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アスリートも新型コロナ避けられない接触プレー、共同生活...予防で大切なのは

  • 2021.1.30
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ラグビーやレスリングは接触を伴う

スポーツ選手の新型コロナウイルス感染を、しばしば耳にする。プロ野球やサッカー・Jリーグの選手、また2021年の大相撲1月場所では、横綱・白鵬を筆頭に65人の力士が感染や濃厚接触のため全休した。ラグビー・トップリーグでも集団感染が発生。複数報道によると、1月20日までに6チームで選手・スタッフら計68人に陽性が確認された。

日本臨床スポーツ医学会副理事長で、医学博士の山澤文裕氏はJ-CASTトレンドの取材に、「スポーツをやっていても感染症にはかかります」と指摘する。感染症を引き起こすウイルスや細菌に対する体の鍛え方は、存在しないのだ。

「非常に飛沫を吸収しやすい」

新型コロナウイルスの場合、発病の2日ほど前から他人にうつるようになる。山澤氏によるとこれが「非常に重要な点」だ。無症状の感染者とトレーニングをして飛沫を浴びることで、うつされてしまう場合があるとした。特にラグビーやレスリングのように、接触を伴うスポーツでは「非常に飛沫を吸収しやすい」。

さらに「チームスポーツに関しては、非常に他の人にうつしやすいし、うつされやすい」と山澤氏。こうしたスポーツでは、合宿所で他の選手と生活を共にすることも多い。他人との食事や共同での入浴を通して、感染が起きる可能性があるとのことだ。

大相撲では部屋内で数人の力士が感染したケースがあったが、こちらでも生活を共にしたことで感染が生じたのではないか、ラグビー・トップリーグについては「練習環境やロッカールームでの感染、食事などで感染が拡大したのでは」と、それぞれ推測した。

太っていても痩せていても

体脂肪率が低いアスリートや、逆に体脂肪が多い力士などでは、新型コロナウイルスに対してどのようなリスクが存在するか。山澤氏によると、脂肪細胞からは「アディポカイン」という物質が分泌される。体脂肪率が高い人では、このアディポカインが過剰に分泌され、血栓が生じたり、血管や心臓の周囲に炎症が起きたりする可能性がある。

新型コロナウイルス感染症によって炎症が起きると、アディポカインはさらに分泌される。これにより、炎症がさらに悪化するリスクがあると説明した。

痩せている場合も、エネルギーや鉄といった体に必要な物質が不足している可能性がある。これにより身体の機能や免疫機能が低下し、「いろんな病気が治りにくくなる場合がある」とした。

「太っているのもダメ、痩せているのもダメということになるわけです」

では、筋肉量は免疫機能に関係するのだろうか。そう聞くと「体質の要素だけで説明はできません」。「脂肪、筋肉量といった話ではなく、1日の食事の量や環境、普段の過ごし方」といったことも感染防止に非常に重要ではないかと語った。

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