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2021年はこの映画に期待? 今年スクリーンで観られそうなハリウッド大作映画の共通点

  • 2021.1.16
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Real Sound

ハリウッドは昨年からパンデミックの影響を受け、映画の製作を中断せざるを得なくなったり、再開後も厳しいレギュレーションに乗っ取った上で遅れを取り戻したり、とにかく業界全体が厳しい状態に。日本でも2020年に公開予定だった大作が複数本延期に延期を重ね、「そういえばあの映画って、いつやるの?」という感じ。そこで改めて、1月15日時点で決定している公開日を踏まえて、今年リリース予定の期待できそうなハリウッド大作をおさらいしておきたい。

・3月は大人から子供まで楽しめる作品が続々公開?

直近では3月からハリウッド大作が続々と公開される。まずは5日公開予定の『ラーヤと龍の王国』。『アナと雪の女王2』に続くウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作の本作は、オリジナル作品として古代のアジアを舞台に、人間とドラゴンが共存する世界を描く。孤独な戦士ラーヤが怪物に立ち向かう、『モアナと伝説の海』同様、プリンセスではない主人公の物語が注目ポイントだ。

そして19日には1940年からの長い歴史を持つ、愛されアニメ『トムとジェリー』初の実写版映画が公開となる。本作は、ニューヨークを舞台に、高級ホテルのイベントプランナーに扮するクロエ・グレース・モレッツが、トムとジェリーとともに世界一豪華なウェディングを成功させようと奮闘する。3Dアニメーションで描かれるトムとジェリーが、実写映像の世界にうまく溶け込みながら普段通りやりあう姿は観ているだけで楽しい。

大人向けのアクション大作も続々登場。12日には待望のシリーズ最新作『キングスマン:ファースト・エージェント』が公開される。これまでの2作はタロン・エジャトン演じるエグジーを主人公におき、彼が世界最強のスパイ組織「キングスマン」の中で立派な男になるための成長物語だった。『ファースト・エージェント』は、その「キングスマン」の誕生話となっており、イギリスの名優レイフ・ファインズが主演を務める。監督はシリーズを担当するマシュー・ヴォーンなので、彼の毒っ気万歳のド派手なアクションが本作でも楽しめそうだ。そして26日には映画『モンスターハンター』が公開。ミラ・ジョヴォヴィッチと監督ポール・W・S・アンダーソンの『バイオハザード』夫婦が、再び世界的人気ゲームの実写化作品に挑戦する。この2作は間違いなく、劇場の大きなスクリーンで堪能したいアクション映画だ。

そして、派手な大型作品だけではなくアカデミー賞有力候補作が公開される点でも3月は映画好きにとって魅力的な月だ。19日にはA24スタジオが送る『ミナリ』が、26日にはサーチライト・ピクチャーズの『ノマドランド』が公開される。『ミナリ』は80年代のアメリカ南部を舞台に、韓国からの移民一家がアメリカンドリームを叶えようと奮闘する物語。主演を務めるのは、ドラマ『ウォーキング・デッド』でお馴染みのスティーヴン・ユァン、そして彼の妻を演じるのはハン・イェリ、祖母を『ハウスメイド』のヨン・ユジョンが演じる。監督・脚本を韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョンが務めるということで、『クレイジー・リッチ!』に続く、全主要キャストがアジア人の作品になりそう。当事者の目線で語られる、アメリカに住む韓国人の生活の描かれ方にも注目したい

一方、フランシス・マクドーマンド主演の『ノマドランド』は、アメリカの西部を舞台に、特定の場所での生活を捨て、ノマドとして路上に繰り出す女性の物語を描いた作品。どちらもアカデミー賞最有力候補として名高く、家を手に入れる者と手放す者という正反対の人間を描きながらも“住処”をテーマにした作品であるのが興味深い。

・4月には延期に延期を重ねた大作がやっと公開……される?

さて、4月以降の公開予定作品は少しトリッキーだ。29日にはマーベル作品『ブラック・ウィドウ』がアメリカに先駆けて公開予定、また全米では2日に『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』、日にち未定で『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が公開予定となっているが(『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の日本公開は2021年公開月未定)、それも今のところの話。というのも、この3作品が1月11日時点でまたアメリカ公開が延期になる可能性があると、Varietyが報道したからだ(参照:Hollywood Prepares to Delay Another Slew of Blockbusters|Variety)。

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』はシリーズ25作目、『ジェット・ブレイク』は9作目、『ブラック・ウィドウ』はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)24作目となる。どれも人気シリーズの最新作というだけあって、ファンとしては一刻も早く劇場スクリーンで観たいところ。さすがに日本国内で言うと『ブラック・ウィドウ』は『ムーラン』のように、延期の末の配信のみという流れにはならないと思うが、米国ではDisney+での配信公開オンリーになる可能性だって十分ある。予算の高い大作は、配信の料金だけでは回収しきれない。劇場公開をして興収を上げていきたいところだが、一体どうなってしまうのだろう。

