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30歳に対する焦りも。コロナ禍で「あえて結婚しない」29歳女性に起こった心境の変化とは

  • 2020.11.27
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●AK (あえて結婚しない)女子・男子 #07

慶大を卒業後、入社したのは外資系金融機関

都内で広告関連の仕事をしている安田美穂さん(仮名・29歳)。慶應義塾大学を卒業後、新卒で入社したのは外資系金融機関だった。

「実家の近くにある事業所で働いていたのですが、選んだ理由は転勤がないからです。6カ月ほど地方の都市に短期出張することはありましたが、結局、3年間で首都圏以外への転勤は一度もなかったですね」

さらに職場環境もホワイトで、給与も水準より高かったとか。

「すごくいい会社でした。私は個人向け資産運用を扱う部署でしたが、本当に辞める人がいないので、今でも知り合いはたくさんいます。残業もほとんどありませんし、自分の成績(ノルマ)を達成できたら、まとめて2週間程度休めるんです。私はそれを利用して、海外留学をしました」

会社の休暇制度を利用して海外留学していたときの安田さん

年収を下げてもベンチャーの広告会社へ転職

しかし、安田さんはその会社を3年目で退社。理由は就活で第1志望の広告業界に行きたかったからだった。ところが、大手広告代理店だと「中途採用は契約社員からのスタート」で、正社員を募集しているベンチャー2社を受けて、そのなかのひとつに決めることに。

「転職して、正直、年収は下がりました。今は新規クライアントの開拓や、メディアへの営業活動を行っています。ベンチャーなので、社員もノリが若くて楽しいですよ。コロナ前は、残業終わりにみんなでよく飲みに行っていました(笑)」

他にもこの会社に決めた理由はあったが、前職だと“あくまで仕事上だけだった”クライアントとの付き合いにも変化があったからだった。

「出した広告がバズったり、売上に影響があると、クライアントの方々と一緒に喜べて、それがうれしいですね。資産運用は、予測できない部分も多いし、長期の運用なので、すぐには結果が目に見えませんでした」

繁忙期には1日12時間近く働き、終電後にタクシーで帰ることもある。それでも「経験値はめちゃくちゃ貯まっている実感があります」と、安田さんは仕事に前向きだ。

仕事も充実。「Tシャツ3万円でも安いかな」

一方で、恋愛や結婚について考える時間がないのが悩みだとか。仕事も充実しているし、自分ひとりだけなら、それなりにほしいものも買える。「さすがに買いすぎたら節約しますけど。我慢ができない大人になってしまった」と自嘲気味に語る。

「よく買うものは、エナジードリンクとタバコですね。どちらも仕事の必需品というか(笑)。あとは2週に1度、伊勢丹新宿店に行ったり、ファミリーセールがあると好きなブランドのアイテムを10万円くらい買ってしまいます。会社に行きたくなくなったときに、新しい服を着て、テンションを上げているんです。それならTシャツ3万円も安いかな(笑)」

また、自宅も東京の都心部のマンションなので、すぐに友達と遊ぶこともできるそうだ。

「彼氏といるより、女友達と飲み会しているほうが楽しいんです。休みの日は大学の友達とバーベキューして、飲んでカラオケに行くのが鉄板コース。あとはホテルで女子会して、バブリーに過ごしたい(笑)。女性だけのほうが、いろいろな話ができて、楽しいんですよね」

ホテルでゴージャスに女子会

マッチングアプリを10個以上インストール

そんな彼女だが、「あくまでも仕事や話のネタになれば」という思いで、「Tinder」「Omiai」「Pairs」などのマッチングアプリをスマホに10個以上インストールしているという。印象的だった過去の恋愛を聞いてみた。

「今年は『Dine』で知り合った経営者と1月に付き合ってすぐ別れて、翌月には『東カレデート』で慶応出身の経営者と付き合って、3月には別れました(笑)。結婚相手を探しているというよりは、顔がタイプの人と飲んだり、付き合ったりして、飲み会のネタになればという気持ちだけですね」

いずれの男性とも短期間で終わった理由について、「仕事が忙しい時期だったので、恋愛のプライオリティが低いままだったんですよね」と明かす。

安田さんのスマホ。さまざまなマッチングアプリを使いこなしているのがわかる

コロナでAK女子の恋愛観に変化

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、「AK女子」の心理に変化が起こった。約10万円を支払って婚活サイトの会員になったのだ。

「自粛期間中は誰とも会えないし、飲みに行けないので、一人でいる時間がかなり増えました。30歳に対する焦りがあるんでしょうね。そのときに、ちょっとだけ本気で婚活してみてもいいかなって思ったんです。サイトから紹介された婚活エージェントの人とも話をしました。ただ、紹介された人は微妙だったのですが、それでも共通の趣味がある男性とマッチングできて、7月から付き合っています」

告白されたのは、2度目のデートの横浜だったという。

「プロポーズではなく、告白だったので、とりあえず受け入れました。婚活サイトで知り合ったので、おそらく相手は結婚を意識していると思います。でも、正直、私は本当に結婚するかは微妙で……今年のクリスマスを一緒に過ごすかどうかもわからないですね(苦笑)」

今の彼氏と付き合っている理由は「顔がきれいだから」

ではなぜ付き合っているのか?と聞くと、安田さんは「顔がきれいだから」ときっぱり。

「私のタイプとしてはUVERworldのTAKUYA∞か、SixTONESの田中樹、あとはSOPHIAの松岡充が好きな顔。逆に、EXILE系は苦手(笑)。今の彼氏は、表に出る仕事をしているので、顔も割といいんです。あとは、私が慶應卒なので学歴コンプレックスがある人も苦手。でも、その彼にはそういう面倒くささもない。それも助かっています」

共通の趣味があって、顔もタイプで、学歴コンプレックスもない――。それでも結婚に踏み切れない理由は何があるのでしょうか。

「もちろん、いつかは結婚するのかもしれませんが、一度結婚したら、基本的には他の人はもう選べませんよね。だから、後悔したくないというのが一番の理由かもしれません(笑)。そう言って、先延ばしにした挙げ句、妥協して結婚するかもしれませんが、出産年齢を考えても、まだ数年は粘りたい気持ちが勝っています」

結婚に踏み出せない側面。「まだ自分優先で生活したい」

そのためにも、安田さんは周囲の友人や家族に「今は結婚できない理由」を伝えているのだとか。「親とは非常に仲がいいですし、『早く結婚したら』とも言われません」と言います。

一方で、その家庭環境ゆえ、結婚に踏み出せない側面があるとも――。

「一人っ子で自由に育てられてきたので、誰かに合わせて生活できないんです。自分の生活のルーティンを崩されるのが嫌で、深夜でもゆっくりお風呂に入りたいし、土曜は休みたいから金曜の夜に掃除をしたい。あとは深夜12時に帰っても、自分でご飯を作って、翌日のお弁当に詰めています。基本は夜型なので、同棲するなら、それも合わせてほしいですね」

「普通に結婚して生活できている人ってすごいと思います」と語る安田さん。結婚に対する理想やあこがれはあるそうですが、「まだ自分優先で生活したい」。それがあえて今結婚しない一番の理由なのかもしれません。

■詠シルバー祐真のプロフィール
1990年群馬県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業後、扶桑社に入社。雑誌「週刊SPA!」の編集を経て「bizSPA!フレッシュ」編集長に。

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