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母親が嫌いな私は薄情ですか? 実母による育児への過干渉がつらい…

  • 2021.1.1
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「もしかしたら私、お母さんのことが嫌いかもしれない」

子どもが生まれて自分が親になってみると、「こんなに大変な思いをして育ててくれたんだ」と母親に感謝する気持ちが生まれる一方で、なぜか母親の言葉や行動にイライラしてしまう…。しかし、そんな自分に罪悪感を覚え、さらにイライラする悪循環に陥り落ち込むママは少なくありません。

どうして自分が子どもを持った途端、母親に嫌悪感を感じてしまうようになるのでしょうか。

■味方のはずの母親をなぜ「敵」と感じてしまうのか?
例えば、「そんな抱っこの仕方で大丈夫?」「そろそろミルクの時間ね」など些細なことから、「子どもが小さいうちは母親の手元で育てたほうがいい」「赤ちゃんのうちからいろいろ話しかけたほうがいい」など子育て論にいたるまで、出産後の娘に母親はいろいろ言ってしまうものです。

しかし、同じことを医師や看護師など第三者に言われれば素直に従えるのに、なぜか母親から言われるとカチンとしてしまう、鬱陶(うっとう)しく感じてしまう。

それは、「もう私は大人なのに未だに子ども扱いして信頼されていない」と、あなたが感じているからかもしれません。

医療や育児の専門家という他人ならば、あなたという人間に対してなにも先入観がないため客観的な対応をするでしょうから、素直に意見を受け入れられるものです。一方、母親の場合は「あなたはできないから私の言うことを聞きなさい」という無言の圧力のように感じてしまうのかもしれません。

母親としては初めて子育てをする娘を心配して、少しでも役に立とうと声をかけているので悪気はありません。そういった気持ちもわかるからこそ、イライラする自分に罪悪感を覚えるママもいるでしょう。



でも、出産したばかりのママが自分の母親に対してそういう反応をするのは当然で、自分を責めたり落ち込んだりする必要はありません。

おそらく、ほとんどの方が思春期の頃は親を「うるさいな」「鬱陶しいな」と感じた経験があると思います。例えば、勉強しなさいと口うるさかった、進学先を指図された、友だち付き合いに口を出されたなど、子どもの頃は親からいろいろ言われたと思います。

でも、社会人になって結婚して…と大人になると、親もそこまで言わなくなりますし、あなたも波風立てないようにある程度そういった言葉を流せるようになるでしょう。しかし、親になって育児を始めると、自分が子どもの頃に親にどう育てられてきたかを思い出す「追体験」が始まります。

そのため、「小さい頃、こんなことを言われて嫌だった」「あんなことをされて悲しかった」という、かつて母親に感じていた不安や不満が吹き出してしまうのです。昔のことを思い出し、「お母さんだって完璧じゃなかったのに、私の育児に口を出すの?」と、イライラしたり鬱陶しく感じたりするのです。





■母親の子育て干渉をつらく感じた時の対処法



子育ての先輩として、いろいろアドバイスをする母親に悪気はないからこそ、それに対してイライラする自分に「なんてひどい娘なんだろう」と落ち込むこともあるでしょう。

でも、母親に対するそういう感情にフタをして我慢をする必要はありません。母親からのアドバイスに従ったり生真面目に実行することもありません。

子育てのことで何か言われたら「そういう意見もあるよね」「子育ての常識も昔と変わっているからね」と聞き流してやり過ごしましょう。自分で「これは育児に役立ちそうだ」と思うものだけ取り入れればいいのです。

もし、それもつらいと感じるのなら、距離を置いてもいいと思います。

そして、自分が子どもの頃に母親からやって欲しかったことを、自分の子どもにしてあげてみましょう。例えば小さい頃、友だちみんなが持っていたおもちゃが欲しいとねだっても買ってもらえず、仲間はずれにされて悲しかった思い出があるとします。

もし、同じように子どもからねだられたら、自分はそのおもちゃを買ってあげるようにすればいいのです。

そこで、母親から「おもちゃをすぐ買い与えるのは教育上良くない。将来、我慢のきかない性格になるわよ」など言われたら、「そんなの将来になってみないとわからないよね。私はすごく嫌だったから自分の子どもにはしてあげたいの」と言ってもいいと思いますよ。

もし、子育てを通して母親との関係が一時的にこじれてしまっても、無理に仲良くしようとしたり、母親への怒りを抑える必要はありません。

あなたの怒りは、子どもの頃にこうして欲しかったのにしてもらえなかった思いから沸き上がっている怒りです。これまで我慢してきたことを、ようやく怒りという形で母親に伝えられているわけです。

お互いケンカはしたくないし、関係がこじれるのも不快に感じるでしょうが、怒りという形であっても立派なコミュニケーションです。人間としては無視が一番つらいものですから、ネガティブなアプローチであっても必要な過程です。

実際、自分が親からやって欲しかったことを我が子にやるようになると、その時の親の気持ちが理解できるようになってきます。

何でもかんでもおもちゃを買い与えてくれなかった代わりに工夫して遊ぶ方法を教えてくれた、習い事をさせてくれなかったのは経済的に厳しかったのかもしれないなど、当時の親の気持ちが想像できるようになるのです。

親は親なりに考え、大変な思いをしながら、頑張って子育てしてくれたことに気づくこともあります。ですから、いろいろ育児に口を出してきたんだと理解でき、でもそれに従う必要もないこともわかってくるのです。

正しいかどうかは別にして、育児への口出しは母親の愛情からつい出てしまう言葉。あなたのことを否定してるわけでも、今の子育てが間違っていると言っているわけでもないのです。




(佐藤栄子)

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