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1,5キロと持ちごたえのある雑誌『Holiday』はもちろん見応え、読み応えも満点。

  • 2015.6.3
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この春、雑誌『Holiday』の3号目にあたる2015年春夏号が発売された。日本特集のこの号、375とナンバリングされていて、はて、ファーストイシューが1年前だったのに、これいかに???

2015年春夏号・日本特集のカバーは市川海老蔵。15ユーロ。

『Holiday』は1946年にアメリカで生まれた、ビジュアル的にも美しい月刊誌。たいそうな人気雑誌だったのだが、1970年代に書店から姿を消した。それが37年後の昨春、もっとも好調だった1960年代のHolidayに範を得て、年2回刊のインターナショナルな雑誌(文章はすべて英語)としてパリで復活したのだ。それゆえ、その復活第1号がすでに373号となったわけである。ちなみに編集長はジャーナリストのマルク・ボージェ、ADはフランク・デュラン。

最近はアスティエ・ド・ヴィラットとのコラボレーションでその名がマスコミにのることも多い、節子クロソフスキー(故バルテュス夫人)をクローズアップ。彼女が暮らすスイスのシャレーや着物コレクションの写真が美しい。


もともとHolidayは内容的にはラグジュアリーな旅をメインにし、その時代の作家、写真家の才能を上手に生かして作りあげられていた雑誌。ロバート・キャパの写真が表紙なら、中にはヘミングウェイ、ケルアック、グレアム・グリーンの文章があり......という具合に。復活バージョンもそれに習い、書き手も撮り手もなかなかである。日本特集の最新号では、イネス&ヴィヌード撮影による「Kabuki, Serge Lutens and the laws of beauty」、作家ドナルド・キーンによる「the last days of Mishima」、イラストレーターのマッツ・グスタフソンによる村上春樹や谷口次郎の肖像など日本文化を巡る才能のクロスオーヴァーが盛りだくさん。336ページの分厚い一冊、半年がかりでたっぷりと楽しもう。

日本で敢行されたファッション写真から。外国人の目に映る日本を知ることができる。

当代きってのADによるレイアウトはとてもリズミカルだ。日本を知るために役立つ本の紹介ページ(右)も。

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