の何%? 5年以上前のアイテムは全体の何%? それを真剣に調査してみると、面白い事実を把握できる。

私は常々、肌や身体の新陳代謝同様、クローゼットやシューズボックスの中身も、「健やかなターンオーバー」「新陳代謝」が必要なのではないかと思っている。

中身そのものよりも、一定のサイクルで循環し、常にフレッシュな空気が保たれていること。そちらの方がおしゃれには重要ではないか、ということだ。

服や靴や小物をスムーズに新旧交代させる方法は? 更新させるタイミングは? その方法について試行錯誤を重ねてきた。現在定着している服の「寿命の見分け方」「手放すことを決断するタイミング」についてまとめてみた。

■服の寿命・消費期限切れはどう見極める?

服を処分する理由は3つ

私が服などを何らかの形で処分し、手放そうと思う基準は以下の3つのポイント。

1.単純に傷んだり、擦り切れたりして劣化が激しい、と判断したもの(服の寿命)
2.明らかに流行遅れになった、トレンドから外れたと判断したもの(流行遅れ)
3.自分の今の年齢、体型、見た目の雰囲気にそぐわなくなった、と判断したもの(服と年齢のミスマッチ)

この3つのポイントに沿って冷静に判断すると、迷わずにサクサク処分できる。

新しい服を買ったら古い服も同時に手放す

さらに、もうひとつ、服や靴を処分するきっかけになるのは、

4.新しい服や靴を買ったとき

「ひとつ買ったら、ひとつ捨てる」。これを自分のルールにしている(守らないときもあるけれど……笑)。逆の方向から考えると買い物の際に、「今持っている服(靴やバッグ)のどれかを手放してでも、この新しいモノが本当に欲しいのか?」と考えてみること。

この時、答えは「NO」になることが多い。「YES」という答えが出たときは、潔く新参物を招き入れ、古いものを「お疲れ様」と言って処分してもいい時だ。

この思考のひと手間を挟むことで、「本当に処分すべきもの」「本当に招き入れる価値のあるもの」が明確になる。それを徹底することで、常に定量が保たれつつ、新陳代謝のいいクローゼットになる。

■服の劣化、処分のタイミングは?

1.単純に傷んだり、擦り切れたりして劣化が激しい、と判断したもの(服の寿命)

前述の1のパターンに基づき、「古びた服は処分しよう」と言っても、実はどの程度古びたら処分の対象なのか、見極めは意外と難しいもの。穴が空いたり、破れたり、取れないシミが付いたり。明らかに「もうこの服ダメだ」と諦めがつくものは簡単。

けれど、ジワジワと徐々に傷んでくる場合は、判断が鈍る。その服を毎日のように見ていると、劣化具合に一番気づかないのは、その服の持ち主だったりするから要注意だ。

「ねぇ、なんだか、古ぼけた服着てるけど。それ、やばくない?」と辛らつな意見を言ってくれるのは身内だけ。他人は思っていても言わないもの。だからこそ、自分自身で何らかの足切り評価基準を設けた方がいい。

私の判断の基準は、「この服を着て、初対面の大切な人に会えるかどうか?」と考えてみる方法。「嫌だ」と感じたら、処分候補。自分は平気でも、古い服を着た人を見て、他人は決していい気分にはならないものだと肝に銘じよう。

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パンツを処分する具体的な基準。「ヒザが出たもの」は即処分。

ヒザがポコッと出たパンツほど、女性をくすませて見せるものはない。かなり厳しい評価基準で処分し、新しいものにマメに交換している。

■「服の古臭さ=その人自身の古臭さ」とイメージされてしまう

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2.明らかに流行遅れになった、トレンドから外れたと判断したもの(流行遅れ)

極端な例を紹介すると、2019年の今、「裃のように肩パットが入ったダブルのジャケットに、ピタピタの膝上のタイトスカート」を着ている人は、だれしもが「ちょっとあの人のファッション古い」と感じてしまうだろう。ローライズのスキニーデニムにハイヒールのニーハイブーツを履いていても同様。

一世を風靡したファッションほど、廃れるのも早い。この「今流行っていない、終わってしまった流行服」というのも処分の対象。

■定番服こそ、最新のバージョン管理を!

