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気づけば貯金はゼロ…新婚カップルの家計が軌道に乗るまでの失敗談

  • 2020.12.10
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新婚当初は人生の中でも幸せな時期ですが、お金に関する失敗をしやすい時期でもあります。「子供が生まれるまでは、お金の貯めどき」とも言われていますが、そう簡単にはいかないのかもしれませんね。

今回は、新婚カップルが経験したお金にまつわるエピソードを3つご紹介します。彼女たちの失敗談を通して、家計の組み立て方について考えていきましょう。

Episode1.妥協したくない!結婚式に全力投球した新婚夫婦

最初にご紹介するのは、結婚式に全力投球しすぎて、その後の新生活で困窮してしまったカップルのエピソードです。

▽Oさん夫婦
夫:24歳(会社員)
妻:23歳(派遣社員)
貯金額:2人合わせて150万円
月収:2人合わせて30万円(手取り)

小さな頃から結婚式には並々ならぬ夢を描いていたという妻のために、結婚式は盛大に行うことにしたOさん夫婦。やりたいことを全部詰め込むと、打ち合わせの時点で見積額は600万円超にふくれあがりました。貯金やご祝儀、親からの支援金だけでは支払えないため、ネットで見かけた「ブライダルローン」で、不足予定の200万円を借り入れることにしたのでした。

ブライダルローンとは

結婚式や披露宴などの費用を支払うことを目的としたローン。結婚のための借り入れであることを証明するため、結婚式場の見積もり書などが必要となる。使途が結婚資金に限られている反面、金利が低くなりやすいメリットもある。

無事ローンの審査を通過し、晴れて結婚式を挙げられた2人でしたが、結婚式後の生活では、かなり困った状況に陥ってしまいました。手持ちの貯金は底をついたのにブライダルローンの返済は月々3万円を超え、家計は毎月火の車。親には結婚資金を援助してもらったので、その後の生活費の支援まではお願いできず、厳しい節約生活を強いられることになったのでした。

何とか現金を作らなくてはいけない状況に、オーダーで作ったウェディングドレスも泣く泣く売りに出すことになってしまったOさん。普通車だった自家用車も軽自動車に乗り換えたり、休日はどちらかの実家で食事を食べさせてもらったりしながら、何とか食いつなぎローンを完済しました。現在は、毎月の手取りだけで、ある程度余裕のある生活ができるようになったそうです。

結婚式は一生に一度のイベントとは言え、その後の生活ができないようでは本末転倒。貯金が少ないのであれば、ご祝儀と親からの援助金で支払える範囲で結婚式を行うといいでしょう。新生活のスタート時点でローンの返済に追われると、マイホームや子供を持つといった将来的な計画まで狂いかねません。身の丈にあった予算立てが不可欠です。

Episode2.ダブルインカムなのに…貯金が増えない共働き夫婦

続いては、ダブルインカム(収入源が2つある)なのに、貯金がなかなか増えない共働き夫婦のエピソードです。

▽Cさん夫婦
夫:28歳(会社員)
妻:27歳(会社員)
貯金額:2人合わせて200万円
月収:2人合わせて60万円(手取り)

結婚した当初、「お互い仕事を頑張っていることだし、子供ができるまでは2人の生活を思い切り楽しもう」と決めたCさん夫婦。その言葉の通り、忙しくも楽しい生活を送っていました。

そして結婚3年目となり、そろそろマイホームを買おうかという流れになったのですが、住宅展示場の一角でやっていた「ファイナンシャルプランナー無料相談会」に立ち寄ったことで、事態は急変したのです。

「2人の年収に対して、貯金額があまりにも少ない。何か心当たりはないか?」というファイナンシャルプランナーの言葉に、青ざめるCさん夫婦。恐る恐る家計を振り返ってみると、浪費ポイントが次々と見つかりました。

Cさん夫婦の浪費ポイント

・お金の流れが見えていない
家賃や光熱費は夫の口座から引き落とされていたものの、基本的にお互いの収入やお金の使い方については干渉しないというルールだったCさん夫婦。世帯収入や月々の出費も具体的な金額は不明なままでした。

