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ユニバーサルデザイン、インクルーシブ教育、世界を良くする考え方って?【国際障がい者デー】

  • 2020.12.3
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障がいを持つ人も楽しめる社会のために知っておきたい考え方って?(フロントロウ編集部)

12月3日は国際障がい者デー

世界のどれだけの人が障がいを持っているか、考えたことはある? 世界保健機関(WHO)と世界銀行が2011年に発表したところによると、世界人口の約15%に当たる10億もの人々が、何らかの障がいを抱えている。しかし障がいを持つ人は、持たない人に比べて教育、そして雇用や収入の面で問題に直面することが多いと指摘されている。

また、2020年は世界を新型コロナウイルスのパンデミックが襲った。障がいを持たない人であっても生活が激変し、困難も起こる時、障がいを持つ人々はさらに大きな影響を受ける可能性は高い。そのような危機を小さくするためにも、常日頃からの行動が重要。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、障がいを持つ人々の権利を認識、擁護しなければならないとコメントした。

様々な人が楽しく過ごせる社会のための考え方

これまで多くの人が何十年と行動を起こしてきた。そこで今年の国際障がい者デーは、そのなかで生まれた考え方や言葉を今一度おさらいして、理解を深めたい。

ユニバーサルデザイン

デザインや建築が好きな人なら、ここ数年でよく聞くユニバーサルデザイン。

高齢者や障がい者が生活するなかで、バリアとなるものを取り除くという考えの「バリアフリー」という言葉も聞いたことがある人は多いと思うけれど、バリアフリーでは、例えば車いす昇降機の使用によって障がいを目立たせるといった状況を引き起こしたり、別の道をいかなくてはいけなかったりといった問題もある。

そこで、建築家/プロダクトデザイナーのロナルド・メイス氏が生み出した言葉が、「ユニバーサルデザイン」。ユニバーサルデザインは最初からバリアを生まないデザインであり、年齢や能力の違いに関係なく全ての人が可能な限り最大限に使いやすい製品や環境のデザインを指す。ユニバーサルデザインの物や場所は、障がいを持つ人も持たない人も、同じ使い方が出来る。

画像: ユニバーサルデザイン

インクルーシブ教育

歴史的には多くの国で、障がいを持つ子供と障がいを持たない子供が別の場所で教育を受ける分離教育が行なわれてきた。しかし障がいを持つ子供の教育を受ける権利や、生活地域の学校に通えないこと、障がいを持たない子供が障がいを持つ子供と関わる機会がないことなどが問題視され、すべての子供がともに教育を受けられるようにしようと考える「インクルーシブ教育」の考え方が広まった。2006年12月の国連総会で採択された「障害者の権利に関する条約」で示されたもの。

これは、障がいを持つ子供に、障がいを持たない子供と同じようにしろと強いるものではなく、教育システムや学校環境そのものを、生徒の多様性に対応するために変えていこうとするもので、例えば現在の普通学級に特別支援学校/学級の生徒を移すことを促進するようなものではない。

画像: インクルーシブ教育

ノーマライゼーション

ノーマライゼーションとは、「障がいのある人が障がいのない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す」という理念。

ノーマルにする、標準化といった意味のノーマライゼーションだけれど、ここでは、以前は特異なものだと思われていたことが当たり前のことになるという風に捉えることができ、障がいを持つ人がそのままで生活ができるように“周りの人々”や環境が変わるという意味を含む。

自分に障がいがなければ、その困難には気づきづらい。まずは、様々な考え方を知るところから。(フロントロウ編集部)

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