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若村麻由美も強烈な存在感 イッセー尾形、豊川悦司ら朝ドラを盛り上げる“名物師匠”たち

  • 2021.1.10
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『おちょやん』写真提供=NHK

朝ドラにはいくつかの“あるある”と言える定説が存在している。それが最初に描かれる恋物語はほぼ綺麗な形で実らないこと。そして、物語序盤にヒロインの師匠的存在が登場することだ。

近作では、『スカーレット』(NHK総合/2019年)で喜美子(戸田恵梨香)の師匠となる信楽焼の火鉢の絵付け師・フカ先生こと深野心仙(イッセー尾形)が当てはまる。

「ええよぉ」を口癖に、捕らえどころのないユーモラスな人物で、喜美子を大いに戸惑わせるが、心の中には創作への強い思いが秘められていた。一点ものの芸術品を作るのではなく、皆が喜ぶものを作る職人。喜美子がフカ先生の弟子になると決めたのは、戦争の体験から絵を描けることの幸せ、喜びをその笑顔で、その踊りで力一杯に体現していたからだ。喜美子も参加した深野組は解散となるが、彼の精神は朝の体操とともに喜美子への受け継がれていった。また、師匠というよりは“大阪のお母さん”的存在であるが、荒木荘の女中としてノウハウを喜美子に叩き込んだ大久保のぶ子(三林京子)も厳しい愛情表現を持って喜美子を育てた師匠とも言える。

『半分、青い。』(NHK総合/2018年)では、鈴愛(永野芽郁)の漫画の師匠となる秋風羽織(豊川悦司)がいた。その強烈な個性で好評を博し、単行本『秋風羽織の教え 人生は半分、青い。』(マガジンハウス)まで発売された人気キャラクターだ。傲慢で傍若無人な性格から度々、鈴愛と衝突を起こすものの、漫画への情熱と仕事に対する真摯な姿勢、鈴愛を始めとする弟子たちへの深い愛情は多くの視聴者の心を掴んだ。

「回り道も、あっていい」「明日を生きるんだ」「鈴愛、恋をしろ」。多くの名言を残す一方で、そのコミカルな言動も彼の特徴の一つ。鈴愛を弟子にするもともとの目的だった五平餅への執着や感情が高ぶると出てしまう河内弁など。大人と子供(っぽい)の両面を持ち合わせているところは、フカ先生と似ている部分かもしれない。

そして、現在放送中の『おちょやん』(NHK総合)でも、千代(杉咲花)にとって師匠となる存在が登場した。女座長の山村千鳥(若村麻由美)である。

彼女もまたフカ先生や秋風に負けず劣らずの強烈なキャラクター。座員の薮内清子(映美くらら)の言葉を借りれば、「すぐ怒鳴るし、口悪いし、もの投げるし、わがままやし。性根ねじ曲がってるし、ババアやし。化粧濃いし、ババアやし」。けれど、その裏には一座を率いる女座長としての類稀なる努力とプライドがあった。千代はその姿を目の当たりにし、千鳥に改めて弟子入りを志願することとなる。ユニークな部分は情熱のあまり物を投げるシーンがコミカルに映し出されているところ。そのあまのじゃくな性格は秋風との共通項でもある。

演じる若村麻由美はこれが4回目の朝ドラ出演。『おちょやん』と同じ大阪朝ドラの『純と愛』では、怒鳴りまくる役を演じていた、その手のベテラン。杉咲花とは3度目の共演で『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)では母娘役を担当している間柄だ。第6週「楽しい冒険つづけよう!」では、いよいよ千鳥が千代に演技指導を始める。フカ先生や秋風と同じ情熱を持って、ヒロインを導く位置にいる千鳥。先陣たちがそうであったように、第6週では千代の心を鼓舞させるような千鳥の名言が期待される。(渡辺彰浩)

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