1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 「偏見を減らしたい」ホームレスカップルのTikTokが話題

「偏見を減らしたい」ホームレスカップルのTikTokが話題

  • 2020.11.20
  • 866 views

フェニックス・ブラックさんとレイブン・ホワイトさんは、どちらも20代後半のホームレスのカップル。二人はホームレスとしての生活をTikTokやYouTubeにシェアしていることで話題に。そんな二人に、『Insider』が今の暮らしや、想いをインタビュー。

アメリカのマサチューセッツ州で、電子タバコの販売や、電子タバコのフレーバーリキッドの生産を行うビジネスで成功していた二人。しかし、アメリカの食品医薬品局が電子タバコの規定変更をしたことで、ビジネスは倒産。

お互い新しい仕事を始めたものの、そのすぐ後に、ブラックさんは事故によって手を怪我。その手術で、炎症が起きてしまい、2ヶ月間入院することに…。ブラックさんは保険に加入していなかったため、その請求額は莫大な金額だったという。これは1年半前の出来事でその後、定住先がなくなったとブラックさんは説明。

「その時点で、家賃を払うことができなくなって、ホームレスになったんです。ホテルやエアビーアンドビーで生活してたのですが、ついに最低賃金の仕事では何も賄えなくなりました」

二人とも複雑な生い立ちのため、家族に助けを求めることはできなかったという。今はお互い職に就いているけれど、クレジットスコア(アメリカで個人の信用度を数値化したもの)が低いため、家をまた借りられるようになるのは難しいと感じているそう。

そのため、二人は森の中でキャンプをしながら暮らし、クレジットスコアを上げて、いつか家を買えるだけの貯金をすることに専念。実は先日、二人は婚約♡ ホワイトさんは妊娠中なんだとか!

ブラックさんとホワイトさんは、この経験を記録に残そうとSNSをスタートし、現在、YouTubeでは2,700人以上、TikTokでは22万人を超えるフォロワーを獲得。(2020年11月18日時点)

「ホームレスの違った面を見せるために、SNSでの記録を始めました。普通の人と何ら変わらないような人が、ホームレスになることもあると伝えるために」
「毎年冬になると、間違った情報が広がって、ホームレスが非難されています。そんなレッテルやステレオタイプを少しでも減らすことができないかと思ったんです」

アメリカ大統領経済諮問委員会によると、アメリカのホームレスはおよそ50万人以上(2019年9月時点)。薬物とアルコールのカウンセラーとしても働いたことのあったブラックさんは、「薬物やアルコール中毒が原因で、家を失う場合もあるものの、一生懸命働いていても、些細なことの積み重ねによって、ホームレスになってしまう人もいる」と語る。

「副業で稼ぐのは悪くないからね」とも話すブラックさん。SNSでは生活の様子や、自然の中で生き抜くコツなどを紹介。中でも人気なのは、モーニングルーティーン! ブラックさんが朝起きて、ホワイトさんにコーヒーを作るところからスタートするそう♡

SNSでの収入は、元々1~2ドル(約104~208円)だったのが、現在は100~200ドル(約10,400~20,800円)までになり、TikTokが 貧困から脱出するきっかけになるかもしれないと確信。だけどそれよりも、SNSによって希望が見えて、フォロワーとの間に家族のような絆が生まれたことが嬉しいという。

「誰も『ホームレスの人』が言うことなんかに関心を持ってくれると思わなかったんです。人間であることを否定されるようなコメントをもらった経験もあるので。だけど今では、私が成功することを気にかけてくれる人がいます」

そして、それぞれの人生にある壁を乗り越えるための助けや、同じシチュエーションにある人の助けになれればとも話した。

「今の状況でも、自分には価値があると感じられるようになりました。他の人の人生に与えることができるインパクトは大切だと感じています」
「今では社会から忘れられてしまった、のけ者だとは感じません。TikTokによって、今までで1番社会の一員だと感じられています」

二人をきっかけに、社会問題について知る人が増えたり、偏見を抱いたりする人が減るはず。ブラックさんとホワイトさんの今後の生活も応援したい!

元記事で読む
の記事をもっとみる