【北大周辺】お得なケーキセットと居心地の良さが嬉しい喫茶店

「面白い喫茶店見つけちゃった！」 そう言って女友達が私をその「面白い喫茶店」に連れていってくれたのは、もう30年近く前のことになるでしょうか。（私のトシ=年齢が推察されますね・・・）。そして、そのユニークな外観（女友達が言った「面白い」の表現は、建物の外観を指していました）もさることながら、店内の雰囲気といい、手作り感いっぱいの素朴なケーキの美味しさといい、一度で私はその喫茶店、「苺館（いちごかん）」のファンになったのでした。

昭和の頃から佇む独特な入り口の建物

市営地下鉄南北線「北12条」下車、徒歩約5分です。裏手に北海道大学があります。取材日当日は、大学構内の名所、北13条通り両側に約70本が連なるイチョウ並木が、黄葉の見頃を迎えていました。

入り口の上に、大きな苺の模型が取り付けられています。この巨大苺が目をひきます。建物自体は、地味で目立たないので見過ごしてしまいそうなのですが・・・。

苺の模型は長年の間に色あせてしまっているようですが、そこがまた味わいがあります。看板には、「自家製ケーキ」とあります。この「自家製」という言葉と店名の「苺館」の字体が、良い意味で、いかにも「昭和の喫茶店」という印象です。

祝・開店40周年

飲食店が全国的に厳しい状況に追い込まれている昨今、「苺館」が、昭和の時代と変わらない姿で営業しているのを見ると、これも一種の文化遺産では？ と私には思えてきます。 初めて私が苺館に来た時のことを懐かしく思い出し、開店したのは一体何年前なのか、今更ながら知りたくなったので、スタッフの女性に尋ねてみたところ、1980（昭和55）年11月10日とのことでした。偶然にも、開店40周年まであと5日でした。おめでとうございます！

カウンターの中のオーブン（右手前）の上に、焼き立て（？）のケーキがあるのを発見。

民家を改装したという、石蔵風の内装は趣があります。店内には、クラシック音楽と、見るからに年代物の壁かけ時計が現役で時を刻む音が流れています。とても心落ち着く雰囲気です。

自家製ケーキは是非セットで

「本日のケーキ」の、パンプキンパイを紅茶とセットで頂きました。かぼちゃのペースト部分は甘さ控えめで、かぼちゃの美味しさが引き立っていました。紅茶とよく合います。紅茶はポットで提供されるのが有り難いところ。たっぷり楽しめます。しかも、紅茶専門のカフェでないと、ほぼ出てこないようなティーストレーナー（茶漉し）付きです。同じポットティーの提供でも、中身はティーバッグという所が殆どなので、このこだわりも嬉しい。これで650円（税込み）は、かなりお得です。ケーキはテイクアウトもできます。

ティーストレーナーは回転式で、カップの縁に引っ掛けて使用する型です。これも珍しい。

隠れ家にしたい席

いつ来ても、ついつい長居したくなる居心地の良さです。まるで穴蔵のような内装の薄暗く狭い店内（失礼）ですが、この狭さと薄暗さが、程よいプライベート空間を確保できて心地良いのでは？と感じました。 その象徴と言いたい席が、下の写真の席です。とにかく落ち着き、心癒やされます。店内奥の陰にあります。自分だけの隠れ家的な場所にしたくなる席です。

この日は先客がいたので私は座らず。

木目が美しいピアノがあります。このピアノの陰に、その隠れ家的席が。

お薦めメニューは他にも

この日、私はケーキセットを頂きましたが、苺館は食事メニューもお薦めです。ドリンク・サラダ付きで850円（税込み）と、こちらもお得です。私のイチオシは、カレーです。他にも、下の写真のメニューには書いていませんが、「苺館風スパゲティ」という名前の、興味をもたずにはいられないメニューもあります。 スタッフの女性から、「あと10年は営業を続けたい」という頼もしい言葉を聞くことができましたが、私としては、あと10年といわず今後も20年30年と苺館が変わらずここに在り続けて欲しいと願っています。

苺館（いちごかん） 住所 北海道札幌市北区北14条西3丁目1-33 TEL    011-736-9456 営業時間 11:00〜18:00頃 定休日 日曜日 アクセス 札幌市営地下鉄南北線「北12条」下車 徒歩約5分 駐車場 無