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結婚相手は“友達”の中に 38歳男性、命の危機に支えてくれた元カノと結婚

  • 2020.12.28
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岡村隆史さん(2019年8月、時事)
岡村隆史さん(2019年8月、時事)

私は「結婚」に関する仕事をしているので、「誰かいい人いませんか」という相談は後を絶ちません。最も相談が多いのはアラフォー世代で、友人や芸能人の結婚を知ると結婚意欲がグイッと上がるようです。

2020年の結婚報道を振り返ると、実に多くの芸能人が結婚しています。生田斗真さんと清野菜名さん、瀬戸康史さんと山本美月さん、丸山桂里奈さんと本並健治さん、石原さとみさんと一般男性、松坂桃李さんと戸田恵梨香さんなど、「ああ、やっぱり…」という2人から、「えっ!? まさか?」という2人までさまざまでした。

中でも、個人的には、ナインティナイン・岡村隆史さんの結婚が印象的です。結婚願望がある女性の皆さんには「岡村カップル式」を参考にしては、と助言することもあります。

苦しいときの支えがきっかけに

「独身男性芸人キャラ」がすっかり身に付いていた彼も50歳。お相手は10年来の友人だった30代の女性だそうです。長い間の友人関係から結婚相手へと変わった理由について、岡村さんは、自身の発言から起きた炎上騒動の際に「(彼女が)叱ってくれたし、支えてくれた」と打ち明けていますが、実際の未婚カップルでも、トラブルや危機感によって関係性が変化したという例はよくあります。

「病気がなかったら、結婚していなかったかもしれません」と結婚のきっかけを明かしてくれたのは駿さん(38歳、仮名)。働き方改革などどこ吹く風とコンサルティング会社で毎日、長時間労働だった駿さんが激しい頭痛で倒れて病院に運ばれたのは2年前。下された診断は、くも膜下出血でした。幸いにも処置が早かったため、今でも手にしびれの症状が少し残るものの命に別条はありませんでした。

「手術が終わって、目が覚めて、『ああ、自分は助かったんだ』と思ったとき、『人間、いつ死ぬか分からないから自分の思いに忠実に、今やりたいことをやろう』と強く感じました。そして、お見舞いに何度も来てくれたのは家族だけではなく、元カノもでした。

別れた後も友達として連絡を取っていたのですが、改めて、自分を取り巻く人間関係を考えたときに、一世一代の危機を支えてくれた人こそ大切な人だと強く思いました。どん底を支えてくれた元カノであり、10年近く親しい友人だった今の妻が一番、一緒にいたい人だと気付いたんです」

無事に回復した駿さんの「結婚しよう」というプロポーズに対して、「今頃?」と彼女が笑いながら突っ込みを入れたそうですが、人生の転機が彼女との関係を変えた例だといえるでしょう。

では、付き合いの長い友人から夫婦になった2人は結婚後、どんな夫婦になるのでしょうか。

「友達付き合いが長かった夫婦は結婚したら、すぐにマンネリになるぞと周囲に言われていましたが、私たちの場合はそんなことはないですね。新鮮です」と感想を教えてくれたのは絵梨奈さん(34歳、仮名)。

「夫と『異性の友人』だった期間は6年ぐらいです。夫とは最初、当時の私が付き合っていたボーイフレンドの友人として出会ったのですが、私はそのボーイフレンドの方に夢中で、夫のことは眼中にありませんでした。ボーイフレンドだった男性は浮気性だったので、何度も大げんかしたり、振り回されたりしっ放し。そのたびに夫に愚痴を聞いてもらったり、慰めてもらったりしていました。その当時は夫にも別の彼女がいたし、全くの“清い関係”でしたけど。

その後、私はそのボーイフレンドと別れ、彼も付き合っていた彼女と別れて、何となくお互いのことが気になってからはあっという間に結婚までいきました。彼氏・彼女の付き合いが長いカップルはやることも全部やっちゃって(笑)、結婚してもマンネリになるのかもしれませんが、私たちは友人としては相談し合ったり、遊んだりといろいろあったけど、結婚を考える男女としては『未経験なこと』が多かったので、それが新鮮な感覚を持てている理由かもしれません」

友人というフラットな関係が長かった夫婦は結婚後もお互いに干渉し過ぎず、それぞれが自分らしさを保っている傾向があります。

一方、絵梨奈さん夫妻の「未経験だったこと」とは何でしょうか。例えば、住む場所を決めたり、将来のライフスタイルを語ったりすること。さらには、子どものことやお互いの両親の老後のこと。「明日、交通事故に遭ったらどうする?」といったリスク管理――。

これらは友達カップルの場合、早い段階からは向き合いません。結婚して、死ぬまで一緒にいると決意したときから、会話の中身が変化してきます。友達だったときには考えなかったことが2人の新テーマとして目の前に転がる…それは新鮮なことです。

最初の印象などで「付き合う相手としては対象外」と切り捨て、友達として会っている相手と、その関係性のまま数年が経過しているなら、改めて確認してみるのは無駄ではありません。王道の同窓会や部活仲間との飲み会など、いつでも昔の友達と再会できる現代、「新たな出会いを探す」のと並行して、「古い友達と会う」「長い友達を『結婚はアリかどうか』と意識してみる」と結婚への階段が広くなると思います。

最後に「10年来の友達に結婚候補なんていないよ」という場合。たとえ、相手が婚活アプリや出会い系パーティーで出会った人でも、先述の駿さんのように「人生最大の危機が訪れたときに、そばで応援してくれそうな人かどうか」というのはよくよく想像してください。どんな人と結婚しようが、そこは肝の部分です。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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