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誰も教えてくれない、身体のこと。2021年、生理はもっとラクになる

  • 2020.12.23
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女性ならではの生理現象、私たちはもうベテランと呼べる。だいたい10~14歳で初潮を迎え、平均的な閉経年齢は50歳前後。およそ40年もの間、女性は生理と向き合い続けることになる。30歳はまさに、人生における生理期間の折り返し地点だ。私をはじめ、女性読者のほとんどが、もう20年近くも生理と付き合ってきているのだ。その回数、240回以上。来て嬉しいことはないのに、こんな回数をこなしている。もう、自分を含めた全女性を褒めてあげたい。

こんなもんだと、折り合いをつけてきた20年

毎月やってくる、面倒臭さと不快感。鈍い痛み。不調とも言い切れないような、イライラや倦怠感。我慢したり、薬を飲んだり、こんなものだと自分に言い聞かせて、なんとか折り合いをつけて生きてきた。自分でつけた“折り合い”がいつしか当たり前になっていた。考えてみれば、誰からも教わっていないけど。

そもそも、女性はほとんどが生理に関して「悩み」がある。女性メディアLOCARIの調査によると、なんと約97%もの女性が、何かしらの悩みを抱えている。「体調不良」だと認識する身体的不調には約42%もの女性があると回答。肌荒れなどの不調そのものから、その不調を理解してもらえないという精神的な負担、ピルや生理用品を使用することへの負荷までその悩みは多岐にわたっており、女性なら誰しも訪れる生理現象ではあるものの、こんなにも多くの悩みが発生しているのかと改めて実感する。

物理的に仕方ない面があるとはいえ、やはり男性からの理解は得られていないと感じている人も多い。約70%の女性が「男性は生理のことを理解していない」と思っているという調査結果がある。

ただこれは性差の問題と片付けてしまうには少し早い。「同じ女性同士なら悩みを理解しあえると思いますか?」という問いには、80%以上の女性が「理解しあえるとは限らない」と答えている。

女性同士だとしても、悩みを理解しあうのは難しい

■約束をしていた友人に、生理痛が酷くなったので断りの連絡をしたら、そんなことで断られるのはありえないと言われた。
■私の方が、と言って出血量が多い人にマウントを取られること。それぞれ個人的に違うことなのに理解が得られにくいと感じる。
■生理痛はお腹まわりだけと思っている人がいて、頭痛や目の周りの痛みについて理解してもらえなかった。
■生理痛を軽くするためにピルを飲んでいたが知り合いには避妊するためだと言われ、結婚していたのでなぜ飲み続けるのか聞かれなかなか理解されなかった。Harumari Inc.

職場でも家庭でも、生理痛をわかってもらえない

■生理痛もなく3日ほどで終わるという先輩に、生理の度に具合が悪くなり通勤電車の中で倒れる私は仮病だと思われていました。
■生理痛がひどくて毎回寝込むのに休暇を申請すると病気じゃないと言われる。
■量が多いので生理中はお手洗に何度か行くのでまたトイレ?と同僚に言われてしまった。
■上司の生理前のイライラで、職場全体がピリピリした雰囲気になってしまう。
■生理の痛さを訴えたらそんなんで辛かったら子供産む時、耐えられないよって親族に言われた。Harumari Inc.

生理痛を理解したいけどわからない…という声も

■生理痛がいつも辛いと言い、休むのに、病院に行かない女子。アドバイスが届かない。
■身体的な辛さや気持ちの不安定さは、人によって違うので、辛くて仕事休むと言われてもなかなか理解しにくい。
■生理痛が全くない私にとって、生理痛のひどい子になんと声をかけたら良いかわからない。Harumari Inc.

挙げればキリがないほど、この「生理に関する悩み」は理解しあえず、当然のように「生理について」は話題にのぼることが少ない。メディアでは「言いにくい」「タブー視されている」とよく言われるが、シンプルに「誰かにわかってもらうようなトピックだと思っていない人が多い」という方がしっくり来るかもしれない。

自分の悩みを誰に話せばいいのかわからないし、誰かの悩みについても知る機会がない。そのスパイラルが、現状を「当たり前」と済ませてしまっている原因なのではないだろうか。

これほど多くの女性を悩ませる問題なのに、解決の糸口すら見出せないとはどういうことなんだろうか。いや、生理って、もう本当に、仕方がないということなのだろうか?

ふと気づけば、世の中はなんだかすごく進化している。女性の社会進出や生理休暇、セクハラ、ジェンダーバイアスなどが話題になる昨今、強く立ち上がってくれている女性たちのおかげで、きっと私たちはちょっとずつ、生きやすくなっているんだろう。でも、私に毎月やってくるものだけは何も変わらない。

ラクになる方法がもっとある2021年

女性の身体に関する課題を解決するためのテクノロジー、それが「フェムテック(FemTech)」。「Female」と「Technology」を組み合わせた造語であり、ここ数年この領域の話題がニュースになることが多い。今年は特に、日本国内でさまざまなフェムテック商品が発売された。気になっている読者も多いことだろう。フェムテックは、私たちの救世主になるのだろうか?

フェムテック商品についての認知度調査を見てみると、想像以上に月経カップや吸水ショーツなどの知名度が高くなっていることに驚かされる。

ただ、その高い知名度とは裏腹に、「使ったことがある」のはやはり圧倒的にナプキンとタンポン。オンライン診療や専門外来などの台頭でここ数年ぐっと入手しやすくなった低用量ピルの使用経験者はある程度いるが、フェムテック商品と呼ばれる吸水ショーツや月経カップは圧倒的に「知ってはいるが、使ったことはない」人が多い。

だが、さらに「使ってみたいか」という質問には多くの人がフェムテック商品を挙げている。さまざまな商品やサービスが増えてきたこともあり、注目の存在であることは間違いない。

とはいえ、○○テックという言葉にひかれ、「流行っているから」というだけで実際の自分の生活に導入できるほど、生理ライフはイージーではない。だからこそ、みんな「知っているのに使ったことがない」のだろう。

生理をHACKする。

だからこそ、まずは「知ること」が最重要項目だ。
新しいから、流行っているから、ではなく、本当に実用的なのだとしっかり納得した上で、私たちの生理ライフをよりよくしていきたい。

単なる「べき論」やジェンダー論にとどまらず、本当に使えるフェムテックはどれ?を真剣に考えていく、それがこの特集です。

生理との付き合い方の選択肢をもっと知って進化させる。私たちをもっとラクにしてあげるためのものだ。誰も教えてくれない、賢い生理との付き合い方。いろんなテクノロジーが進化した今だからこそ、実はもっともっと快適に生きることができるのだ。

長年信頼している生理用品メーカーの知られざる便利商品から、婦人科の医師による正しい知識まで。最先端のフェムテック商品も細かくご紹介。

自分が無知なだけで、想像していたよりはるかにたくさん選択肢があるのだ。すべての“当たり前”をアップデートしよう。まずは、知ることから。

調査データ引用
生理に関するアンケート

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