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彼氏ができたことないのですが、どうすればいいでしょうか?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2021.1.12
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお便りの中から、お悩みをひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えします。

「chieさん31歳」のお悩み

彼氏いない歴=年齢です。

31年間生きてきて彼氏がいたことがありません。

男性から誘われて二人でご飯に行ったり、映画を観に行ったりしたことはありますが、それ以上の関係にはなりません。

相手の男性のことをいいなと思いますが、好きなのかわからないうちに、連絡が途絶えたり、なんでもない関係になってしまいます。

このままじゃいけないと思いますし、このままだったらと考えると不安になります。

でも、好きな人じゃないと付き合いたくないという気持ちもあります。

どうしたらいいでしょうか?

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

過去の自分に心が縛られているから彼氏ができない、ということです。

がしかし、過去の自分から心を解放する、というのは、言うほど簡単ではないですよね。

ネットには、その方法として、自分を許してあげようとか、自分に怒りを向けないようにしよう!などと書かれていますが、それができていれば今頃彼氏ができてるということですよね。

では、どうすれば過去の自分から解放されるのでしょうか?

世間に隠している自分を知る

過去の自分に縛られている、の、過去の自分、とは、「嫌な自分」であり「挫折した自分」であり「恥ずかしい自分」であり、「世間の人にバレたくない自分」です。

たとえば、高校生の頃に大失恋して20キロ太った自分とか。いつも内向的で消極的でなにひとつ達成したことのない自分とか。

そういう自分を世間の人に隠す――これが「心が過去に縛られている」の、もっともわかりやすい言い換えです。

自分の心の中って、「ひとり」の状態で分析しても、素人にはちょっと無理なんですね。「ひとり」ではなく「外部=他者」がいる状況を思い出して、はじめてそこに「他者との関係」が生まれますね。その「関係」が、じつは問題なのです。

chieさんはchieさんなりに「関係」を思い出すことで、ご自分の心が具体的に過去のどのような経験(出来事や人)に縛られているのか、思い出してみてください。

「隠す」がなぜ「彼氏できない」につながるの?

なんらか過去の自分を隠す、というのは、その過去の自分に今こだわっている、ということを意味します。

今は、過去とはまったく独立に、今の風が吹いていますね。たとえば、今、誰か男性にLINEしたら、「ごはん行く?」とか「来週会おうか」となるかもしれないですね。その可能性は0%ではないですね。

でも、過去に心を縛られている人は「今も未来も、過去と同じことが起こる」と思い込んでいます。「だから」実際に、過去と同じことが起きる。すなわち、彼氏ができない状況が継続されるのです。

「彼氏ができる自分」になる方法

この話のポイントは「今」です。今は過去とはまったく独立に、というところです。

簡単に言えば、彼氏ができない人とか、過去のなんらか嫌な自分を隠している人とは、過去に生きているのです。言い方を換えると、過去に起こった出来事が、今ふたたび起こると考えているのです。わたしは「ダメなわたし」のまま変わらない、変化できない、と思っているのです。

でも、誰がなんと言おうと、今という時は、過去「から」生まれているのではありません。時間って、過去から現在、未来と、ある一定の矢印の方向に流れているのではないんですね。そう思うのは、わたしたちの意識がそう「認識しているだけ」であって、じつは、今という時は、点のように現れているだけ、すなわち、過去とはまったく関係なく、「まっさらな今」が次々に生まれているのです。

そのまっさらな今を、感じること――これが、彼氏ができる自分になるコツです。

具体的には以下のとおりです。

自分が感じたこと、思ったことを、すなおに表現する

自分が感じたこと、思ったことを、すなおに表現する――この「訓練」の積み重ねが、自分の心を過去から解放することにつながります。

chieさんにとって、これは訓練です。chieさんのみならず、過去に心が縛られている人全員にとって、訓練です。ぼくも訓練してきました。

ある種の人は、それがさらっとできます。しかしぼくたちは訓練するしかありません。

子供の頃から家族団らんそっちのけで勉強ばかりしてきた人が、結婚後「家族をする」「生活をする」という感覚を得るために、なんらかの「訓練」的な心境を抱くのと同様、自分が感じたことや思ったことをすっと表に出すのも訓練です。ぼくたちは、好むと好まざるとにかかわらず、そういう星回りに生まれついたのです。

少しずつ、できることから、思いをすっと出すことができれば、やがて彼氏ができます。

chieさんの人生に、春の雪解けが訪れることを、遠くから祈ります。(ひとみしょう/作家・日本自殺予防学会会員)

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