・土日はいつも外出
週末の休みのたびに外食や買い物、ちょっとした旅行などで忙しく、家にいることはほぼなかったそうです。もちろん、楽しむことには躊躇なくお金を使っていたそう。

・多すぎるネットショッピング
ストレス発散を理由に、平日深夜のネットショッピングも欠かせませんでした。各自のクレジットカードで決済していたので、毎月の請求額はお互いわからないままだったそうです。

危機感を覚えたCさん夫婦は、仕事が忙しくても今すぐできる節約方法を調べ、以下のことを実践しました。

・夫婦共同の銀行口座を作り月々の生活費の引き落としを統一し見える化
・会社の財形貯蓄を使用し、積み立てを開始
・外食を控え、ふるさと納税の返礼品(食料品)で外食気分を味わう
・必需品以外のネットショッピングは、月々1万円までに制限

この方法で、マイホームの頭金も着実に貯められているというCさん夫婦。「仕事を言い訳に浪費しすぎました。このペースでしっかりとお金を貯めて、子供の教育費にも見通しをつけたいです」と語ってくれました。

Episode3.固定費って何?初めて実家を出て生活する新婚夫婦

最後は、結婚を機に初めて実家を出て生活することになったSさん夫婦のエピソードです。

▽Sさん夫婦
夫:27歳(会社員)
妻:25歳(会社員)
貯金額:2人合わせて300万円
月収:2人合わせて45万円(手取り)

お互い社会人になっても実家から通える距離に会社があったため、これまで1度も一人暮らしをしたことがなかったSさん夫婦。結婚を機に初めて親元を離れて生活することになりました。約13万円の賃貸物件を契約し、晴れて新婚生活が始まりました。

結婚して半年が経過し冬を迎えた頃、銀行口座の残高を見て驚愕したのだとか。先月まで4,000円程度だった水道代が、一気に8,000円近くまで上がっていたのです。ガス代も同様に4,000円程度から倍増。電気代も9,000円程度から1.5万円となり、夏の光熱費よりもざっと合計で約1.4万円も高くなっていました。

最初は理由がわからなかったSさん夫妻ですが、すぐに理解しました。光熱費は夏よりも冬の方が高くなりやすいことを、身を持って実感したのです。

・水道代
夏はシャワーのみの入浴だったが、冬になって浴槽にお湯を溜めるようになった

・ガス代
冬になって浴槽にお湯を溜めるようになり、洗い物のときもお湯を使用

・電気代
暖房(エアコン)、ホットカーペット、洗濯が乾かないので乾燥機を使う頻度が増えた

月々の家賃13万円と食費約4万円、さらに冬場は光熱費が3万円オーバー。固定費だけで20万円もかかってしまい、思うように貯金ができない事態になりました。ここで固定費を見直すことにしたSさん夫婦は、次のことを実行しました。

・外食を減らして、食費を月々5,000円節約
・携帯電話を格安のキャリアに変更。2人で月々5,000円節約
・不要な保険、クレジットカードを解約。年間1.5万円節約
・毎月13万円の家賃が負担だったため、次の契約を更新せず引っ越し

「家賃は手取りの30%程度が目安」と一般的に言われますが、Sさん夫婦のように現実的には大きな負担になってしまい、数年で引っ越さなければならない事態にもなりかねません。新生活を始めるときは、月々余裕を持って払える固定費を組み立てておきましょう。まずは、月々どんな項目にいくら支払っているのか、把握するところから始めるといいですよ。

貯まらないのには理由がある!収支のバランスを取ろう

共働き夫婦が多い現代では、結婚すると収入源が2つになるので、手持ちのお金が増えたように錯覚してしまうこともあります。しかし、生活の送り方次第では、収入よりも支出が上回ってしまいかねません。

大切なのは、自分達の収入に見当たった生活を送ること。つい夢見がちな新婚生活ですが、家計は現実的な数字をしっかり把握しておきたいですね。

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