1. トップ
  2. 最後は“生出演”にこだわる嵐、コロナ禍を打ち破る感謝のフィナーレへ!

最後は“生出演”にこだわる嵐、コロナ禍を打ち破る感謝のフィナーレへ!

  • 2020.12.28
  • 315 views
ジャニーズ事務所(2020年5月、時事通信フォト)
ジャニーズ事務所(2020年5月、時事通信フォト)

年内いっぱいで活動休止となる嵐が12月24日夜、「VS嵐 最終回 4時間生放送スペシャル」(フジテレビ系)に出演し、13年にわたる歴史に幕を閉じました。

その後も、嵐は25日の「ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020」(テレビ朝日系)、26日の「嵐にしやがれ 最終回4時間生放送スペシャル」(日本テレビ系)、30日の「第62回輝く!日本レコード大賞」(TBS系)、31日の「第71回NHK紅白歌合戦」と立て続けに生放送の番組に出演。各局を順番に巡るような形で、活動最終日となる31日に向かっていきます。

また、事実上最後のライブとなる「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」(Johnny’s net オンライン)も生配信。最後まで“生出演”という方針を徹底していますが、まさにそんな姿勢にこそ、嵐らしさを感じてしまうのです。

「今現在の気持ち」を伝えやすい生放送

嵐が生出演にこだわっている最大の理由は「リアルタイムで自分たちの姿を見せて喜んでもらいたい」「リアルタイムで感謝の気持ちを届けたいから」の2点でしょう。個人的に嵐のことはデビュー後から追いかけていて、本を書いたこともありましたが、彼らはアイドルの中でも特に、ファンのことを大事に考えるタイプのグループ。2010年代に入って国民的グループになった頃から、さらにその姿勢が強くなった感があります。

生放送は何が起きるか分からない上に体調管理も難しく、「もし発熱してしまったら、出られずに終わってしまう」などのリスクは決して低くありません。また、「最後に言おうとしていたことをうまく伝えられなかった」などと後悔してしまう可能性もあります。それでも彼らが生放送を選んだのは「生放送の方が今現在の気持ちを伝えやすい」と考えているからでしょう。

実際、「VS嵐」の最終回では「“嵐チーム”が“打倒嵐!連合軍!!チーム”に負けてしまう」というまさかの結末がありましたが、こんな意外性も生放送の楽しさ。そして、最後のあいさつも生放送だからこそ、一人一人の個性と魅力が表れていました。

松本潤さんは「2480戦やってきて、その全部が一回も飽きることなく毎回できました」、二宮和也さんは「みんなで盛り上げていただいて、それが嵐なんだなと改めて、周りの人に感謝したいと思いました」、相葉雅紀さんは「この13年間で、嵐っていうグループをいろんな人に知ってもらった番組の一つです。満足です!」。

櫻井翔さんは「ゲストの皆さんに、とにかく楽しんで帰ってもらう。その笑顔が視聴者の皆さんの笑顔につながると信じてやってきました」、大野智さんは「最初はすぐ終わる番組だと勝手に思っていましたけど、13年も続いたのは本当にすべてに関わった皆さんのおかげだと思っています」とコメント。

すがすがしい表情で語ったり、目に涙を浮かべたり、笑いに走ったりしながらコメントをした後、最後に5人で手をつないで「10秒チャレンジ 人間知恵の輪」に挑み、見事成功。最後まで「成功するのか、しないのか」「時間内に収まるのか、収まらないのか」という生放送ならではのドキドキを感じさせつつ、歓喜の笑顔で締めくくりました。

4年前の先輩SMAPをよき教訓に

今年はコロナ禍の影響で観客を入れたライブができず、これまで支えてくれたファンたちに会えないまま活動休止に入ることが彼らの心に影を落としています。その点、生放送のテレビ出演には「ライブ感」という意味でライブとの共通点があり、多くのファンがリアルタイムで同時に楽しむことが可能。それは、彼らがコロナ禍の今できる最大限のファンサービスなのかもしれません。

さらに言えば、嵐のメンバーたちはファンに感謝を伝えるとともに「できるだけ、年明けの“ロス”を和らげたい」という気持ちがあるような気がします。4年前の年末、彼らは国民的グループとしての先輩SMAPが解散する時の様子を目の当たりにしました。先輩たちとそのファンたちの無念を知っているため、「とにかく最後まで全力のパフォーマンスを」という気持ちが透けて見えるのです。

また、新型コロナウイルス感染で後輩グループのSnow Manが「第71回NHK紅白歌合戦」の出演を辞退したほか、活動一時休止を余儀なくされてしまいました。対策を徹底していた中での感染だけに、ファンは「嵐のメンバーに何事も起きませんように」と祈るような気持ちでしょう。

そんな厳戒態勢の中でも生放送にこだわる嵐が注目を集めるのは必然であり、メンバーとファン双方から感謝の言葉が飛び交う、感動のフィナーレになるのではないでしょうか。

コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志

元記事で読む
の記事をもっとみる