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ママ友LINEでの“お願い”にあぜん! 妊娠した小学校担任の「復職反対」「嘆願書に連名を」……モンペになりたくない母の葛藤

  • 2020.12.28
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今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

ママ友LINEでのお願いにあぜん! 妊娠した小学校担任の「復職反対」「嘆願書に連名を」……モンペになりたくない母の葛藤の画像1
写真ACより

幼稚園や保育園とは違い、親が小学校の担任の先生と接する機会は少ない。さらに、今年はコロナ禍の影響もあり、運動会など学校行事の中止が相次いだため、例年よりも、担任の先生との交流が希薄な年となった。

「担任の先生」については、小学生ママのグループチャットでよく話される話題だという。一体どんな話が展開されているのかを探ってみた。

育休を取る女性教員の復職に反対!? 「嘆願書を書く」ママ友にあぜん

明菜さん(仮名・34歳)は、都内で夫と7歳になる女児と暮らしている。明菜さんの娘が通っている小学校は、もともと児童数が少なく1学年2クラスで構成されているとのこと。少人数で6年間過ごさねばならないので、同じ幼稚園から進学したママとは、積極的に連絡を取るようにしているそうだ。そんな中、同じ小学校に上の子どもを通わせている先輩ママMさんの行動に、違和感を抱いているという。

「この前、久しぶりに土曜の公開授業が開催予定だったので、Mさんと子どもを迎えに行く前にちょっとお茶をしたんです。Mさんの下の子は、うちと同じ小1ですが、同じ小学校に小6になる男の子も通わせています。Mさんは『お兄ちゃんの担任、ハズレくじを引いちゃった』と言い出すので、何かあったのかと思ったら、どうやら30代の担任が妊娠したようなのです」

ママたちの間では、年度途中のタイミングで、先生が産休に入ることを、「ハズレくじ」と揶揄することもあるようだ。

「Mさんは相当怒っているようで、1年生のママ宛のグループチャットにも、担任の愚痴を送ってきました。妊娠がわかったのが今年6月だったといい、『進学してすぐに妊娠なんて、責任感がない』と……。その教師はすでに産休に入っていて、『うちの小学校は、中学受験する人も多いのに一番大事な時期にいないなんて』と憤慨していましたね」

明菜さんいわく、Mさんから聞かなければ、他学年の先生の妊娠まで気づかなかったという。

「Mさんは、その教員が出産後に育児休暇を取ると知ると、さらに怒りが爆発。私たち1年生ママのグループチャットで『またすぐ妊娠とかされると困るから、〇〇先生を復職させないでくださいという手紙を書こうと思っているけれど、一緒に連名でもいい? 』と聞いてきたんです。騒ぎが大きくなるのは嫌だと思い、慌てて『私、そういうの苦手なので』と言って、断りました……。Mさんは、6年生のママたちにも声をかけているそうなのですが、受験するママは内申書などが気になって書いてくれないらしくて、1年生のママたちに依頼してきているんです」

明菜さんは、上の子がいるママから、「小学校では、女性教員の育休や、産休などが重なる場合もある」と聞いたことがあるそうだ。

「1年生の2クラスは、どちらも女の先生。そのうち一人は2年生に持ち上がると聞いているのですが、もしもいきなり産休になったら、確かにMさんの気持ちもわからなくもないんです……。小学校は副担任がいるものの、担任一人が、児童の勉強や生活面を見ている状態。産休や育休で、突然いなくなるのは確かに困ります」

モンスターペアレンツにはなりたくないが、学校側に不満がないわけではない。そんな時どうすればいいかと頭を悩ませるママは少なくないのかもしれない。

異学年交流でケガをした息子……担任からケガの報告なしは普通?

恵梨香さん(仮名・38歳)は、関東圏にある公立小学校に小1になる息子を通わせている。

「息子は早生まれなのもあって、小柄なんです。小学校に入ると、体格のいい子や、上の学年の男子などが、通学路でふざけながら歩いていて、うちの子にわざとぶつかってきたことも。見ていて、『危ない』と感じることは多々ありました」

最近の小学校では、縦割り班と呼ばれる、1年生から6年生までの異学年交流が盛んだという。恵梨香さんいわく「6年生が新入生に校内を案内したり、身体測定の手伝いをしたりと、面倒をみる取り組みもある」そうだ。

「そんな異学年交流の一環で、校庭での外遊びを行った際、うちの子がケガをしたんです。遊び時間が終わって校庭からみんなで一斉に校舎に戻った時、小6のお兄ちゃんとぶつかって、倒れてしまったらしくて……。周りの子は誰も助けてくれず、お友達と一緒に保健室までいったそうです」

結果として、その6年生が誰なのかはわからなかったという。恵梨香さんは、この一件に置ける担任の先生の対応に、「不信感が芽生えた」と語る。

「息子の背中には、誰かから押されたときにできた赤いあざと、ひざには打ち身のケガがありました。さらに、驚いたせいか鼻血も出たそうです。そんな状況で、保健室を利用していたにもかかわらず、学校からなにも連絡がなかったんです。学童から息子が帰ってきて、ケガがあるのに気づいて学校に押しかけたのですが、もう担任は帰った後でした……」

恵梨香さんは、ママ友とのグループチャットに「息子がけがをしたけれど、担任から連絡がなく、学校に行って来た」「担任の先生は何を考えているのか」と送ったそうだ。

「小6の子が、わざとやったわけではないことはわかっているんです。でも、上の子がいるママに『そんなもんだよ。男の子なんて』『担任の先生も忙しいから、いちいち保護者に連絡なんてしないと思うよ』となだめられたのはショックでしたね。私の行為って、モンペなの? と、一気に不安になりました。その後、息子と特に仲のいい友達のママから、個別で『ケガしたのがうちの子だったら、心配で先生に聞きに行くよ』とメッセージが来たので、少しホッとしました」

恵梨香さんは、「子どもがケガをしないように保育士さんが気をつけてくれた保育園と違って、小学校ではある程度、子ども自身がケガに気をつけなきゃならない」と気づかされたという。それと同時に、「小学校の先生は忙しそうだし、子どもの迎えなどがないから会う機会もなく、相談しづらいと戸惑っているママは、私以外にもいると感じた」そうだ。

特に低学年のママたちの間で、小学校の先生が話題に上がりやすいのは、密に連絡を取り合っていた保育士との対応の違いにギャップを感じ、不安や不満を抱いてしまうからなのかもしれない。学年が上がるほどに、小学校の体制に慣れていくことはあるだろうが、一時期はママの悩みのタネになりそうだ。

池守りぜね(いけもり・りぜね)
出版社やweb媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は家族とのプロレス観戦、音楽フェス参戦。プライベートでは女児の母。

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