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普通の会社員なのに資産1億以上貯めた人が節約より重視する"あること"

  • 2020.12.23
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会社で役員に出世したわけでも遺産相続があったわけでもない。ごく普通の会社員でも1億円以上の資産を築ける人は意外に多いと言います。では、ごく普通のまま終わる人と、1億円の資産を築く人の違いはいったいどこにあるのでしょうか。3万人以上のお金の相談に乗ってきた大江英樹さんが、「億り人」になれるサラリーマンの特徴3つを解説します――。

計算
※写真はイメージです
定年まで会社勤め、相続なしでも大金持ち

前回の記事「「〇〇します」普通のサラリーマンが多用し、お金持ちになれる人は絶対言わない"ある言葉"」で、お金持ちになる人のうち、自営業やフリーランスの人達の思考や行動習慣についてお話しました。今回は会社に勤める仕事をしている人でお金持ちになった人のパターンや特徴を考えてみましょう。

前回もお話しましたが、実は会社勤めでずっと定年まで過ごした人の中にも1億円を超える資産を築く人は少なくありません。特に親から遺産相続をしたわけでもなく、会社の中で役員になるといった大きな出世をしたわけではなくてもそういう人は間違いなくいるのです。私も25年間の投資相談業務の中でそういう人達をたくさん見てきました。そんな人達にもある種の共通点が間違いなくあります。ではそんな人達の行動や思考とは一体どのようなものなのでしょうか?

前回の自営業でお金持ちになれる人には3つの特徴があるとお話しましたが、実は勤め人の場合も同じように3つの特徴があります。ただし、これは前回の自営業の人達の特徴とは少しパターンが異なります。勤め人の場合の3つの特徴とは……。

お金持ちになれるサラリーマンの3大特徴

普通のサラリーマンなのに、大きな資産を築く人は以下の特徴があります。

①天引きの習慣を身に付けている
②お金にあまり執着が無い
③何でも自分で考えるクセを持っている

では今回も一つずつその行動と、なぜそれが資産形成のために重要なのかを考えてみましょう。

通帳
※写真はイメージです
①天引きの習慣を持っている

自営業と違って勤め人の場合、収入に大きな波はありません。ボーナスなどは年によって大きく開くことはあるでしょうが、毎月の給料は、極端な長時間残業でもなければそれほどバラツキは少ないでしょう。したがって収入がそう簡単に増えないのであれば、支出を減らそうという方向に動きがちです。いわゆる「節約」であり、世の中には「節約術」指南がたくさん出ています。もちろん無駄な支出を減らすことを考えるのは必要なことですが、やたら節約指向に走ってしまうと、生活が楽しくなくなります。実際に節約指南をしているファイナンシャルプランナーの人達の中にも結構無駄遣いしている人だっているのです(笑)。

私は節約よりももっと大事なことがこの「天引きの習慣」だと思います。サラリーマンのように決まった収入のある人にとってお金を増やすために最も必要なことは、“自分の視界からお金を見えないようにすること”です。天引きされたお金は知らないうちに貯まっていますから、まさにこれが当てはまるのです。

必要なときにガッツリ投資できる資金を

そしてこの場合の天引きは必ずしも投資でなくてもかまいません。単に貯蓄でも良いのです。「でも貯蓄じゃお金は増えないでしょう、やっぱり積立投資の方がいいんじゃない?」と思う人もいるでしょう。「積立投資」というのは資産形成にとっては一定の効果があることは確かですが、積立投資だけで大金持ちになったという人は少ないでしょう。やはり注ぎ込むべき時にはお金をしっかりと注ぎ込んだ人が長期的には成功しているからです。

そのためには貯蓄であってもかまわないので天引きで資金をある程度こしらえておくことも必要です。なぜなら、本当に必要な時にお金を集中して投資することもできるからです。企業だけでなく、個人においても“キャッシュ・イズ・キング(現金が最強)”なのです。

