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鏡リュウジ×ジェーン・スー対談~占いもクールジャパンのコンテンツ!当たってないと感じた時こそ要注意[後編]【恋占ニュース】

  • 2015.5.29
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心理占星術研究家の鏡リュウジさんと大ブレイク中の作詞家、コラムニストのジェーン・スーさんの対談第二弾。

前編では、片や占いの世界で、片やラジオ番組のパーソナリティとして、それぞれに女性の悩みにふれてきたおふたりが、相談者の心理、悩みを聞く側のスタンスなどをお話しました。

歴史における占いの役割や、ジェーンさんご自身が占いを受けに行った際のエピソードなんかも…。

―女性の悩みは今も昔も同じ?どうして女性は占いに頼るのか[前編]―

今回は、これまで占いに対してなんとなくもやっとしたものを抱いていたジェーンさんが、占いにまつわる「そこんとこどうなの?」を専門家である鏡さんに率直にぶつけます。

普段なかなか耳にすることのできない「占う側の本音」も飛び出します!

≪楽して得したい人は運が悪くなる!?≫

ジェーン:誰にでも切羽詰まるタイミングというのがあって、人はそういう時に占いの力を借りたくなるんだと思います。でも、傾倒し過ぎると危険ですよね。

じゃあどうやって占いと向き合っていけばいいのか?…というのは、長年の疑問でした。

鏡:上手に使い分けてほしいですね。まず、占いをエンターテイメントとして楽しんでほしい。あとは、かかりつけのお医者さんみたいな人(占い師)を持つといいと思います。相性のいい占い師を見つけられると一番いいんじゃないかな。

ジェーン:なるほどー。

個人的には“スピリチュアル”って言葉が要注意だなと思ってるんです。“スピリチュアル”というマーケティングワードを考えた人は本当に天才。

その言葉ひとつでお財布のヒモを簡単にゆるくしてしまいますよね。

言い方は悪いですが、その手のものにハマっちゃう人って、判断力が弱って心が疲れているか、もしくは「楽して得をしよう」という気持ちがどこかにあるように思えるんですよね。ゲスい欲を持って対峙すると、そのゲスさが乱反射するんだろうな。

鏡:欲をかくと運は悪くなりますね。どんな世界にものめり込んで実際に成功する人はいます。「自分はこうなる」と夢に向かって邁進してトップに登りつめる超一流のアスリートのように。

でも、それができるのはごく一握りの人です。また、登りつめたからといって幸せかどうかはわかりません。だから振れ幅を残しておいたほうがいい。

僕の場合は、占いを“自分を知るためのきっかけ”にしてほしいと思っているので、「絶対にこうなる」とは言わないようにしています。わざわざ「心理占星術研究家」と頭に「心理」をつけて名乗っているのもそのためです。

――でも、袋小路に入っている人はズバッと言ってほしいのでは?

鏡:そうかもしれません。ただ、言い切るのはちょっと…。

これは占う側の度量に関わる問題なんですが、悩みを聞いていると、つい「こうしたほうがいい、この時期にあなたはこうなりますよ」って言いたくなっちゃうんですよ(笑)。

しかし、占いにはやはり不思議なところがあってやはりピンポイントで当たることがあります。

それに占い師が酔って全能感を持つとまずい。また当然、心理学で言う予言の自己成就という面もある。

占う側が占いの力に誘惑されないことが大切ですが、これはかなりの難行ですよ。

ジェーン:その話、ものすごく面白い! 占う側の心理なんて普通聞けないですよ。第一、占う側も人間であるってことを多々忘れるんですよ、私たちは。

鏡:みなさん人間ですよ(笑)。ただ、そういうことは本当に起こり得るので、占う側は細心の注意を払う必要があるんです。

≪日本の占いはトップレベルのクールなコンテンツ≫

鏡:日本の占いは、世界レベルで見ても極めて高度になってきています。多様化し、選べる楽しさもあります。「今日の運勢」ランキングを見て、1位だ2位だと喜んでいるだけじゃもったいないですよ。

占いは、いずれクールジャパンのコンテンツになるんじゃないかな。マンガと同じように。マンガは以前は低俗だと思われていたけど、今では日本独自の文化として高く評価されていますよね。

占いも、大人が真剣に楽しめるジャンルに育ちつつあると思います。芸術や文化の領域でも、占いを知らないとわからないことが実はたくさんあるんですよ。

何しろ国技である相撲で使う「はっけよい」は、「当たるも八卦」のはっけですしね。

絵画の世界も、ルネサンスはもちろんコンテンポラリーまで、占星術と密接に関わっています。

それから東証一部上場の記念の楯。あれは商売の神様である、マーキュリーの像なんです。それとセーラーマーキュリー(「セーラームーン」のキャラクター、水星を守護神に持つ)のルーツが一緒なんて面白いでしょ?

