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【暮らしのお金の実態調査】約7割は資金計画に無頓着という結果に…老後は大丈夫?

  • 2021.1.5
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「moneliy(マネリー)」では2020年9月に暮らしにかかわるお金についてのアンケート調査を実施しました。
今回は、「お金についてのライフプランを立てていない」という回答について背景を考えていきます。お金のプランは本当に立てなくて大丈夫なのでしょうか?

このアンケート調査は株式会社インヴァランスが2020年9月16日から9月30日にかけて、プラットフォームサービス『モニプラ』にて、20代から60代のmoneliyファンユーザー3479名を対象に実施したものです。
回答者の内訳は男性1269名、女性2220名。回答者の年代は40代が最も多く、次いで30代、50代、20代、60代以上の順でした。

お金についてライフプランを考えていない人69%!将来は大丈夫?

アンケート調査の結果、お金についてのライフプランを立てていないと回答した人は、立てている人の2倍以上でした。

お金についてのライフプランは立てている?

図:筆者作成

お金についてのライフプランを立てている?年代別傾向

図:筆者作成

お金についてのライフプランを立てている?年収別傾向

図:筆者作成

3,479名の対象者に「お金についてのライフプランをたてているかどうか」質問したところ、うち2,401名が立てていないと回答し、その割合は全回答者の69%。

全対象者の回答を年代別に分析してみると、50代の層が最もお金のライフプランをたてていないと回答した割合が高く73%もの割合を占めました。

50代はまさに管理職世代の中心で忙しい、余裕がないなどの要因が一因として考えられますが、老後の生活を見据えてお金のプランを考えておくべき大切な時期でもあります。一般的に収入が多い年代だからこそ、マネープランは重要です。

世帯年収別に回答を見てみると、世帯年収が低いほどお金のライフプランを立てていないと回答した割合が高く、年収100万円未満の層では87%でした。お金のプランを立てていない人の割合はどの層でも高いのが特徴的です。

20代お金についてのライフプランを立てていない人の年収傾向
30代お金についてのライフプランを立てていない人の年収傾向
40代お金についてのライフプランを立てていない人の年収傾向
50代お金についてのライフプランを立てていない人の年収傾向
60代以上お金についてのライフプランを立てていない人の年収傾向

図:筆者作成

年代別に年収とお金のライフプランをグラフにすると、どの年代でも世帯年収900万円~1,000万円の層で凹みがありました。

世帯年収900万円~1,000万円の層のライフスタイルとして、共働きのケースと世帯主ひとりで稼いでいるケースが考えられます。共働きの場合は夫婦それぞれが平均年収以上の収入を得るために忙しく働いていて、プランを立てる時間が不足している可能性があるでしょう。

世帯主ひとりが働いているケースでは、年収900万円以上は所得税率がアップする目安年収でもあるので、忙しいわりに手取り年収は満足な金額ではなく、時間や生活の余裕がなくマネープランを立てにくい、といったことが考えられます。

お金についてのプランを立てていない人には理由があった!

お金についてのライフプランを立てていない回答者が全体の7割近くを占めていますが、その理由について気になりますよね。どのような意見が多いのかまとめてみました。

これから考えようと思っている約8割に注目
お金のライフプランえお考えていない理由

図:筆者作成

全回答者3,479名のうちお金のライフプランを考えていないと回答したのは2,401名。このグループにその理由を自由記述で答えてもらいました。その結果、「これから考えようと思っている」という旨の回答をした人は1,902名にのぼり、質問の回答者の8割近くを占めました。

実際にプランを立てるという行動には出ていませんが、意欲がある人は多くいるということが分かります。そのほかの理由としては、「まだ考える年齢ではない」という回答が7%、「金銭的・時間的に余裕がない」という回答が6%、逆に「金銭的に余裕があるため必要ない」という旨の回答が3%、「プランの立て方が分からない」人が2%、「その他個人的な理由など」は3%でした。

