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胸に刺さる! 百々千晴「やりたいことがあるのにやらない人がいるのはなんで?」

  • 2021.1.5
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ファッション業界の第一線で活躍し、モデルや女優からの信頼も厚い百々千晴さん。ブランドのディレクションやファッションマガジンの編集など、仕事は多岐にわたり、今年はYouTuberデビューも。チャーミングなキャラクターが支持され、活躍の幅は広がるばかり。

仕事をしたいという気持ちが強く、撮影のたびにドキドキします。

――アシスタントを卒業したタイミングでロンドンに行かれているんですね。すぐ独り立ちせず、渡英という道を選んだのはなぜだったんでしょうか?

百々:“無駄な時間”を作りたかったんです。19歳でアシスタントになって3年間、忙しくてまともに遊んだ経験がなく、そのままスタイリストデビューする道は私には真面目すぎる気がして。だからあえて無駄な時間を過ごすつもりで行きました。よかったのが、好きなことをやっている人が認められるカルチャーに触れられたこと。自由が尊重される街に住み、生き方のヒントをもらいました。

――帰国後はすぐにスタイリストデビューされたんですか?

百々:そうですね。アシスタント時代に出入りしていた編集部からの依頼もあり、コンスタントに仕事をもらえるようになるまでさほど時間はかかりませんでした。26歳頃から女優さんのスタイリングをやらせてもらえるようになり、27歳で初めてブランドのディレクターを任されて。忙しい20代でした。

――なんて順風満帆! 百々さんの運の切り拓き方、お聞きしたいです。

百々:順風満帆と言えるほど軽やかに進んでいないし、運がいいという自覚もないんです。ただ、仕事に恵まれてきたのは、働きたい気持ちが強かったからなのかもしれません。スケジュールが空いてしまうことへのストレスが人一倍強くて、産後もすぐ働きたくなった。だからこそ、ひとつひとつの仕事に真正面から向き合ってきました。いまだに撮影の前はお腹が痛くなるくらいにドキドキする。それくらい緊張感を持ってやっています。

――仕事への気持ちの強さが結果的に仕事を引きつけてきたんですね。意識的にしている百々さん流の仕事のルールやルーティンはありますか?

百々:電話にすぐ出る、LINEはすぐ返す、ということは気をつけています。私自身、返事が早い人には熱意を感じるので、相手に信頼してもらうのに即レスは大事だなって。ルーティンは、毎朝のトイレ掃除。20代からの習慣で、やり始めたら本当にうまく回る感覚があったんです。初めてのスタッフと仕事する時などは、特に念入りにやります。

――いくつかのブランドディレクターの経験を経て、今年『THE SHISHIKUI』を立ち上げていますが、やはり集大成、ということでしょうか?

百々:いえ、全然気負わず始めたブランドなんです。練って練って生み出すのではなく自然な感覚でやりたくて、その時どきで作りたいものを作る。納期に縛られるのも嫌なので、できあがった時が発売のタイミング。そんなふうに、力が抜けたスタイルでやるつもりなんです。今後はファッションだけでなく、衣食住トータルでアイテムを展開していく予定です。

――今年はオンラインでの活動も目立ちましたね。始めたきっかけは?

百々:ステイホーム中にインスタライブをやったら、意外と需要があったので(笑)。ただインスタライブだと難しいと感じる部分もあり、ならばYouTubeやDMMオンラインサロンをやってみようと。ひとつ新しいことを始めて、そこからまた何かが派生するのは面白いですね。

――新たなプロジェクトを始める時に指針にすることはあるんでしょうか。

百々:やりたいことがあると、迷うことがないんです。でも占いは大好きでたくさんお金を使ってきました(笑)。今は自分のジャッジを信じられるようになってきたので、全面的には頼りません。

――百々さんがやりたいことを実現する力は、どこからくるんでしょうか。

百々:「やりたいことがあるのにやらない人がいるのはなんで?」って私は逆質問したい。だってトイレに行きたかったら我慢するのって変。体に悪いでしょ。失敗が怖いっていう人も多いと思うけど、私はトイレを我慢して膀胱炎になることのほうが怖い。まずは直感に従ってやってみればいい。ダメだったらやめればいいや、というスタンスです。

――だから百々さんは迷わないんですね。その自然体な生き方に憧れる女性は多いはず。自分らしく楽しく生きるためには何が大事だと思いますか?

百々:自分に素直になる、したいことはする、ということでしょうか。小さいことの積み重ねだと思うんです。コーヒーが飲みたい時に紅茶を出されたら、「コーヒーがよかったです~」と言ってみるとか。そしたら次はコーヒーを出してもらえるかもしれない。人に自分を知ってもらうためにも、素直な状態をキープしたい。人の言うことに従ったほうが自分らしい、という人もきっといるし、主張すればいいということではないんです。大事なのは自分が心地いいペースでいること。素直になることを重ねていくうちに、どんどん自分らしい生き方になっていくんじゃないかなって思っています。

百々千晴 スタイリスト。シンプルで洗練されたスタイリングで人気を集め、多くの女優からの信頼も厚い。雑誌や広告など幅広く活躍している。著書に『THE DODO JEAN』(ワニブックス)が。

※『anan』2020年12月30日-2021年1月6日合併号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス) インタビュー、文・間宮寧子

(by anan編集部)

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