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アカデミー賞有力作が揃いぶみ!批評家が選ぶ、2020年のNetflixオリジナル映画の“フレッシュ”は?

  • 2021.1.4
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2018年にはアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』、2019年にはマーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』と、毎年アカデミー賞はもちろん映画ファンの心を動かす意欲的な作品が次々と全世界同じタイミングで配信されてきたNetflixオリジナル映画。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で他の劇場公開作品が相次いで公開延期された2020年も様々な話題作を送りだしただけに、これまで以上にNetflix映画へ視線が注がれた年になったのではないだろうか。

【写真を見る】ホラー映画が100%フレッシュを獲得!気鋭作家を輩出してきたサンダンス映画祭NHK賞を受賞した『獣の棲む家』とは

そこで本稿では、2020年に配信されたNetflixオリジナル映画のなかから映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で批評家の評価が特に高い10作品を紹介していきたい。

豪華俳優陣のアンサンブルが手に汗握る『シカゴ7裁判』もアカデミー賞の有力作品の一つ NICO TAVERNISE/NETFLIX [c]2020 『シカゴ7裁判』はNetflixにて独占配信中
豪華俳優陣のアンサンブルが手に汗握る『シカゴ7裁判』もアカデミー賞の有力作品の一つ NICO TAVERNISE/NETFLIX [c]2020 『シカゴ7裁判』はNetflixにて独占配信中

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。

好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されている。

ラブレターの代筆から始まる現代的な青春コメディ『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』 KC Bailey 『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』はNetflixにて独占配信中
ラブレターの代筆から始まる現代的な青春コメディ『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』 KC Bailey 『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』はNetflixにて独占配信中

それでは、2020年のNetflixオリジナル映画のフレッシュ作品10傑を挙げてみよう。

100%フレッシュ『獣の棲む家』

99%フレッシュ『マ・レイニーのブラックボトム』

98%フレッシュ『40歳の解釈:ラダの場合』

97%フレッシュ『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』

94%フレッシュ『これからの人生』

92%フレッシュ『ザ・ファイブ・ブラッズ』

92%フレッシュ『ジングル・ジャングル〜魔法のクリスマスギフト〜』

91%フレッシュ『ウィロビー家の子どもたち』

91%フレッシュ『エノーラ・ホームズの事件簿』

90%フレッシュ『シカゴ7裁判』

【写真を見る】ホラー映画が100%フレッシュを獲得!気鋭作家を輩出してきたサンダンス映画祭NHK賞を受賞した『獣の棲む家』とは Aidan Monaghan/NETFLIX 『獣の棲む家』はNetflixにて独占配信中
【写真を見る】ホラー映画が100%フレッシュを獲得!気鋭作家を輩出してきたサンダンス映画祭NHK賞を受賞した『獣の棲む家』とは Aidan Monaghan/NETFLIX 『獣の棲む家』はNetflixにて独占配信中

2020年のNetflixオリジナル映画で最も高い評価を集めたのは、新鋭レミ・ウィークス監督が手掛けたホラー映画『獣の棲む家』。戦火の南スーダンを逃れてイギリスに亡命した若い夫婦が、新居として用意された家にある違和感を覚えるという本作は、王道の“家系”ホラーでもありながら難民・移民問題にも切り込む、ブラムハウス・プロダクションズ作品を彷彿させる一本。

しかも本作は脚本の段階で2018年のサンダンス映画祭で発表された「サンダンス・インスティチュート/NHK賞」を受賞。過去に同賞にはミランダ・ジュライやアカデミー賞候補になったベン・ザイトリン監督の『ハッシュパピー バスタブ島の少女』(13)が受賞しており、ウィークス監督の今後の活躍にも期待できそう。新たな才能を先取りするならいまがチャンスだ。

アカデミー賞の有力候補として大きな期待が寄せられている『マ・レイニーのブラックボトム』 David Lee/NETFLIX 『マ・レイニーのブラックボトム』はNetflixにて独占配信中
アカデミー賞の有力候補として大きな期待が寄せられている『マ・レイニーのブラックボトム』 David Lee/NETFLIX 『マ・レイニーのブラックボトム』はNetflixにて独占配信中

99%フレッシュを獲得したのは、12月に配信がスタートしたばかりの『マ・レイニーのブラックボトム』。“ブルースの母”と呼ばれたマ・レイニーと、彼女のレコーディングに参加したことで運命が変わるトランペッターを描いた本作は、配信開始前からアカデミー賞の有力候補として大きな注目を集めてきた作品。

マ・レイニー役を演じるオスカー女優ヴィオラ・デイヴィスと、トランペッターのレヴィー役を演じ、これが遺作となったチャドウィック・ボーズマンの刺激的な演技のぶつかり合い。一部では『羊たちの沈黙』(91)以来の主要5部門受賞(作品・監督・主演男優・主演女優・脚本部門)の受賞も夢ではないとの声も。

大女優ソフィア・ローレンが移民の少年と心を通わす『これからの人生』 REGINE DE LAZZARIS AKA GRETA 『これからの人生』はNetflixにて独占配信中
大女優ソフィア・ローレンが移民の少年と心を通わす『これからの人生』 REGINE DE LAZZARIS AKA GRETA 『これからの人生』はNetflixにて独占配信中

また、この上位10作品には第93回アカデミー賞をにぎわすであろう作品がずらりと並ぶ。94%フレッシュの『これからの人生』は名女優ソフィア・ローレンの演技が高く評価され、『ザ・ファイブ・ブラッズ』はスパイク・リーの演出はもちろん、本作にも出演しているボーズマンとデルロイ・リンドーらの演技アンサンブルが高評価。

出演俳優たちの熾烈なアンサンブルと言えば、エディ・レッドメインやマーク・ライランスら近年のオスカー受賞者が共演する『シカゴ7裁判』も然り。アニメーション部門でも『ウィロビー家の子どもたち』が今年のNetflix作品の代表格として目されている。

シャーロック・ホームズの妹が大活躍する『エノーラ・ホームズの事件簿』はミステリファン大満足の仕上がりに ROBERT VIGLASKI /LEGENDARY [c]2020 『エノーラ・ホームズの事件簿』はNetflixにて独占配信中
シャーロック・ホームズの妹が大活躍する『エノーラ・ホームズの事件簿』はミステリファン大満足の仕上がりに ROBERT VIGLASKI /LEGENDARY [c]2020 『エノーラ・ホームズの事件簿』はNetflixにて独占配信中

他にもニューヨークを拠点に活動する脚本家ラダ・プランクが自ら監督・脚本・主演の三役を務めた『40歳の解釈:ラダの場合』や、惜しくも上位10作品には入らなかったが高評価を得た『フェイフェイと月の冒険』の脚本にも参加したアリス・ウーがメガホンをとった『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』と、注目の新鋭作家の作品も。そして名探偵シャーロック・ホームズの妹エノーラ・ホームズが活躍する人気ミステリシリーズを映画化した『エノーラ・ホームズの事件簿』も必見。

上位に入らなかった作品でも、デイヴィッド・フィンチャー監督が名作『市民ケーン』(41) の製作の舞台裏に迫った『Mank/マンク』や、ジョージ・クルーニーが監督・主演を務めたSFドラマ『ミッドナイト・スカイ』、メリル・ストリープとニコール・キッドマンが共演した『ザ・プロム』など、まだまだ注目作品は目白押し。年末年始はNetflixにアクセスし、自宅でじっくりと有意義な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

文/久保田 和馬

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