1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【SDGs】世界湿地の日、森林の3倍のスピードで失われている湿地はなぜ重要?

【SDGs】世界湿地の日、森林の3倍のスピードで失われている湿地はなぜ重要?

  • 2021.1.27
  • 1922 views

2月2日は世界湿地の日。ジメジメしていていらない土地というイメージを持たれやすいけれど、人間の水や食事、陸や海の生物の生存、気候変動に大きく影響を与える「湿地」の重要性とは? (フロントロウ編集部)

湿地とは? 世界湿地の日の歴史

2月2日の世界湿地の日(World Wetlands Day・略称WWD)は、湿地とそこに生息・生育する動植物の保全とワイズユース(賢明な利用)を促進するために、1971年2月2日にイランのラムサールで“ラムサール条約”が締結されたことを記念して制定された。

湿地は、常時または季節的に水をたっぷりと含む土地、または水で覆われる土地のこと。湿原、湖沼、河川、遊水池、沼沢地、湧水地、カルスト台地の地下水系、塩性湿地、河口、マングローブ林、干潟、藻場、サンゴ礁、水田、ため池、水路、ダム湖などが含まれる。

日本の関東の有名な湿地としては、東京の葛西海浜公園、千葉県の谷津干潟、群馬県の芳ヶ平湿地群、茨城県の涸沼、渡良瀬遊水地、栃木県の奥日光の湿原などがある。

画像: 日本で初めてラムサール条約湿地として登録された、北海道の釧路湿原。
日本で初めてラムサール条約湿地として登録された、北海道の釧路湿原。

出典: 世界湿地デー2015ファクトシート「湿地:なぜ大切にしなくてはならないのか?」、環境省「ラムサール条約と条約湿地」

湿地を守ることは、SDGsの目標6と13〜15につながる

世界が一丸となって2030年までに達成したい17の目標からなるSDGs(持続可能な開発目標)の中で、湿地を守ることは、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」に直結する。

画像: 湿地を守ることは、SDGsの目標6と13〜15につながる

人間も動物も、淡水(真水)がないと生きていけない。しかし地球上に存在する水のうち淡水はわずか3%程度。その多くが湿地から供給されている

ほかにも、地球における40%の種の生息・生育地である、私たちが食べるお米や魚の供給源である、汚れた水を浄化する、炭素を貯蔵する、浸水や嵐から私たちを守ってくれるといった多くの役割を担っている湿地。国連の気候変動サイトは「湿地は経済的に最も重要なエコシステム(生態系)のひとつであり、気候変動の重要な監視役のひとつである」としている。

そんな非常に大事な存在であるにもかかわらず、湿地は“ジメジメしているいらない土地”と思われがちで、埋め立てられたり農地として使われたりして、森林の3倍のスピードで失われているという。一度壊してしまった湿地を取り戻すことは非常に難しいうえ、元の豊かさに完全に戻すことは不可能とされている。だからこそ、湿地の保全は世界規模で取り組まなくてはいけないこと。

出典:worldwetlandsday.org/、世界湿地デー2015ファクトシート「湿地:なぜ大切にしなくてはならないのか?」、United Nations Climate Change「Wetlands Disappearing Three Times Faster than Forests」

世界湿地の日、今年のテーマは?

  • 2019年 - 湿地と気候変動(Wetlands and Climate Change)
  • 2020年 – 湿地と生物多様性(Wetlands and Biodiversity)
  • 2021年 - 湿地と水(Wetlands and Water)

2021年は、水源としての湿地の役割にスポットライトを当てる。人間は自然界が補給できる以上のスピードで淡水(真水)を消費しており、それが、湿地の消滅や破壊につながっている。2021年は、私たちの生存に欠かせない水と湿地の重要な繋がりを認識し、地球上に存在する淡水(真水)の質と量にどれだけ湿地が影響を与えているかにスポットライトをあてることを目標としている。

世界湿地の日に行なわれるイベント

2月2日には、世界湿地の日の記念シンポジウムがZoomウェビナーによる無料オンライン開催(定員500名・要事前参加登録)される。

詳細は以下の通り。

2021年「世界湿地の日」記念シンポジウム|湿地と水日時:2021年2月2日(火)18:00-20:00
場 所:Zoom ウェビナーによるオンライン開催
テーマ:湿地と水(Wetlands and water)
主 催:日本国際湿地保全連合(WIJ)、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
参加費:無料 ※要事前参加登録
定 員:500名【プログラム】
18:00-18:10 開会、開会挨拶(山口しのぶ UNU-IAS 所長)
18:10-18:15 イントロダクション
— 世界湿地の日と湿地の重要性(環境省野生生物課)
18:15-19:20 事例報告(20分×3名)
— A new approach to Water Management for Sustainable Development: Prospects from Asian Countries 「持続可能な開発のための水管理への新たなアプローチ: アジア諸国の視点から」(Saroj Chapagain UNU-IAS Research Fellow)
— グリーンインフラ(島谷幸宏 九州大学)
— ふるさと絵屏風を通して見える水と暮らし(上田洋平 滋賀県立大学地域共生センター)
19:20-19:55 質疑応答
19:55-20:00 閉会挨拶、閉会(星野一昭 WIJ 会長)※同時通訳(日本語・英語)あり【参加登録方法】
申込フォーム(https://zoom.us/webinar/register/WN_2_OdZbPERrWyOH3rP2EY8Q)からお申込みください。japan.wetlands.org

(フロントロウ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる