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連続殺人犯「ゾディアック」が残した暗号が51年を経て解読される

  • 2020.12.16
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1960年代から1970年代にかけて全米を震撼させた「ゾディアック」と名乗る連続殺人犯から送られた暗号文が、51年の時を経て初めて解読された。(フロントロウ編集部)

「ゾディアック事件」とは

2007年にデヴィッド・フィンチャー監督がジェイク・ギレンホールやロバート・ダウニー・Jr.、マーク・ラファロらを迎えて『ゾディアック』として映画化したことでも知られる、自らを“ゾディアック”と自称する人物による連続殺人事件。

映画『ゾディアック』の予告編。

“ゾディアック・キラー”と呼ばれる、現在でもその正体が掴めないままとなっているこの連続殺人犯は、1968年から69年にかけて少なくとも5人を殺害したことが確認されている。一方で、ゾディアック本人は1960年代から70年代にかけて、アメリカで37人を殺害したと主張。また、ゾディアックは、自らの犯行を自供する文章や暗号文をマスコミなどに送付していたことで知られ、1974年まで文章を送っていたとされている。

中でも、特に有名なのが、ゾディアックが1969年に米San Francisco Chronicleに送付した暗号文で、340の記号で構成されることから「340 cipher(直訳すると“340暗号”)」と名付けられたこの暗号文は、これまで多くの人物がその解読に挑戦してきたものの、解読できないままとなっていた。

画像: 「ゾディアック事件」とは

「340 cipher」がついに解読される

そんななか、ゾディアックが米San Francisco Chronicleに送付してから51年の時を経て、ついに「340 cipher」が解読されたという。解読したのは、米ヴァージニア州でソフトウェアを開発しているデヴィッド・オランチャク氏と、ベルギー出身のプログラマーであるヤール・ファン・アイク氏、オーストラリア出身の数学者であるサム・ブレイク氏の3人。

3人によれば、解読した結果、暗号文には次のように記されていたという。

「私を捕まえようと楽しんでくれていることを願う。
テレビ番組(※)に出て、私について話しているのは私ではない。
私をすぐに天国へ送ってくれるので、私はガス室など恐れていない。
私には、私のための十分な奴隷がいる。他の人たちには天国に行っても(奴隷は)いないので、彼らは死を恐れている。
死んで天国に行けば新しい安らかな生活を送れることを知っているので、私は恐れていない」※ゾディアックを自称し、米番組『The Jim Dunbar Show』に出演した人物を指している。この暗号文は、番組が放送された2週間後に送付された。

オランチャク氏は解読した方法を解説した動画をYouTubeで公開している。

FBIは、暗号が解読されたことを確認していると公表し、現在もサンフランシスコ支部や地元警察と共に捜査を進めていると発表。その上で、「現在は捜査を進めている段階であり、犠牲者やそのご家族への配慮から、現時点ではこれ以上のコメントは致しません」と声明で述べている。

ゾディアックはその奇怪さから、多くの映像作品で犯人のモデルとなってきたほか、2017年には『あなたは解けるか? 伝説の殺人鬼の暗号』と題された、彼の暗号に迫ったドキュメンタリーも公開されている。(フロントロウ編集部)

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