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出産後赤字になった場合どのように家計を考えるか、FPが教えます!

  • 2021.1.31
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出産前後は妊婦健診や分娩の費用の出費だけでなく、仕事をしているママは産休・育休になり収入が減ることもあり、出産後の家計は赤字になることが少なくありません。これが一過性であれば良いのですが、当初の予定と異なりママの復職の時期がずれる場合などは、赤字が継続すると今後の家計に大きな問題が生じてしまう可能性もあります。

今回は出産後赤字になった場合に、どのように家計を考えるかについてお伝えします。

まずはライフプランを考えましょう

家計が赤字になると早急に解消したいと思う方も少なくないのですが、長期的な見通しがないなかで短い期間で解消しても、今後の家計に支障をきたすようではあまり意味がありません。そのためにも、中長期のライフプランを考える必要があります。

大まかにライフプランを考えると、
①ママの職場復帰までの期間(復職しない場合、専業主婦の場合は②から)
②子育て時期(子どもが社会人になるまで)
③子育て終了後、パパ・ママの退職まで
④退職後

上記、4つの時期に分かれます。

この時期の大まかな収入と支出の金額と内容を書き出し、一生涯の収支を把握することが大切です。①の時期は収支がトントンであればまずはOKです。②の前半で貯蓄を作り、高校・大学等の学費が掛かる時期に備えましょう。③は出産や退職の時期が人により異なりますが、最も貯金ができる時期です。④は年金・退職金をベースに生活するので、③の時期の貯金が重要になってきます。

長期のライフプランはご自身やご夫婦で考えるのが前提ですが、難しい場合はファイナンシャルプランナーに相談すると明確になります。また、簡易的に作成したい場合は、
金融庁ホームページのライフプランシミュレーションにアクセスして、近い選択肢を選ぶと大まかな収支のグラフができます。

赤字が長引く可能性のある場合

ライフプランの作成や今後も収支を確認して、家計の赤字の長期化が予想される場合は、家計の見直しが必要です。収入に対して支出が多い状態ですので、収入を増やすか、支出を減らすかしか方法がありません。

収入を増やすことは、大まかに分けると転職をするか、副業をするか、運用をするかの3点ですが、時間が掛かることも少なくありません。そのため、支出を減らすことから先に始めましょう。

まずは固定費の削減(主に①通信費、②保険料、③光熱費、④住宅ローン)に取り組み、ライフプラン上の大きな支出の優先順位や内容の確認(主に、住宅、自動車、退職時期、子どもの教育)をしましょう。この2点に取り組んだうえで、それでも収支の改善が難しい場合は、食費や衣料費、おこづかい等の見直しを検討するようにしましょう。

赤字が一過性の場合

ライフプランの作成や今後も収支を確認して、家計の赤字が一過性(1年以内またはママの復職後に赤字が解消される見込みのある場合)であれば、あまり心配しなくても良いです。

上記にもあるように①の時期は収支がプラスマイナス0程度であれば、ひとまず良いと考えましょう。キャッシング等の借入よりは貯金の取り崩しやボーナスでの赤字の充当を優先させましょう。注意すべき点は当初より赤字が長引く場合(収入が元のベースに戻らない、支出が多いまま等)は、上記でも述べたライフプランの見直しや固定費の削減や支出の優先順位の明確化に取り組むようにしましょう。

出産前後の家計は赤字になることが少なくありません。これが一過性か長期的かで取る対策が異なります。出産・育児は大きなライフイベントですので、これに応じて今後のライフプランを考える機会にしていただければと思います。

イラスト/sawawa


監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。

ベビーカレンダー編集部

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