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人工と自然の融合…これぞお台場。大注目の白いコーヒースタンド「ARTBAY CAFE」

  • 2020.12.19
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窮屈な生活が続く今だからこそ、自然を感じたり、刺激をくれるものに触れたりする時間は大切にしたい。だからといって、わざわざ山や美術館に出かける必要はない。カフェ不毛の地といわれるお台場に、ショッピングや散歩の合間のコーヒーブレイクで、そんな感性を刺激してくれる「ARTBAY CAFE」が登場した。ただのおしゃれなカフェと侮るなかれ、お台場ならではの唯一無二の存在感を放つカフェだ。

年間5,500万人以上の人が訪れる、海の上の“巨大人工島”臨海副都心。商業施設やエンタメ施設が集まるお台場には、週末ともなれば都内だけでなく関東各地からやって来る若者や家族連れで賑わう。しかし考えてみれば、お台場でカフェというとどうもイメージが薄く、実際にゆっくりと休憩できるスポットを探すのに困る人も多いだろう。

そんな街をアートで彩り、さまざまな人と人、場所と場所、そして、人と場所をつなごうというプロジェクト「ARTBAY TOKYO(アートベイ・トーキョー)」が2020年8月に始動した。プロジェクトの一貫として、東京テレポート駅とヴィーナスフォートを結ぶ夢の広場にオープンしたのが「ARTBAY CAFE」だ。コンセプトは「アート&コーヒー」。一面を芝生が覆い、空までがまっすぐ一続きに見えるほど開放的な広場に建つ純白のパビリオン「ARTBAY HOUSE」の一角を、カフェが担っている。

数々の受賞歴を持つ名建築家・萬代基介(まんだい もとすけ)氏が「“自然”を纏う建築」を掲げて手がけたこのARTBAY HOUSEは、このパビリオン建築自体がまさにアート作品のひとつ。緑の大地と青空の中に、真っ白な四角いハコ”が見事なまでに調和し、不思議と空がより広く見えてくる。

異なる8つのテーマの区画からなるARTBAY HOUSEの一区画をARTBAY CAFEとしてプロデュースしたのは、代官山などで人気カフェを手がける「私立珈琲小学校」だ。ここでしか味わえないオリジナルブレンドを使ったエスプレッソドリンクや限定のシーズナルドリンクをラインナップし、広場でのピクニックやショッピングの合間にカフェに立ち寄る人々をアート空間にいざなう。

アート空間となるスペースは、カフェのイートインコーナーとして利用できる。気持ちいい天高の空間でほっと一息つけるのも嬉しいが、ARTBAY CAFEならではの楽しみ方は何といっても「アーティストとのコラボレーションメニュー」だ。

たとえば、音楽活動やライブパフォーマンスなども行う人気芸術ユニット「明和電機」の展示の際には、ユニットのメインキャラクターをモチーフにしたコラボレーションドリンクを販売。カップの中にキャラクターを象ったピューレアイスが浮かぶ様子もまた小さなアートとなり、目で見ても舌で味わっても楽しい。真っ白い部屋をキャンパスにして、個性豊かなドリンクと共に写真を撮れば、それもまたアートな作品に。たとえ本格的なアートに詳しくなくても、ARTBAY CAFEを通して自然とアーティストと出逢ったり、作品に触れたりすることができるのだ。

アートとは、人工物を鑑賞するだけでなく、体感で楽しむのも醍醐味なのだろう。ここにあるのはいわば8つの真っ白な区画。それぞれの区画にはお台場で自生した植物が植えられていたり、区画ごとに植物の種類や育ち方、風の通り方、光の差し込み方、影の味わいが異なったりして、真っ白だからこそ、自然が生み出すそれらの違いをより鮮明に感じることができる。

歩く度に足底に伝わるのは、湿度や気温を調整するために敷かれた砂利のジャリッとした感触。コンクリートで補正された道を歩くのが当たり前の現代人には、それも新鮮に感じる。

確かにARTBAY HOUSEは、もともと森や山を持たない人工島に人がつくり上げたアートだ。しかしその作品の力で自然の気持ち良さを感じることができる。これぞお台場らしい、アートとカフェの楽しみ方と言えるだろう。

わざわざ特別な個展に出かけなくとも、人とアートをコーヒーという日常でつなぎ、さらにはそれが人と人、人と自然をつないでいくARTBAY CAFE。自然を纏ったこの真っ白のキャンバスのようなカフェの中には、いつも新しい出逢いや発見が待っている。

取材・文 : RIN

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