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クリスマスはやっぱりマコーレー・カルキン!波乱の30年史と、批評家が選ぶ“フレッシュ”10選

  • 2020.12.24
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クリスマス映画の定番といえば、やはりクリス・コロンバス監督の名作『ホーム・アローン』(90)を思い浮かべる人も多い事だろう。『ホーム・アローン』の顔といえば、主人公のケビン役を演じたマコーレー・カルキン。つまりクリスマスは1年に1度、世界中の人々がカルキンを思い出す季節でもある。

【写真を見る】薬物疑惑に奇行…激ヤセで認識不能だった時期のマコーレー・カルキン

“世界一有名な子役”として大ブレイクしてから今年で30年。現在40歳になったカルキンだが、出演作は決して多くはなく、そのキャリアはよく言われる“子役のジンクス”を全部乗せしたかのように波乱万丈だ。

そこで本稿では、カルキンの全出演作のなかから映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で批評家からの評価が高い10作品をピックアップしながら、これまでのカルキンの経歴を振り返っていきたい。

1990年代前半には、子役としてめざましい活躍を見せたカルキン 『ホーム・アローン』ディズニープラスで配信中 [c]2020 Disney
1990年代前半には、子役としてめざましい活躍を見せたカルキン 『ホーム・アローン』ディズニープラスで配信中 [c]2020 Disney

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。

好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されている。

『ホーム・アローン2』出演時、カルキンの人気はピークに達していた 『ホーム・アローン2』ディズニープラスで配信中 [c] 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation
『ホーム・アローン2』出演時、カルキンの人気はピークに達していた 『ホーム・アローン2』ディズニープラスで配信中 [c] 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation

それでは、マコーレー・カルキンのフレッシュ作品10傑を挙げてみよう。

(厳密に言えば「フレッシュ」ではなく、「ロッテン」していないだけの作品についても、リストでは便宜上「フレッシュ」とさせてもらっている)

73%フレッシュ『ジェイコブズ・ラダー』(90)

66%フレッシュ『ホーム・アローン』(90)

64%フレッシュ『オンリー・ザ・ロンリー』(91)

63%フレッシュ『Changeland』(19)

61%フレッシュ『セイヴド!』(04)

61%フレッシュ『おじさんに気をつけろ!』(89)

53%ロッテン『マイ・ガール』(91)

50%ロッテン『くるみ割り人形』(93)

33%ロッテン『ホーム・アローン2』(92)

29%ロッテン『パーティ★モンスター』(03)

『ホーム・アローン』で大ブレイクを果たした裏で、プライベートの苦悩は始まっていた 『ホーム・アローン』ディズニープラスで配信中 [c]2020 Disney
『ホーム・アローン』で大ブレイクを果たした裏で、プライベートの苦悩は始まっていた 『ホーム・アローン』ディズニープラスで配信中 [c]2020 Disney

出演作のなかでもっとも高い評価を得たのは、『ホーム・アローン』よりも2週間早く全米で公開されたスリラー映画『ジェイコブズ・ラダー』の73%。そんなリストに入った『ホーム・アローン』以前の作品は『ジェイコブズ・ラダー』と『おじさんに気をつけろ!』の2作品のみで、この『おじさんに気をつけろ!』は『ホーム・アローン』で脚本を務めたジョン・ヒューズがメガホンをとった作品である。

演技力とプロ意識の高さはお墨付きだったが… 『ホーム・アローン2』ディズニープラスで配信中 [c] 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation
演技力とプロ意識の高さはお墨付きだったが… 『ホーム・アローン2』ディズニープラスで配信中 [c] 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation

それがきっかけとなり、ヒューズは『ホーム・アローン』の主人公ケビン役としてマコーレーをコロンバス監督に紹介。はじめはキャスティングすることを躊躇っていたコロンバス監督だったが、200人近くの子役をオーディションした結果、素直にヒューズの提案を受け入れることに。撮影当時まだ9歳だったカルキンだが、大人びているうえに高いプロ意識を持っていたといわれており、共演したジョー・ペシは「彼はすでに老人だ」と当時のインタビューで語っていたとか。

