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宮藤官九郎×磯山晶CP、役者・長瀬智也の魅力を語る!長瀬「俺はスーパーマンじゃないよ」<俺の家の話>

  • 2021.1.19
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1月22日(金)からスタートする長瀬智也主演の金曜ドラマ「俺の家の話」(毎週金曜夜10:00-10:54[初回は15分拡大、夜10:00-11:09]、TBS系)は、“長瀬主演×宮藤官九郎脚本”というTBSの連続ドラマでは11年ぶりの2人のタッグで描かれる、濃過ぎる家族が織りなす、まったく新しい形のホームドラマ。このたび、WEBザテレビジョンでは、同ドラマの脚本を務める宮藤と磯山晶チーフプロデューサーにインタビューを実施。作品が誕生した経緯や撮影現場の舞台裏、長瀬への思いなどを語ってもらった。

【写真を見る】長瀬智也演じる寿一のワイルドな長髪姿!

本作は、長瀬演じるピークを過ぎたプロレスラー・寿一が、能楽の人間国宝である父・寿三郎(西田敏行)の介護のために現役を引退し、名家の長男として家族と謎の女性介護ヘルパー・さくら(戸田恵梨香)を巻き込んで、家族と一致団結し、一家をまとめていくストーリーだ。

ドラマ内には、寿一の父・寿三郎の一番弟子にして芸養子でもある寿限無(じゅげむ)を演じる桐谷健太、寿一の弟・踊介(ようすけ)役に永山絢斗、寿一の妹・舞役に江口のりこも登場。

また、能楽とは別世界で生きるプロレスラー・プリティ原役を井之脇海が、寿一の別れた妻・ユカを平岩紙が演じることも決定しており、そのほか、ロバート・秋山竜次、なにわ男子・道枝駿佑、ジャニーズJr.・羽村仁成、長州力や総合格闘家・勝村周一朗ら個性的な登場人物が物語を盛り上げていく。

長瀬智也演じる寿一の初期設定は“純白の貴公子”

――今回、長瀬智也さん×宮藤官九郎さん×磯山晶チーフプロデューサーのお三方による11年ぶりのタッグということもあり、SNSなどでとても盛り上がっておりますが、本作が誕生した経緯やその際のお気持ちを教えていただけますでしょうか。

宮藤官九郎(以下、宮藤):長瀬くんが父親役をやったことがないと言っていたのがきっかけです。2人で話していた内容を磯山さんにメールした時には、プロレスラーが伝統芸能の家業を継ぐ、みたいな設定は出来ていましたよね?

磯山晶チーフプロデューサー(以下、磯山):そうですね。親子ものだったら長瀬くんにも子供がいてお父さん役は西田(敏行)さんがいいねって3人の間で決まったんですよね。

あと昔、長瀬くんと宮藤さんが「ナチョ・リブレ」(2006年)というプロレスが題材の映画で大盛り上がりしていたこともあって、そこから作品の題材であるプロレスや、伝統芸能、人間国宝というのを決めていきましたね。

プロレスって試合でマスクをつけるじゃないですか。それで、伝統芸能なら面をつける“お能”がいいねって。ちょっとずつ進んでいったので構想5年くらいでしょうか。なので、ようやく整ったという気持ちですね。

宮藤:本当にちょっとずつ話を進めていったから、あんまり満を持してないですね。11年ぶりっていう感じもしないし、感慨もそんなにないです(笑)。

――構想を進めていく上で、長瀬さんとはどのようなお話をされたのでしょうか?

宮藤:長瀬くんはプロレスへのこだわりがとてもあって、コスチュームについては結構話しましたね。

磯山:そうですね。最初、長瀬くんの役の設定は、“純白の貴公子”という「ブルーザー・ブロディに憧れを持っていて、自身もヒールレスラーになろうとしたのに、アイドルレスラーとして売り出されてしまった」という設定にしようと思っていたので、コスチュームも“貴公子風”を想定していたんです。

でも、長瀬くんから「ブロディに憧れている人はヒールとしての憧れが強いから、貴公子風にはならない」と主張があり、コスチュームもワイルドな方向に変更しました。体作りもそうなんですが、コスチュームも長瀬くんが先に準備してくれていて、誰よりも先にスタンバイしてくれていますね。

宮藤:髪型やコスチュームにとてもこだわって、形から入っているように見えるんですけど、それが本質をついているんですよね。それはほかの作品の時もそうでした。

磯山:一年以上前から髪を伸ばし始めていたり、コロナより前から体作りを始めていたり、私たちより前にご本人の中で作品がスタートしているんですよね。私のイメージの中で長瀬くんはいつもスリムだったんですが、どんどん体が大きくなって、仕上げてくれたなと思いました。