・5月以降も話題作が盛りだくさん! HBO Max問題とケリをつけた作品も公開

5月にはライアン・レイノルズ主演のアクションコメディ『フリー・ガイ』が21日に公開予定だ。なお、アメリカでは、モンスターバースシリーズ第4弾となる『GODZILLA VS. KONG(原題)』も同日公開を予定している(『GODZILLA VS. KONG』の日本公開は2021年公開月未定)。『フリー・ガイ』は、ゲームのモブキャラが主人公になろうと、自分の運命に抗う物語。老若男女楽しめそうで期待できる。殺伐としたコロナ渦のなかでも、いい笑いを堪能できそうだ。『GODZILLA VS. KONG』は、昨年末に突如ワーナー・ブラザースが「2021年公開予定の新作映画を劇場公開と同時にHBO Maxに配信する」と発表したことで、荒れに荒れた渦中の作品である。製作会社のレジェンダリー・ピクチャーズの同意なくしての決断だったが、年があけてようやく彼らがワーナーの同時配信公開に同意した模様。日本にはHBO Maxがまだ上陸していないため、そのまま劇場公開されるだろうが、配信の影響を受けた興収がどのように変化するのか注目したい。

それ以降、現時点で公開が決定しているハリウッド大作は『ジャングル・クルーズ』(8月13日公開)、マーベル・スタジオ作品『エターナルズ(原題)』(10月29日公開)、『ウエスト・サイド・ストーリー』(12月10日公開)というラインナップ。『ジャングル・クルーズ』はディズニーランドの人気アトラクションを映画化したもので、みんな大好きロック様ことドウェイン・ジョンソンが主演を務めるアドベンチャー作品だ。

『エターナルズ』はフェーズ4から初めてMCUに参加する作品となっており、宇宙の原始的な存在セレスティアルズが生み出した種族、エターナルズについての物語。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で登場したエゴがセレスティアルズだったこと、そしてあのサノスもエターナルズの末裔という設定があるなど、過去の作品との繋がりは盛りだくさん! また、アンジェリーナ・ジョリーをはじめ、『ウォーキング・デッド』のローレン・リドロフ、『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』のクメイル・ナンジアニ、『フリーダ』のサルマ・ハエック、『悪人伝』のマ・ドンソクなどが出演。おそらく、MCU作品の中で最もダイバーシティな映画になるだろう。

スティーヴン・スピルバーグ監督が、人気ミュージカルを再び映画化する『ウエスト・サイド・ストーリー』も楽しみだ。主演のトニー役に『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートを迎えた本作は、あらすじを含めた大部分が元の舞台や1961年に公開された『ウエスト・サイド物語』と同じだと考えられる。音楽も61年版のものを作曲したレナード・バーンスタインが続投し、『世にも不思議なアメージング・ストーリー』でスピルバーグとタッグを組んだデヴィッド・ニューマンがそこにアレンジを加える。

・2021年公開決定作品の共通点 あの横綱スタジオに業界は頼るしかない?

さて、ここまで2021年公開予定の14作品を駆け足でご紹介してきたが、実はこのラインナップには隠れた(恐ろしい)共通項がある。配給会社に注目していただきたい。

まず、『ラーヤと龍の王国』と『ジャングル・クルーズ』は明らかにディズニーだし、『ブラック・ウィドウ』と『エターナルズ』といったMCU作品もディズニー。しかし、『キングスマン:ファースト・エージェント』に『フリー・ガイ』、そして実はなんと『ノマドランド』そして『ウエスト・サイド・ストーリー』もディズニー配給作品となっているのだ。厳密に言えば、この4作品は20世紀スタジオの作品。もともとは20世紀フォックス映画として親しまれていたが、2019年にウォルト・ディズニー・カンパニーに買収され、社名が変更されている。つまり、20世紀スタジオ=ディズニーなのだ。

ディズニーが14作品中8作品も占める中、次に多いのは『トムとジェリー』、『モンスターハンター』、『GODZILLA VS. KONG』のワーナー・ブラザースだが、こちらはHBO Max問題が収束していないため業界内で未だ槍玉にあげられている。ほか、『007』と『ワイルド・スピード』がユニバーサルのもので、インディペンデントのスタジオは『ミナリ』のA24たった一つという状態。

20世紀スタジオのみならず、ピクサーやルーカス・フィルム、マーベル・エンターテイメントなどが傘下にあるディズニーが業界で圧倒的パワーを持っていることは、これまでも、そしてこれからも歴然としていることだが、改めてコロナ渦において映画が撮影できて(予算と安全対策に余裕があって)、なおかつ劇場以外の公開プラットフォームが確保されているスタジオは強いなと感じる。ワーナー・ブラザースだって、これと同じことをHBO Maxでしようとしているのだから。

そうなってくると、ハリウッドのマーケットはますます大手の独占状態に近づいていくし、A24などのインディペンデント寄りのスタジオが苦しい思いをしそうだ。ディズニーのような、コロナ渦でも作品を出し続けられる馬力のある会社は少ないし、全体的にハリウッドでは新作映画が枯渇状態になる。それが意味することは、日本にも新作映画が降りてこなくなること。シネコンでかけられる映画が減っていき、劇場自体の存続問題に関わるということだ。そのため、現在は欧米に対して比較的パンデミックが収まっているアジア圏の作品がマーケットで人気なのだそう。日本では再び韓国ブームが訪れているが、映画製作を今欧米よりも進められるアジア圏の作品が今後劇場に増えていくことは必然だろう。2020年は映画業界にとって苦難の1年だったが、2021年こそ踏ん張りどきの1年になるのかもしれない。 (文=ANAIS)

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