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RPGから学ぶ!資産運用を始める前に知っておきたいリスクとバランスの話

  • 2020.11.18
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銀行の預金だけでは心もとない今、資産運用を始める人が増えていますが、さらに新型コロナウイルスで株価が下落した影響により、証券口座の開設数が一気に急増しているのだそう!

そこで今回は、投資を始める前に知っておきたい事前知識として、RPG(ロールプレイングゲーム)を例に、リスク許容度と投資銘柄の組み合わせについてお話ししたいと思います。

自分のリスク許容度を知っていないと一文無しになる可能性も…
リスク許容度って何??

「リスク許容度」と聞いてもピンと来ない人も多いでしょう。一般的にリスクと聞くと危険でありなるべく回避するべきものを連想させます。
一方、投資におけるリスクとは、金額の変動幅を指します。「変動幅が大きい=リスクが高い」「変動幅が小さい=リスクが小さい」となるのです。

また自分の資産状況や目指す投資スタイルから、どの程度のリスクなら背負えるかを事前に把握しておかなければなりません。それを「リスク許容度」と呼びます。

投資をRPGに置き換えて考えてみよう

例えばRPG(ロールプレイングゲーム)では、ボスの特徴や強さによって装備やパーティーに入れるキャラクターを変えて戦いますよね。攻撃や守備の割合を変えるほか、場合によっては回復薬や強化アイテムなどを取り入れる人もいるでしょう。

これを資産運用に置き換えると、以下のようになります。

・ボス=目指す運用益
・パーティー=投資銘柄の組み合わせた全体(ポートフォリオ)
・個々のキャラクターやアイテム=個別の投資銘柄

上手にキャラクターやアイテムを組み合わせることで、はじめてボスに挑んでいくことができるのです。

当然パーティーに攻撃だけを集めると、守りが手薄になってしまいボスに攻撃された場合にダメージを食らってすぐに死んでしまいます。反対に、守備ばかりを集めてもボスにダメージを与えられず、一向にバトルが進みません。

投資でこのような無謀な戦いをしてしまうと、一気にパーティーが全滅…。一文無しになってしまうでしょう。(ここでいうボスの攻撃とは、株価の下落を指します。)そうならないためにもこれらを上手に組み合わせて、資産運用における自分の理想のパーティーを作っていく必要があるのです。

私の場合をRPGに置き換えてシミュレーション!

では、私の場合をRPGに当てはめてシミュレーションしてみます。私は急がずマイペース、そして確実に物語を進めたい性格です。しかし安定ばかり求めすぎると飽きてしまうので、ちょっと冒険をしてみたい部分もあります。

攻撃と守備を同じくらいの割合で配置し、確実に勝つために回復薬なども準備したいですね。冒険もしたいので、ちょっとだけ魔法使いのようなキャラクターも組み込んだパーティーだと理想です。

このように自分に合った「ポートフォリオ」を組むことで、ゲーム自体を楽しむこともでき、ボスを倒す目標も叶います。人によってリスク許容度は異なるため、自分に合ったポートフォリオのバランスを見つけてみてくださいね。

次からは、ほかにどんなパーティー例があるか、【攻守バランス型】【守備型】【攻撃型】の大きく3つに分けて見ていきます。あなたはどのタイプに当てはまる??

【攻守バランス型】全世界・多業種分散投資で安定したバトルを

みなさんは資産運用と聞くとどのような商品を思い浮かべますか?投資信託や株式、債券を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。これらの特徴を知って組み合わせることで、自分に合ったポートフォリオが完成します。

RPGのバトルで考えると、なるべくボスの攻撃をかわせるように、もし攻撃を食らったとしても回復していけるようにパーティーを組んでおく必要がありますよね。

投資をしていると、自分ではどうしようもできない下落相場が訪れることがあります。リーマンショックや東日本大震災、コロナショックなどが記憶に新しいのではないでしょうか。このとき限定された銘柄だけを保有していると、ダメージ(下落)をもろに食らってしまいます。例にもれず、私もコロナショックでダメージを食らった一人です。

