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剥がすとオシャレなんです 「わかりやすさ」と「デザイン性」、どちらも追及した消毒液が生まれた理由

  • 2021.2.3
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コロナ禍の必須アイテムとなっている、消毒用アルコール。

ジェルタイプやスプレータイプ、香りつきのものなど、様々な種類が販売されているが、ツイッターでは、ある手指消毒用アルコールのデザインが話題となっている。

それがこちら。

 (画像はXM-INDUSTRIES@XMIndustriesさん提供)

これは、2021年1月31日、ツイッターユーザーのXM-INDUSTRIES(@XMIndustries)さんが

「営業とデザイナーの意見を両方盛り込んだ結果」

として投稿した画像。

並んで写っているのはどちらもサラヤ(大阪府大阪市)が販売する手指消毒アルコール「ハンドラボ」だ。

向かって左側の製品は、ラベルに「広範囲のウイルス 細菌に効く」「スプレータイプ」「指定医薬部外品」といった情報が、分かりやすく記載されている。これは消毒液だ!と一目でわかるデザインだ。

一方で、向かって右側の製品は、モノトーンでオシャレな雰囲気。シンプルなレイアウトの部屋にもよくなじみそうだ。

とはいえ、「SARAYA」というメーカー名や「HAND LAB.」という商品名は記載されており、スプレータイプであることや消毒アルコールであることも、よく見れば分かるようになっている。

これはどちらも同じ製品の写真。しかし、デザインが2種類あるというわけではない。

左側の製品のラベルを剥がせば、右のシンプルな見た目に変身する、という仕組みになっているのだ。

「こういう商品広まるべき」と称賛の声

このデザインに対し、ツイッターでは

「これ凄くいいです! 買う時は色々吟味したいし確認したいので右のだと手に取らないかも。しかし、部屋に置くなら右の方が断然いいです。」
「うちもパッケージを剥がして玄関に置いて使ってますが、馴染みますね」
「これ知ってるのと知らないのとでは、この商品への関心は全然違うと思う!
消毒する事に必死で、デザインまで気にしてなかったけどなんかちょっといいやん!」
「同じの使ってて知らなかった... 素晴らしい!」
「こういう商品広まるべき」

といった称賛の声が寄せられている。

2月1日、Jタウンネット編集部は投稿者のXM-INDUSTRIESさんに話を聞いた。

今回の投稿の経緯を尋ねると

「家のアルコール消毒液を切らしたので、近くのドラッグストアへ買いに行った際見つけました。
サラヤさんの消毒液は以前から愛用していますが、今回の製品からラベルを剥がすと変身する
という事を発見したので、思わず投稿してみました」

とのこと。

本業はデザインの仕事をしているというXM-INDUSTRIESさんは、この製品について

「店頭でできるだけ多くのお客様に分かりやすく、そして手に取って貰いたいといった売る側の気持ちと、購入後は部屋に置いても違和感ないよう、使う側の気持ちを意識してるところが興味深いと感じました。
この方法が正しいかどうかは別問題ですが、コロナ禍においていままであまり馴染みのなかった『アルコール消毒液』を家庭に定着させるという意味では有効な方法の1つだと思います。

そういう意味では実に日本らしい細やかな製品だなとは思います。
今後はこの方法が増えそうな気がします」

と感想を述べた。

Jタウンネットは、このデザインの真意を知るべく、販売元のサラヤも取材。

2日、広報の担当者から回答をもらった。

消費者調査の結果を反映

担当者によれば「ハンドラボ」は2014年に発売された製品。当初は変身しないボトルだったが、19年9月に、今回話題となった変身ボトルにリニューアルしたとのこと。

「広範囲のウイルス細菌に効くというラベルの見た目は2014年からほとんど変わっておりません」

としていた。

では、この変身ボトルが誕生したのはなぜなのか。

担当者はその経緯を

「プロの現場で培ったノウハウを反映した『ハンドラボ』は、その性能を分かりやすく消費者へ伝えるため、訴求ポイントを大きく明記したパッケージデザインを採用していました。
その結果、性能を重視する多くの消費者に手に取ってもらうことに成功したものの、消費者調査の結果、パッケージデザインに満足していないということが分かりました。


そこで、店頭では、しっかりと性能をアピールしつつも、購買後は自宅において、感染対策のために手指消毒をしっかりしていただけるよう、いつでも手の届くところに置いていただくことを想定し、生活のシーンに馴染ませるデザイン性を持たせることを考えました。その結果、生まれたのが店頭と家庭内でデザインが変わる『変身ボトル』です」

と説明する。

 「はがせば変身!」(画像はXM-INDUSTRIES@XMIndustriesさん提供)

なお、他にもこのようなデザインの製品はあるのか尋ねたところ、話題となった「ハンドラボ」の携帯用も、外箱と中身でデザインが異なるとのこと。

また、「ウイルス細菌除去スプレー」も、同じくラベルを剥がすとシンプルなデザインになる変身ボトルを採用しているそう。

「今回の反響を受けてデザイン面でのニーズがあると感じましたので、今後の商品開発にも生かしていけたらと思います」

としていた。

 他の製品にも変身ボトルを採用している(画像はサラヤ公式サイトより)

最後に、今回「ハンドラボ」のデザインがツイッターで話題となったことについての感想を聞いた。

担当者は

「Twitterで見た社員が数名おりまして、昨日から社内で話題となっておりました。それだけ大きく拡散されているということに、ビックリしているというのが正直な感想です。
SARAYAは1952年の創業より、食品関連や福祉・医療施設といった厳しい衛生対策が求められるプロの現場で感染対策に取り組んでまいりました。

今日では家庭でも手指消毒が必須となりましたが、まだまだ感染は終息していません。少しでも多くの方に手指消毒での感染対策を行っていただけることを期待しています」

とコメントした。

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