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わかりやすい流行りもの以外にも、実はデニム、ニットやシャツ、パンツといった一見定番に見えるアイテムも、シルエットや裾の長さなどがどんどん変わっている。

特に目新しいデザインの服は着ていないのに、いつも旬の空気をまとっている人を観察すると、この「定番服」を毎年マメに買い替えていたりする。

「白シャツは毎年必ず買い替える」「デニムは3年以上前のものははかない」など、常に最新のバージョンを保つ努力をしている。ころころ変わる流行服に考えなしに飛びついたり、トレンドに乗り遅れまいと必死になる必要はないけれど、少なくとも「この服、終わっているかも……」と気づく感性は失いたくないもの。古臭い女にならないためのポイント。

それには最先端のアバンギャルドな服を着るよりも、定番服をこまめにアップデートすることの方が大事なのだと思う。

■年齢と服のミスマッチに気づく力

3.自分の今の年齢、体型、見た目の雰囲気にそぐわなくなった、と判断したもの(服と年齢のミスマッチ)

服の処分を判断するとき、最も難しいのが、この“年齢と服のミスマッチ”。「今現在流行っていて、ファッション雑誌にもたくさん載っている。けれど、今の自分の年齢にまったく合っていないもの」。いわゆる俗にいう「イタい」状態になる服だ。

ロングのチュールスカートにコンバースという組み合わせが流行っていても、やっぱり40〜50代がそれを嬉々として着用するのは難易度が高い(似合う人ももちろんいるけれど)。

ダメージデニムにパーカーのフードをコートから出したカジュアルな格好もおしゃれだけど、「今の自分に果たして似合うのか?」を冷静にジャッジした方がいい。それはいわゆる速攻「がんばってる」状態になってしまうから。

いつまでも若いわね、と周りから言われることは、40代後半になると決して褒め言葉ではないと思った方が賢明だ。「いつまでもで若い子が着るような服をがんばって着ているのね」とほぼ同義語である可能性が高い。「若作りしている」状態から思い切って卒業。

大人の女性なら、大人の女性にしかできないファッションに舵を着る。そこからまた違う景色が見えるはず。そこには「必死感」は消えて「ゆとり」「余裕」が生まれるはずだ。とはいっても、「まだまだイケるんじゃないかしら?」と自己採点が甘くなるのが悲しいかな、女という生き物。

ここは身内やお世辞を言わない親友に、率直な意見を述べてもらうに限る。「はっきり言うよ。それ、イタい」と。

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ちょっと前まではさほど違和感のなかった短めのフレアスカートも、年々似合わなくなってきている。年齢と服のミスマッチ。ひざ丈のフレアスカートはそろそろ見直し対象。

■永遠に着られる服、一生モノの洋服はないと認識する

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余談だが、私の義父は「霧香さん、女性はいくつになっても、毎年毎年新しい服を買って、最新のファッションでいなくちゃダメだよ」と言ってくれる80歳だ。

「嫁が新しい服を嬉しそうに着ている限り、息子夫婦はまず安泰だろう」と思うのだそう。ファッションはそもそも「移りゆくもの」。ずっと同じものを使い続けることは難しい。

洋服だけでなく、メイクや髪形はもちろん、建築・インテリア、家具、食器、料理、音楽、アート、車のデザインにだって流行はある。「モノ」「デザイン」とは移りゆくものなのだ。自分自身も世の中も地球も。すべては刻々と変わっていく。

それらに自然に寄り添って、流れゆく時代の空気を感じながら、自分の人生に柔軟にその変化を取り入れていくことを楽しもうと思う。女たるもの、ずっと旬な空気をまといたいではないか。

さあ、タンスやクローゼットのものを全部チェックして、「古いな、終わったな」と思うアイテムがないか総点検してみよう。それらを潔く手放して、新しい時代を招き入れよう。

まもなく年号も変わる。いくつになっても「新しい服」を着る女でいよう!

※ この記事は2019年1月27日に公開されたものです。

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