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『君と世界が終わる日に』は予想を上回る本格仕様! 地上波ドラマのゾンビ描写を大幅更新

  • 2021.1.18
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『君と世界が終わる日に』(c)日本テレビ

ある日突然、この世界に置き去りにされてしまうことを考える。終わってしまった世界で最初にするのは“君”を探すことだ。

日本テレビとHuluの共同製作による『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)は、突発的な出来事によって崩壊した日常を描くサバイバルラブストーリーだ。トンネル崩落事故に巻き込まれた間宮響(竹内涼真)。脱出して目にしたその場所は、ゾンビがうごめく別世界だった。

神奈川・三浦半島を舞台にしたゾンビスリラーは予想を上回る本格仕様だった。平和な日常が一転して死者の覆う地上に変わる。社会機能は麻痺し、食料や日用品が不足して生活が成り立たなくなる。いちばんショックが大きいのは親しかった人が変わり果ててしまうことだ。目をらんらんと輝かせ、奇声を上げて襲い掛かるゾンビたち。特殊メイクは迫力十分で、地上波ドラマのゾンビ描写を大幅に更新した。

ゾンビになることを免れた人々は、バリケードを築いて立てこもっていた。建物にいるのは、警察官の本郷(大谷亮平)と響の同級生でもある等々力(笠松将)、佳奈恵(飯豊まりえ)は女子大生で、介護士の三原紹子(安藤玉恵)は小学5年生の結月(横溝菜帆)を連れている。響が最初に見かけたのはバイク便ライダーの吾妻(鈴之助)だった。ここに小説家の宇和島(笹野高史)、引っ越し業者の甲本(マキタスポーツ)とアルバイトのユン・ミンジュン(キム・ジェヒョン)、響が加わって10人になる。

状況を整理しよう。なぜこのような事態になったのか? 他に助かった人間はいるのか? ゾンビはどこまで広がっているのか? 電車や飛行機は動いているのか? 救助は来るのか? 答えは……何もわからない。

もしその場にいたら、確実にパニックになってしまうだろう。偶然にせよ助かった人たちには生きていく理由があった。市民の盾になる使命感を持った本郷、非情な判断を下せる等々力。宇和島は事態を見届けようとしており、紹子には結月を守る強い意思がある。響の場合は、恋人の来美(中条あやみ)に思いを伝えることと、諦めの悪さ。「諦めなければ道は開く」は来美を射止めた響のモットーなのだ。

非常事態に置かれるとその人の本質が表れると言うが、ちょっとした違いが、この先、各自の生死にも影響すると思われる。その点で言うと、10人の中でも生き延びる可能性が低そうな佳奈恵に感情移入してしまった。逃げ回ることに疲れて「もう楽にさせて」と頼む佳奈恵は、より視聴者に近いキャラクターだ。佳奈恵や結月が生き残れるかどうかが、サバイバルドラマとしての本作の鍵を握っている。

ラブストーリーとしては、第1話のラストで今後の展開に希望が託された。絶望的な状況を経験したからこそ、生きていることの重みが伝わってくる。かつてなく命が危機にさらされている昨今、響の安堵は他人事とは思えなかった。またゾンビドラマという点では、頭を潰すと動きが止まる相手に弓道やテコンドーで戦うのは日本ならでは。竹内涼真とキム・ジェヒョンのアクションシーンも見どころになりそうだ。

タイトルは「『君と世界』が終わる日」と「『君』と世界が終わる日」のどちらにも読める。このまま世界が終わってしまうのか、愛する人と再会できるかは現時点でまったく未確定。それでも生きていくために必要なのは諦めないことで、シンプルだが案外効果を発揮することを、2021年を生きている私たちは知っている。

第1話で印象に残ったセリフは「メシは生きる基本ですよ」。響のタフネスは食べることから来ている。画面越しにさえ食欲がなくなりかけた「逆飯テロ」ドラマで、ゾンビと対面した後でも平然と食事をする響に感心した。食べることは生きる意思そのものだ。

(石河コウヘイ)

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