そういえば、イギリスのある学者が、マジックとエンチャントメントの概念の峻別(※はっきり区別すること)を提言しています。

マジックは科学技術であり、現実世界を操作しようとするもの。一方のエンチャントメントは、もう一つの世界から現実世界を豊かにして楽しむ、味わうという姿勢。両者を区別し使い分けろと。

異世界を想定するという構図は、彼がトールキンの『指輪物語』の世界から着想を得たものです。現実世界を操作することなく享受して味わうなんて、神秘的でしょう。

占星術は、エンチャントメントに向かうといいと思いますね。

ジェーン:知識と教養と歴史、そしてエンターテイメントの世界ですよね、占いって。安易に信じたり、逆に安易に否定するものでもないんだな、という感じがします。

≪占いが「全然当たってない」と感じた時は注意!≫

――同じ占い結果でも、聞く人や、その時の心身の状態によって受け止め方が変わりますよね?

鏡:ええ。だからこそ、占いではあえて曖昧な表現を用いることがあります。雑誌など、読む方の詳細情報が得られないの場合は、「当たってる」と思ってもらえるように、ある程度、共感を得やすい言葉を選んでいるんです。

ですから「全然当たってない!」と思うとしたらむしろ要注意。共感できるように書かれているのに、「絶対違う」と拒否感が出るなら、それは自分が何かを否認している時なんです。

信じることに強烈な抵抗を感じる人は、「どうしてこんなに拒否感があるんだろう?」と考えてみるといいかもしれません。すさまじい自我のコントロールを、絶えず続けている人に見られる傾向です。

自分の信念だけで突き進んで、ある時突然ポキッといってしまうタイプ。男性で占いにハマるのはそういう人なんです。

ジェーン:確かに、占いに限らず極端な反応が出ている時って必ず何かありますよね。

最初の話に戻りますが、女性が占い好きなのは、「当たってる」って言いたいからではないでしょうか?

誰かに言い当てられたいという願望。問題は、「当たってる」をどのレベルで受け止めるかですね。「当たってる」と喜びたいだけだってことを、自分で理解できているかどうかで状況が変わってきますから。

人生において、自分でコントロールできることって、実はほんのちょっとしかないと思うんです。欲張って手を伸ばそうとすると立ち行かなくなる。

不確実で曖昧な状況に自分がどれだけ耐えられるか、楽しめるかが、生き方に大きく影響するのかなと。

鏡:人の心ってとても曖昧じゃないですか。そういう曖昧なものに対して親和性が高いのは、厳密にプログラム化された方法論よりも、占いのようなある種、遊びのある存在なんでしょうね。

ジェーン:ここからの話がもっと面白いはず! まだまだお聞きしたいですが…。ずっと疑問に感じていたことがいろいろ解決しました。ありがとうございます。

鏡:こちらこそありがとうございました。占いをもっと楽しんでくださいね。

占いの結果をどう受け止めるかは、結局、自分次第なんですね。

悩みや疑問を抱え、「占いの力を借りたい」と思った時には、ぜひ、今回の対談を通してわかった「上手な付き合い方」を参考にしてみましょう。

心をフラットにし、ほど良い距離感を保つことを忘れなければ、占いはきっといつでも、優しくあなたの背中を押してくれますよ!

(文=石橋真理)

鏡リュウジ

1968年、京都生まれ。国際基督教大学大学院修了。占星術研究家・翻訳家。

京都文教大学客員教授。平安女学院大学客員教授。

日本トランスパーソナル学会理事。英国占星術協会会員。

著書に『鏡リュウジ 星のワークブック』(講談社)、『オルフェウスの卵』(文春文庫)、共著 角田光代『12星座の恋物語』(新潮文庫)、訳書にヒルマン『魂のコード』(河出書房新社)、サバス『魔法の杖』(ヴィレッジブックス)ほか多数。

鏡リュウジのルノルマン・オラクルカード

ジェーン・スー

東京生まれ東京育ち、生粋の日本人。

作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。

音楽クリエイター集団agehaspringsでの活動に加え、TBSラジオ「ジェーン・スー 相談は踊る」を始めとしたラジオ番組でパーソナリティーやコメンテーターを務める。

著書に 『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)がある。

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