限定された地域しか保有していないと、災害や政治不安などがあった場合リスクが大きくなりますし、限定された業種だけを保有していると、その業界が不振になったとき一気にHPが減少。瀕死状態になるでしょう。

このような瀕死状態を回避するための対策が、投資する地域や業種をなるべく分散させること。こうすることで、ダメージをなるべく小さく抑えることができるのです。また、ひとつのキャラクターが瀕死に陥っても、ほかのキャラクターでカバーできることもあります。投資先を分散することでリスクも分散できるため、バランス重視の人に向いているでしょう。

投資信託やETF(上場投資信託)の中には、これらのバランスが取れた商品もあります。最初からバランスのいいパーティーをプロが作ってくれているため、手を加えずそのまま連れて冒険に出られるのが特徴。ゲーム(投資)を始めたばかりの人は、まず投資信託やETFを検討するのもいいですね。

現に私も、米国を対象にしたETFや日本を対象にしたETF、J-REIT(不動産投資信託)を保有しています。さらに私の中で魔法使いキャラクターである、個別銘柄も冒険の仲間です。さまざまな組み合わせをしてきたうえで、今の私に合ったポートフォリオが完成しています。

【守備型】下落に強い債券で死なないバトル

ローリスクローリターン、ゆっくりと確実に運用していきたい人は、債券をポートフォリオに組み込むことも少なくありません。株式は企業の株を買ってお金に働いてもらうのに対し、債券は企業や国にお金を貸して返済してもらう有価証券のことです。

債券の魅力は、元本が保証されていること。株式や投資信託は元本が保証されていないため、パーティーに入れておくと死亡する(0円になる)可能性がありますが、その点債券は命(元本)だけは助かるのです。

また、物価が上昇していくインフレ相場では、株式や投資信託の成果が出しやすいですが、反対に、債券は物価が下落していくデフレに強いのが特徴。下落により、ほかの仲間がボスに毒を食らって継続的にダメージを食らっているのに対し、債券だけはパワーアップして立ち向かっている状態です。

株式に比べると大きなリターンは望めませんが、全滅は防げるため、確実に生き残りたい人は債券をパーティーに入れておくと安心できるでしょう。

【攻撃型】がっつり攻めたい人はアクティブファンドや個別株

とにかくガツガツ攻めたい!攻撃は最大の防御!という人もいるかもしれませんね。そんな人は、比較的リスクの高いアクティブファンドや個別株を積極的に取り入れるといいでしょう。

アクティブファンドとは、日経平均やS&P500(米国)のような市場平均と同じ動きをするインデックスファンドを上回る成績を目指す運用方法のこと。ゆるやかな動きをすることが多いインデックスファンドに対し、激しく動くのが特徴です。その分、波に乗れると好成績を残せます。

一方で、ボスの攻撃を小ダメージ、中ダメージなどに分散してバトルしていくバランス型や守備型に対して、攻撃型はボスの一撃が大ダメージになる可能性もあるので注意が必要です。ほかにも信用口座という召喚を使って、さらなる利益を得ようとすることもできます。

信用口座を使うと、実際に手元にはないお金を証券会社から借りて(召喚して)取引ができます。まず口座開設に審査が必要なため、投資初心者の人は信用口座を開けないことも…。もちろん証券会社から借りたお金なので、運用に失敗したらゼロどころかマイナスになってしまうこともあります。

召喚を使いたい際は、自分のリスク許容度とよく相談して行ってくださいね。

資産運用という自分だけのRPGで物語をハッピーエンドに

資産運用や投資と聞くと、急に身構えたり怖くなったりするかもしれません。しかし自分に合ったパーティーを連れていくことで、不安を少しやわらげることができますよ。
また、リスク許容度は資産状況や年齢などに応じて変化していくものなので、定期的に見直しをすることで、そのときの自分に合った冒険へでかけられます。ぜひ一度、投資における自分のリスク許容度やバランスについて考えてみませんか?

文:marunon
監修:ファイナンシャルプランナー歴5年 北野小百合

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