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時短営業で朝食ラーメン増加、「朝ラー」健康への影響は?深夜よりはマシ?

  • 2021.2.6
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「朝ラー」は体にどんな影響?
「朝ラー」は体にどんな影響?

新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が出ている10都府県では、多くの飲食店が夜の時短営業を行っています。思うように営業できないラーメン店は早朝から開店、朝食としてラーメンを提供する「朝ラー」を始める店も増えているようです。深夜(午後10時ごろから翌午前0時ごろ)にラーメンを食べるのは体によくないと聞きますが、朝にラーメンを食べる「朝ラー」も体によくないように思います。

朝ラーは深夜のラーメンと同じく、体によくないのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

朝は交感神経優位、胃腸動かず

Q.日本人の朝食は味付けがあっさりした食べ物が好まれますが、これは朝の胃腸の働きがどのような状態だからでしょうか。

市原さん「血行や消化吸収、体温調節などをコントロールする自律神経には、活動的に体を動かす車のアクセルの役割がある交感神経、体をリラックスさせるブレーキの役割がある副交感神経の2つがあり、それらが交互にバランスよく働くことで体調が整います。胃腸は副交感神経が優位のときに活発に動くのですが、朝は活動するために交感神経が優位となるため、胃腸の動きは活発ではありません。そのため、朝食はあっさりとした食べ物が好まれる傾向にあるといえます」

Q.朝にラーメンを食べる「朝ラー」は体によくないと聞きます。本当でしょうか。

市原さん「本当です。朝、ラーメンを食べると、昼よりも血糖値が急に上がりやすくなるからです。これは副腎から分泌される『コルチゾール』というホルモンが関係しています。コルチゾールには、血糖値の上昇を抑えるインスリンの効果を弱くする作用や肝臓でブドウ糖の産生を促進させる作用があり、結果的に血糖値を急上昇させてしまうのです。

コルチゾールは朝に多く分泌されるので、朝食に糖質が多くカロリーの高いものを食べると、朝食後の血糖値が他の時間帯よりも急上昇しやすくなります。糖尿病の人はもちろん、血糖値が高めといわれている人や肥満傾向の人は注意が必要です」

Q.深夜にラーメンを食べることも体によくないと聞きます。イメージとしては、深夜のラーメンよりも朝ラーの方が胃腸に対しての負担は軽いように思うのですが、正しいでしょうか。

市原さん「正しいですが、あくまでそれは『深夜よりは朝の方がまし』というレベルです。深夜にラーメンなどの高カロリー、高脂肪なものを食べると、胃から分泌される消化液の胃酸が就寝中に食道に逆流しやすくなるので、朝の胸焼けなど胃の症状が出る可能性があります。一方で、朝食後は日常生活の中で活動する時間帯になるので、胃酸による症状に関しては夜に比べると出にくいです」

Q.朝ラーを提供しているラーメン店の中には、通常の営業時間(正午前後や、夕方から午後10時ごろまで)に提供するラーメンよりもあっさりとした味のラーメンを提供している店もあります。あっさりとした味のラーメンであれば、朝にラーメンを食べても胃腸への負担は少ないのでしょうか。

市原さん「先述したように朝にラーメンを食べること自体おすすめしませんが、あっさりした味のラーメンであれば、一般的なラーメンよりも脂肪が少なく、胃腸への負担は少ないので胃の症状は出にくいでしょう。例えば、豚骨ラーメンなどのように脂肪が多いと、先述したように朝食後に血糖値が上昇しやすくなるので、仮にどうしても朝食にラーメンを食べたいのであれば、あっさりしたものをおすすめします。

とはいえ、もともと胃の調子の悪い人は普段から、脂肪を控えた食事にする必要があります。脂肪を控えても量として食べ過ぎれば、同様に胃酸による胃の症状が出るので、朝にラーメンを食べるとしてもあっさりとした味付けで少量、そして、たまに食べる程度にしましょう」

オトナンサー編集部

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