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のんさん「幸せは多様化してる。脳内に相談役をつくっておひとりさまをエンジョイするのもいい」

  • 2020.12.19
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どんな選択も、自分が幸せならいい

――のんさんは27歳になられました。30歳前後の女性は、結婚や出産などライフステージの変化も多いと思います。

のんさん(以下、のん) :世の中の幸せって、多様化していると感じます。「おひとりさま」も、一つの生き方として普通になってきている気がするんです。日々を楽しくできるのなら、自分の脳内に相談相手をつくってみるのも、いいですよね。もちろん、パートナーがいることも、また違った幸せがある。だから、「おひとりさま」をエンジョイすることも、思い切って恋に踏み込むことも、あり。どんな選択でも自分が幸せなら、それでいいのだと、私は思いますね。

朝日新聞telling,(テリング)

――映画の中には、結婚してイタリアで暮らす親友・皐月をうらやましく思っているようなシーンがありました。のんさんは、他人と自分を比較して「うらやましい」と感じることはありますか?

のん :あります、あります。友達に大事な人ができて嫉妬心が生まれる、というのも、すごくある。
最近、同志だと思っている2歳下のモデルの友達に、子どもができたんです。久しぶりに会ったときに子どもの写真を見せてもらったら、その子にめちゃくちゃ似てて。「こんなに自分に似ているかわいい子が産まれたら、子どもが一番になっちゃうよな」と思って、正直、子どもに嫉妬しちゃいましたね。私の大好きな友達に一番にかわいがられて、うらやましいなって(笑)。

朝日新聞telling,(テリング)

役者のお仕事は、人間の“だめなところ”を生かせる

――「のん」として活動を始めて4年。ご自身にとって、今作はどのような作品になったと思いますか?

のん :主役なので、がっつり演技させてもらって、のんの力を出し切りました。いまののんを、たくさんの方に目撃してほしい。素敵な作品になったと思います。

――みつ子役のオファーがあったときは、どんな気持ちでしたか?

のん :こういう役でお話を頂けたことが、とっても嬉しかったです。みつ子って、ちょっと面白くて、でも自分の中で拭えない痛みを抱えてて。すったもんだしながらデートを乗り越えたり、どんよりした感情に包まれたり…考えすぎて行き詰まってしまう時もあるけど、すごく健康的だなって思います。その姿をチャーミングに見せていて、すべてが愛おしく思える作品。そういうところが、グッときました。

――最近は、声の仕事や歌など、幅広く活躍されています。そんな中、演じることとは?

のん :人間の“だめなところ”を生かせたり、愛おしく感じたりすることは、役者のお仕事ならではだと思うんです。だから、演じることが本当に好き。セリフも登場シーンもたくさんあって、主役としてずっと演技をしていられる作品は、私にとって特別なもの。理想が結構高いので、落ち込むときもあるけれど、手応えがあると「こんなにうれしいことはない!」って思えて。演技をしていられるのは、すごく幸せです。

朝日新聞telling,(テリング)

●のんさんのプロフィール
1993年生まれ。兵庫県出身。肩書は「創作あーちすと」。アニメ映画「この世界の片隅に」で主人公・すず役で声の出演。2017年には音楽レーベル「KAIWA (RE) CORD」を発足。歌手、芸術家など女優業以外の活動にも力を入れている。

■奥 令のプロフィール
1989年、東京生まれ。不登校から高卒認定をとって大学に行き、新聞の記者・編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部に来ました。仕事や女性としての生き方を巡り悩み多きミレニアル世代ど真ん中です。趣味はランニング、街歩き、飲み歩き。

■齋藤大輔のプロフィール
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。

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