同作は公開されるや驚異的な大ヒットを記録。11月中旬の公開からクリスマスシーズンを超えて12週連続で興行収入ランキングの1位を獲得し、翌年のサマーシーズンまでトップ10圏内をキープ。最終的には興行収入2億8000万ドルを記録し、もっとも成功したコメディ映画としてギネスブックに認定されたことも。

両親の泥沼裁判から俳優引退、そして17歳での結婚と離婚など波乱が待ち受けていた 写真:SPLASH/アフロ
両親の泥沼裁判から俳優引退、そして17歳での結婚と離婚など波乱が待ち受けていた 写真:SPLASH/アフロ

その後、ふたたびコロンバス監督とヒューズがタッグを組んだ『オンリー・ザ・ロンリー』や、『ホーム・アローン2』などに立て続けに出演。その頃には出演料が『ホーム・アローン』の時の数十倍にも跳ね上がったともいわれているが、その影響などもあってオファーは年々減少。

幼かったカルキンが稼いだ収入をめぐって家庭内で揉め事が勃発し、その不和はやがて泥沼な裁判にまで発展。あげくの果てにカルキンは自ら俳優活動を休業することを発表。その後、普通の人生を送るために俳優引退を宣言することに。

17歳の時に女優のレイチェル・マイナーと結婚し、2年後に離婚したカルキンは、実在した“クラブ・キッズ”マイケル・アリグの破天荒な半生を描いた、2003年の『パーティ★モンスター』で映画界に復帰する。

同作の撮影前には、当時獄中にいたアリグに自ら会いに行き役作りに活かすなど、変わらぬプロ意識の高さを発揮。同作の批評家からの評価は壊滅的なものとなってしまったが、一般の観客からの評価は高く、「ロッテン・トマト」でも75%フレッシュのオーディエンス・スコアを獲得している。

観客から絶大な支持を集め、クリスマス映画の代表格になった『ホーム・アローン2』 『ホーム・アローン2』ディズニープラスで配信中 [c] 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation
観客から絶大な支持を集め、クリスマス映画の代表格になった『ホーム・アローン2』 『ホーム・アローン2』ディズニープラスで配信中 [c] 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation

そう、実はリスト下位も含め、ほとんどの作品が批評家よりも観客から高評価を得ている作品ばかりで、『マイ・ガール』や『ホーム・アローン2』などは、観客からは名作としていまなお親しまれている。これはそれだけカルキンという俳優が愛されている証拠ではないだろうか。

ところが復帰早々、2004年の秋に薬物所持で逮捕されてしまい、ここから長い長い低迷期が始まる。テレビシリーズなどで細々と活動したのち、2012年に「ピザ・アンダーグラウンド」というバンドを結成。その頃に突然激ヤセし、薬物中毒やニコチン中毒、余命わずか、さらには死亡説まで流される始末。

【写真を見る】薬物疑惑に奇行…激ヤセで認識不能だった時期のマコーレー・カルキン 写真:SPLASH/アフロ
【写真を見る】薬物疑惑に奇行…激ヤセで認識不能だった時期のマコーレー・カルキン 写真:SPLASH/アフロ

それでもふたたび俳優業に復帰したカルキンは、2019年に映画『Changeland』に出演。アニメシリーズ「Robot Chicken」で共演したセス・グリーンがメガホンをとった同作は、批評家からはなかなかの好評を得るなど、復調の兆しをみせた。

2018年には「Googleアシスタント」のCM「Home Alone Again with the Google Assistant」で久々に『ホーム・アローン』のケビンを再演したり、2020年の春には、ディズニープラスで製作される、『ジョジョ・ラビット』(19)のアーチー・イェーツが主演するリブート版『ホーム・アローン』に破格の出演料でカメオ出演することが報じられたりと、いかに観客にとって、『ホーム・アローン』のケビン役が印象深いのかがうかがえる。

このようにいまなお根強い人気を誇り、クリスマス映画の定番となった『ホーム・アローン』は、今後さらに人気を高めることになるだろう。

それでもまだ40歳のカルキン。再ブレイクも夢ではないはず! 写真:SPLASH/アフロ
それでもまだ40歳のカルキン。再ブレイクも夢ではないはず! 写真:SPLASH/アフロ

そしてもちろんカルキンもまだ40歳。これから再ブレイクのチャンスが訪れる可能性もあるだけに、その動向に注目していきたい。

文/久保田 和馬

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