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世界的パフォーマンス集団「ダムタイプ」が18年ぶりの新作配信。激動の一年の最後に、現代社会を見つめ直す

  • 2020.12.25
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世界がその動向を注目し続ける伝説のマルチメディア・パフォーマンス・グループ「ダムタイプ」。彼らにとって18年ぶりとなった新作パフォーマンス作品《2020》が、3日間限定で無料配信されることが決定した。本作は今年3月に上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため中止したパフォーマンス作品。無観客で収録、編集したものをオンラインにて公開する。現代の人間社会が直面する事象について、洞察と探求を繰り返した末に完成したこの作品から得るものとは…。時代の大転換期に生きる私たちに深い思考を促すきっかけを与えてくれるはずだ。

世界が注目する伝説のマルチメディア・パフォーマンス・グループ

ダムタイプは、京都市立芸術大学の学生を中心とした、映像、ダンス、音楽、デザイン、コンピューター・プログラムなど異なる背景をもつメンバーによるアーティスト集団。1984年の結成以来、プロジェクトごとにメンバーや表現方法を変化させながら、集団による共同制作の可能性を模索しつつ、マルチメディアを使ったパフォーマンスやインスタレーションを中心に発表し、国内外で活動している。

撮影:井上嘉和Harumari Inc.

彼らの主なパフォーマンス作品には、《pH》(1990年初演)、《S/N》(1994年)、《OR》(1997年)、《memorandum》(1999年)、《Voyage》(2002年)等がある。パフォーマンスと並行して、インスタレーション作品の制作にも取り組み、2018年にポンピドゥー・センター・メッス(フランス)で個展「DUMB TYPE: ACTIONS + REFLEXIONS」を開催、さらに2022年に予定されている第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館出品作家に選出されている。

18年ぶりの新作《2020》とは

今回、メンバーが集合し《2020》の制作を開始した2018年は、まだ未知のウイルスの感染が世界中に拡大するというような状況は予想していなかった時期。約1年半にわたるクリエイション期間中で、人間社会が直面するさまざまな事象――グローバリゼーション、 SNS、超高度情報化社会、監視社会、AI、コミュニケーション――について話し合い、思考を巡らし、それらを捉えようとする視点を持った作品へと昇華した。

撮影:井上嘉和Harumari Inc.
撮影:井上嘉和Harumari Inc.

今回のコロナウイルスも含め、今年過ごした時間は我々人間にどのような変化をもたらすのだろうか。グローバル化された世界の中、人が、国が協力し合えるシステムについて、人と人とのコミュニケーションについて、立ち止まり考える機会となり得るだろうか。
激動の1年の終わりに、深い思考を巡らせるきっかけをくれる作品に触れ、新たな1年をどう迎えるか、自身の思いを新たにしたい。

アイキャッチ画像 撮影:福永一夫

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