②お金にあまり執着が無い

これには驚く人がいるでしょうね。「お金に執着が無い、ってどういうこと?」「お金に執着があるからお金持ちになれるんじゃないの?」と考える人が多いはずだからです。でもこれは真実です。これは一体どういうことかというと、「リスクを取ることに抵抗がない」性格だということを言っているのです。

行動経済学のプロスペクト理論によれば、人間は本質的に“損失回避的”だと言われています。これをわかりやすい言葉で言い換えれば「人間は損をするのが何よりも嫌い。儲からなくてもいいから損だけはしたくない」ということです。損をしたくないということはお金に執着があるからです。でも本当にお金を儲けようと思ったら損をすることも覚悟の上でリスクを取ってチャレンジするしかありません。結果的に儲かる場合も損をする場合もありますが、大事なことは損をしてもそれを糧として次にまたチャレンジすることです。ところがお金に執着があって、何よりも損だけはしたくない、という気持ちが強いと、大事な勝負すべき時に勝負できないことになります。

「損してもまた稼げばいい」と考えられるか

さらに言えば、仮にうまくいかなくて損をしたとしても「また稼げばいいや」あるいは「また天引きで資金をこしらえればいいや」と思うことができればリスクを取ることに躊躇しなくなります。つまりお金に対する執着が無いというのは、その気になればいつでも稼ぐ能力とその意思を持っているからできることなのです。逆にお金を失うことを恐れてしまうと何もできなくなり、堅実な運用しかできなくなってしまいます。たとえサラリーマンであったとしても勝負すべき時に勝負をした人が結果的には成功しているのです。

例えば株式投資で言えば、私がサラリーマンをやっていた40年近い間にリーマンショックぐらいの暴落は少なくとも4回経験しています。勤め人であれば、日々の仕事が忙しいので、そんなに株式の売買などは頻繁にできません。でもこういう暴落の時に思い切って少しまとまった資金を入れた人はその後大きな成功を収めています。まさにお金に執着が無いからこそ、思い切った行動が取れるということなのです。

③何でも自分で考える

これはサラリーマンでなくても大事なことです。ただ、前回お話したような自営業や企業経営者の場合、誰も何も教えてくれないし、指示もしてくれませんから自分で考えて判断するしかないので、必然的にこの習慣は身に付いています。ところが、勤めている人はなかなかそういうわけには行きません。やはり上からの指示がないと動けないというのは仕方のないことです。長年にわたって仕事で上からの指示を受ける習慣が身に付いていると、何事においても誰かに聞きたくなるのは当然だからです。

でも資産を作るために投資をするのであれば、絶対に自分で考えて判断しないとだめなのです。なぜなら人に聞いて投資をした場合、そしてそれがうまく行かなかった場合は、後悔が残るからです。さらにもっと悪いことは成功しても失敗してもそれに学ぶということができないからです。「何か儲かる銘柄はないですか?」とか「どうやったらお金が貯まりますか?」みたいなことを聞く人は永遠にお金持ちにはなれません。失敗もしながら何でも自分で考えるということが何よりも大切なことなのです。

よく金融資産を1億円以上こしらえた人を「億り人」と言いますが、私の実体験では会社に勤めながら億り人になった人はたくさんいます。それどころか10億円以上金融資産を作ったという人も何人も知っています。そういう人達に共通するのはいずれもこれらの3つの行動習慣や性格を持っているということです。特に②と③は持って生まれた性格もあるでしょうし、それなりの経験をしないと身に付かないという面もありますが、会社に勤める人であれば①の天引き貯蓄だけは誰でもすぐに実行が可能です。まずは自分にできる身近なことから始めてみるということも必要なのではないでしょうか。

大江 英樹(おおえ・ひでき)
経済コラムニスト
オフィス・リベルタス代表 大手証券勤務を経て2012年独立。行動経済学、シニア層向けライフプラン等をテーマに執筆・講演活動。著書に『「定年後」の“お金の不安”をなくす 貯金がなくても安心老後をすごす方法』ほか。

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