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セドリック・カーン監督“俳優”として出演で「映画の新しい作り方を発見」

  • 2021.1.7
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セドリック・カーン監督(C)Philippe Quaisse/UniFrance
セドリック・カーン監督(C)Philippe Quaisse/UniFrance

映画「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」のセドリック・カーン監督。同作は、フランス南西部の家で暮らすアンドレア(カトリーヌ・ドヌーブさん)の70歳の誕生日を祝うため、子どもたちの家族が訪れます。お祝いが始まる中、3年前に姿を消した長女も戻ってきて、家族の秘密や問題をさらけ出すファミリー映画です。カーン監督は長男役で出演もしています。

オトナンサー編集部では、カーン監督に単独インタビューを実施。物語を思い付いた経緯や監督と俳優を兼業した理由などを聞きました。

出演はプロデューサーのすすめで

Q.物語を思い付いたきっかけを教えてください。

カーン監督(以下敬称略)「長い間、家族をテーマに映画を撮りたいと思っていました。この作品は自分の家族をもとにしています。家族に複雑な事情があり、集まったときに、真実が明らかになっていくことがあったのでこの作品を作りました。時間と場所の制約があり、限られた時間の中で家族の事情が全てあらわになる映画にしたかったんです」

Q.ご自身の監督作品に俳優として出演されるのは初ですが、出演しようと思った決め手はありますか。

カーン「プロデューサーの強いすすめがあり、出演することになりました。俳優と監督を兼任するのは迷いました。個人的なテーマを扱っているから難しいと言うと、プロデューサーは『個人的なテーマだからこそ演じたら面白い』と言いました」

Q.出演されていかがでしたか。

カーン「面白かったです。映画の新しい作り方を発見するような経験でした。監督は頭を使う仕事ですが、俳優は体を使う仕事なので、頭脳労働と肉体労働の両方ができる面白い体験でした」

Q.監督と俳優の切り替えはすぐできましたか。

カーン「撮影に入る前は本当にできるかビクビクしていました。カトリーヌ・ドヌーブのような大女優も出演しているので、準備をして挑みました。撮影に入ってみると、問題もなく順調に進んだように思います。面白かったのは、演じているときはカトリーヌさんの息子役で家族のような関係ですが、カメラが止まると監督に戻り、監督と女優という距離感で話をしました」

Q.俳優として、映画に出演する基準はありますか。

カーン「監督と脚本と演じる役、共演者を見て、あとは直感で決めています。俳優の立場になって僕が監督としてオファーをしたとき、ノーと言われる理由も分かりました(笑)」

Q.脚本と監督も兼任されていることが多いですが、脚本を担当すると監督もしたくなるのでしょうか。

カーン「全体を考えているということですね。アイデアありきで脚本を執筆します。全ての工程に関わるタイプの監督なので編集もします。シリーズ物のオファーを受けて、監督をするタイプではありません」

Q.出演する際に気を付けたことはありますか。

カーン「今回はスタッフを信用しなければいけませんでした。カメラワークもこんなショットを撮りたいということを理解してもらうことが必要です。俳優の演技も、監督として見ているときほど注意はできません。僕が俳優側にいることで、キャストたちも演じやすくなったと自負しています。パフォーマンスうんぬんではなく、演じる楽しさが実感できた現場でした」

映画「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」は1月8日から全国公開。

オトナンサー編集部

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