宮藤:普通に体を絞ったり太ったりっていうのと、プロレスラーの体はちょっと違いますもんね。本人のこだわりもありますし。そこまでやらなくてもいいのに…(笑)。でもそのおかげで、プロレスのシーンは本当の試合のようになりましたね。

磯山晶チーフプロデューサー「本当に唯一無二の人だと思いますね」

――役者・長瀬智也さんの魅力を教えてください。

宮藤:自分で限界を決めずに思いっきりやってくれるのが気持ちいいですね。「ここは笑わせるぞ!」っていうところを、テクニックや小手先でやろうとしないで、力いっぱいやってくれるところがいいなと思います。

あと、導入の部分では細かいところまで気にするんですけど、その後はもう細かい質問が一切ないっていうところもやりやすいですね。

磯山:そうですね。内心ではすごく細かいところまで気にされているんですけど、画面上ではすごくスケールが大きくて、そんなことを気にしているようには感じさせないんですよね。

単にかっこいいとか顔がいいとかではなくて、「こういう人になりたい!」という人を自然にやれる人だと思います。そこには意外と緻密な計算だったり繊細な部分だったりがあるんですけど、そういうのが見えなくて自然なんです。本当に唯一無二の人だと思いますね。

――本作はホームドラマでありながら、西田さん演じる父親の介護の問題や、長瀬さん演じる寿一の息子の学習障害など社会派なテーマも感じられるのですが、何か狙いなどはあるのでしょうか?

宮藤:僕の周りでも、親の介護をすることになった人が結構多くいるんですけど、ドラマでそういう人や作品をあまり見たことがないな…誰もが直面する問題なのに、何で今までドラマで扱うことが少なかったんだろうな…って思ったんです。

そこから、僕と磯山さんと長瀬くんで今までやってきたコメディーのテイストで、ふさぎ込んでいるばっかりじゃなくて、いろんなことを諦めたり悲観的になったりしながらも、「しょうがないよね!」って笑えるような介護のドラマが出来たら面白いよなって思ったんです。

磯山:私もこの5年の間で両親が亡くなりまして、家の話を宮藤さんとすることが多くなったんです。「辛い状況がいつ終わるんだろう…」と考えたら“親が死ぬまでだ”と気づくとか、身近な中にある一番ドラマチックな出来事が、意外と親の生死や余命だったんですよね。

その中ですごく思うところがあって…普通の介護のドラマは見たくないという反応もあるかと思いますが、辛気臭くやるつもりは全然なくて、面白くできたらいいなと。立ち向かうべき価値あるテーマだなと思いました。

宮藤官九郎&磯山晶チーフプロデューサーの理想のホームドラマ像

――本作において、長瀬さんとだからこそ生まれたシチュエーションや設定はありますでしょうか?

磯山:彼は今プロレスとお能の稽古の両方をしなきゃいけなくて、「俺はスーパーマンじゃないよ」と愚痴るくらい(笑)、負荷をかけちゃっているんです。

でも、びっくりするほどプロレスの受け身もお上手ですし、鍛錬されているのがすごいです。だから作る側にとってはどんな設定でも成立させてくれるスーパーマンです(笑)。

ただ、これまでの「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)や「タイガー&ドラゴン」(2005年)、「うぬぼれ刑事」(2010年)の役柄と比べると、プロレスラーという設定を除いては、今回の役が一番リアリティーがあって、人間性がありますね。

今回、初めて長瀬くんのモノローグで物語が進行するんですけど、彼が42歳になったからこそ感情移入できる人物になっているんじゃないかなって思います。それでもやっぱり想像のななめ上を行く人ではあるんですけどね。

宮藤:題材がプロレスラーと能ということもあって今回、初めてナレーションで心の声を書いているんですけど、そういえばこれまで長瀬くんが演じた役は、思っていることを全部言う人だったなって(笑)。なので、ものすごく新鮮ですね。

――お二人にとっての理想のホームドラマ像がありましたら教えてください。

宮藤:本当は現代の“家族”って一緒にご飯を食べたり、テレビを見たりしないですよね。みんな好きな時間に食べて、テレビも一人で見る。だけど、せめてドラマの世界では、一緒にご飯を食べて、一緒にテレビを見てて欲しいなって思って作っています。

磯山:家族からの言葉って自分への影響力が大きいと思っているんです。そういう存在の人が、認知症になっちゃったり、ゆくゆくは死んじゃったりする。それって、やっぱりすごくドラマチックだと思うんです。

宮藤さんの書くセリフでは、うれしいことも悲しいことも家族だからこその重みっていうものがあるので、それをちゃんと描きたいなと思っています。

あとは、最近会食とかできないので、家族と喋るしかないっていうところにみんな回帰してる部分もあると思います。それはそれで、今の時代にホームドラマを見る意味がまた新しく、違って見えるのかもしれないですね。

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