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名倉潤、星田英利、板尾創路が流石の貫禄 『おちょやん』第2週を盛り上げた芸人役者たち

  • 2020.12.15
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『おちょやん』写真提供=NHK

NHK連続テレビ小説『おちょやん』の第2週「道頓堀、ええとこや~」では、千代(毎田暖々)が女中修業を始める展開が描かれた。貧しい家に生まれ、5歳のときに母を亡くし、弟の世話と家事に追われ、9歳で親に捨てられるように奉公に出された千代。芝居茶屋「岡安」での新しい生活には、女優の道をめざすきっかけとなる様々な出会いを体験があった。

とくに印象的だったのが、人気喜劇一座の座長・初代天海天海(茂山宗彦)の急死と天海の息子、一平(中須翔真)との深い縁を感じさせる千代とのやりとり。父親が酒好き、女好きで家族を振り回すという共通の悩みを持つ一平と千代だが、天海は千代に「この先も(一平のことを)頼むで」と伝え、自分のせいで息子に寂しい思いをさせていることを気にかけていた。

一平と千代は、家庭の事情で学校に行くことも友達と遊ぶこともできなかったが、一平の父のような子供を思う愛情を千代は感じたことがなかった。そんな千代の近くで“愛”に溢れた人物なのが、「岡安」の主人・岡田宗助(名倉潤)だ。宗助は妻のシズ(篠原涼子)にひと目ぼれして婿養子になったこともあり、妻と娘への愛情にあふれている。

「『べっぴんさん』で演じた正蔵さんより、今回の宗助さんのほうが自分と似ているかもしれません」(参考:名倉潤、『おちょやん』宗助は自分自身に近い? 『べっぴんさん』正蔵との違いを語る)と名倉自身もコメントしているように、愛妻家としても有名な名倉と宗助の姿には重なるものがある。家族と離れ、家族のせいで苦労が絶えない千代にとって、宗助の温かい人柄に救われることもあるのだろう。名倉の登場シーンはまだ多くはないが、何気なく煙草を吸うシーンひとつとっても、彼のキャスティングが間違いなかったことが伝わってくる。成長した千代を演じる杉咲花との掛け合いも今後楽しみだ。

ちなみに天海役の茂山宗彦は『ちりとてちん』で落語家徒然亭小草若を演じ、本作では黒衣として語りを担当する落語家の桂吉弥も『ちりとてちん』では徒然亭草原役を好演していた。『まんぷく』『わろてんか』の出演者も本作に多く登場予定となっており、大阪朝ドラ常連の出演者たちの活躍も楽しみのひとつとなりそうだ。

そして、注目したいのは『カーネーション』では“ほっしゃん。”として北村達雄を演じた星田秀利が、本作では初代天海天海と共に一座を率いる須賀迺家千之助役で登場。一平に対しても厳しく、クセが強く、波乱を巻き起こしそうな気配を漂わせている。天海の葬儀で上方演劇界の役者が勢揃いした場面でも須賀迺家千之助は一人何を考えていたのか、異質な存在でこれから千代や一平とどう関わっていくのかが気になるところ。

天海の葬儀といえば、板尾創路演じる須賀迺家万太郎も強烈な印象を残した。「人の世は笑えん喜劇と笑える悲劇のよじれあい」という名台詞とともに爆笑で故人を見送る。期待を裏切らない演出と狂気さえ感じる喜劇の世界の奥深さ。本気なのか、冗談なのか、どちらにも取れる佇まいで一瞬で“只者ではない”存在感を板尾は放った。絶対的な喜劇王として君臨する須賀迺家万太郎からも目が離せない。(池沢奈々見)

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