プランの立て方が分からない人に注目

お金のライフプランの立て方が分からないと回答した人は、学習の機会に巡り合うことで、お金に関するライフプランニングへの意欲が上がると考えられます。方法が分かれば実行に移す可能性が高いでしょう。

お金に関するライフプランニングを学習するには、書籍やセミナーに参加するなど方法はさまざまありますが、自宅にいながら専門家にノウハウを教えてもらえるオンライン学習であれば気軽に学べ、おすすめです。

例えばオンライン講座を無料で受講できる『gacco(ガッコ)』には、マネーリテラシーや投資リテラシーについてのプログラムがあり、資産形成のヒントやマネープランを立てるにあたり参考となる内容を学習することができます。

将来必要なお金はいくらか知ってる?早めに動き出したほうが吉

今回のアンケートでは、「老後の暮らしにかかる月々の生活費」や「老後の資金として貯蓄しておきたい金額」についても質問しています。あなたはそれぞれいくらだと思いますか?

老後の生活費は20万円以上準備したい!回答者の予想は
老後の生活費は月々いくら必要?

図:筆者作成

老後の生活費に月々いくら必要か、自由記述方式で回答を求めたところ、3,479名中349名から回答を得られました。結果は20万円以下と回答した人が167名と最も多く、次に多かったのは30万円以下という回答です。

総務省「家計調査」によると、60歳以降の無職世帯での月々の支出は約24万円と想定されています。生活費は家庭により異なりますが、月々20万円以上の金額が安定した暮らしには必要でしょう。最も意見が多かった20万円以下という回答額では少し足りず、現状をやや楽観視した予想と言えます。

老後の貯蓄は3,000万円以上必要!回答者の予想は甘い?
老後の貯蓄はいくら必要?

図:筆者作成

次に、自由記述で老後への備えとして貯蓄がいくら必要か質問しており、3,479名から回答を得ました。回答では500万円~1000万円と回答した人が832名と最も多く、次に0円~500万円と回答した人が809名、1000万円~2000万円と回答した804名、3000万円以上と回答した586名と続き、2000万円~3000万円と回答した人が最も少なく453名でした。

老後の資金は、働かなくなってから寿命までに必要なお金です。60歳からを老後ととらえた場合の平均余命は、厚生労働省の「平成30年簡易生命表」によると男性で23.84年、女性で29.04年。つまり、この期間生活するために必要なお金が老後の資金となります。

総務省「家計調査」を参考に、保険会社のアクサ生命が出した試算では、趣味や医療費などを加味し、ゆとりをもって老後を生活するには3,360万円の貯蓄が必要だそうです。この金額は今回のアンケート回答者の予想とは大きく乖離しています。

お金についてのライフプランを立てることのメリットは、現在の収支を把握し、ライフプランに合わせて必要なお金を予測し、備えることができる点です。お金についてのライフプランに興味がない、立てるつもりがないという人は、将来必要になるお金を適切に把握することが難しく、十分な備えができずに苦しい生活を送る羽目になる可能性を秘めています。

暮らしに金銭的な余裕がない場合は現状の家計を把握することからはじめ、無駄がないかを探ってみてはいかがでしょうか。ライフステージごとにどのくらいのお金が必要か概算し、備える準備をすることも大切です。自分なりに節約できるポイントや、資産形成に回せる金額を見極めていきたいですね。

将来を見据えて今から動き出そう

お金についてのライフプランを立てていない人はアンケート回答者全体の約7割という、大きな割合を占めました。老後にかかる金額の予想も甘いものとなっています。「その時になったらなんとかなる」という考え方では将来困ってしまうかも。

「お金のライフプランは必要ない」という選択肢はNO!お金についてのライフプランは早いうちから考えておくことがベターです。

文:kimmy
監修者:ファイナンシャルプランナー歴3年 千見寺 拓実

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