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ハンドブレンダーと「映え」を作り出すペルシヤード【ソムリエがオススメする調理器具 vol.2】

  • 2020.11.16
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皆様こんにちは!ソムリエ佐藤尊紀です。

レストランのアイデアと一工夫を使って「お家ゴハン」をもっと楽しくしたい。いつでも手に入る食材と、ちょっとだけリッチなワイン。食べたあの人の感動も、作る私の喜びも今夜のテーブルが愛情いっぱいの笑顔であふれますように。

道を歩いてるとどこかから良い香りが…「あぁ、パンの焼ける美味しそうな匂いがする…」と思いつつ角を曲がったらパン屋さんがあった。これ買ってしまうパターンですね。夕方の住宅街に優しく漂うカレーの香り。「どこかで今夜はカレーなのだな。」と思いつつ最近ご無沙汰な母親のカレーが食べたくなったり。「なめらかプリン」なんて言葉だけで舌の上をすべり落ちるバニラビーンズたっぷりのカスタードを想像したら居ても立ってもいられなくなってしまう。
皆様そんな経験はありませんか?

「映え」の日常化


今や「映え」という言葉も、もはや当たり前になってきてコロナといえども料理の写真がSNSに上がらなかった日はない時代。高画質で高性能なスマホを誰しもが持っていて「シズル感」や「映え」が日常化されています。

「視覚から美味しそうが伝わる」からこそ見る側も気になって「そこどこ?」だったり「それなに?」につながって宣伝だったり、見栄だったり、記録だったり、色んな要素はあるけれど、視覚効果は誰もが直感的にインパクトを感じるのですね。

「最近なんだか盛り付けすごくない?」は作り出せる!


家庭においても「美味しそうに見せること」いわゆる「映え」って大事なのではと思うわけです。料理が運ばれてきて、一番最初に伝わる情報も「画像」なのではないかと。「最近なんだか盛り付けすごくない?」は作り出せるのです。

その一皿が視覚に入った時、その目は瞬時に美味しそうを捉えていて続けざまに良い香りが鼻へ届き、胃袋が刺激される。と同時に副交感神経は口内に唾液を溢れさせその手はもはやナイフとフォークを握りしめている。手から伝わる食材の硬さやなめらかさに口は待ちきれなさを隠しきれず気付かぬうちに半開きの状態だ。目はずっと料理を追い続けている。

運ばれた一口を堪能する。


ここまでの情報がすべて間違いでないことを確認しつつ歯応えが振動となり音は耳と頭蓋骨を刺激する。咀嚼を繰り返すたびにその味は感動に変わり悶絶により目はつぶられている。喉もその感動を待ちわびていて少しずつ現実に戻った意識が飲み込みたくない葛藤を胃袋へと押し込む。ゆっくりと目を開きながら肺からはため息が漏れ心臓はほんの少し脈をあげる。

「そんなこと、そうそうあるかいな!」なんですけれどね。

ため息が最大のコメント


感覚的な「美味しいの方程式」は、こんな感じかと。瞬間的にこういうことが脳内を駆け巡っているのではと思うのです。言葉はきっとその後我に返った時の意識が言わせているはずで本当に美味しい時には言葉にする必要はない気がします。

レストランではお客様のため息が最大のコメントであり、目をつぶって静かにうなずいているお客様を見ると心から嬉しくなります。レストランとして最高の瞬間。

「旨そうじゃん!」につながる「パセリ」の視覚効果と使い切り方


あれあれ、話がだいぶ脱線しましたが、今日は「パセリ」の話。ちょこっと振りかかっている「パセリ」の視覚効果はほんのりオシャレ感を演出し「旨そうじゃん!」につながると思うのです。できたらお家ゴハンでも振りかけて欲しい。例えばパスタでもステーキでも意外と雰囲気出るんですよね。



でもでも、レシピサイトで「ただただパセリを振ってください」では怒られちゃいますので、実はみんなが感じている「パセリって残っちゃうのよねぇ」にお答えして「パセリの下処理」「パセリを使い切るレシピ」をご紹介したいと思います。まずは下処理から。
■シャキシャキ感が違う!レストラン式「パセリの下処理」
ポイントは「洗う」「戻す」です。葉物のお野菜は一応洗浄して出荷されますが、ひだの間などに意外とホコリが付いています。時には虫がついていることも。ですから当たり前ですが洗い直します

と同時に収穫されてから時間も経っており、水分が抜けてしんなりしています。サラダ用の生食お野菜もですが、炒め物に使うホウレン草や小松菜、モヤシなどもしばらく冷水に漬けてあげるとシャキシャキ感が全然違います。

お家にあるボールでも構いませんし、前回ご紹介した「ご機嫌タッパー」の深型大を使うと調理スペースもすっきりと使えますので、改めてオススメです。

レストランでは右のようなステンレスの「角ポット」なるものを使います。



私も以前自宅用に購入しましたが、今ではこの「IKEAのタッパー」が重宝しています。



何しろ保存にも下処理にも確約して、重ねて収納できますから。茎を上にして出来たら「浄水」を。



葉が水分を吸って膨らんできますので、お水は多めに張ってください。

15分ほどで戻りますので、その間に諸々の計量をしちゃってくださいね。戻ったかどうかは触るとわかります。初めは柔らかくしんなりしていたお野菜がパリッと硬く生き生きしているはずです。

次に水切りと保存です。指先を使って葉の根本でちぎり、茎と葉をわけて行きます。



ちぎった葉のほうは「サラダドライヤー」にどんどん入れてゆきます。



ちぎり終わったら茎はペーパータオルで包んでからラップをかけ保存します。「ブーケガルニ」として煮込みに使いましょう。カレーを作る時にローリエとこの茎だけでも一味変わります。

葉の部分はよく水気を切ってから「ご機嫌タッパー」の深型小に。こちらも下に「ペーパータオル」を敷いてください。ペーパーがしっかり水分を吸収してくれるので腐りにくく、また適度な保湿もしてくれるので鮮度が長持ちします。他のお野菜でも是非。

レストランと家庭の違いはこの辺の保存方法かと思います。「整理のつけやすい容器とペーパー」これポイントです。

それではレシピに移ります。

お料理に振りかける用に少量をみじん切りにした後、残ってしまいがちな量を、完全に使い切る分量にまとめてみました。

■パセリを使い切る【persillade-ペルシヤード】の作り方

レシピ制作:佐藤 尊紀


Persil-ペルスィ(ペルシ)はフランス語でパセリのこと。
刻んだパセリニンニクのみじん切りパン粉混ぜ合わせたもので、肉や魚にまぶし「香草パン粉焼き」として使います。よく見かけるのは仔羊の骨付きロース肉で調理されたものでしょうか。魚介との相性も良いので、サーモンや青魚、牡蠣など貝類にまぶして焼いても、爽やかなパセリの香りが生臭さをさっぱりさせてくれます。グラタンやドリアにまぶしてアレンジしても良いかと思います。色々と試してみてください。

<材料 作りやすい量>



パセリ(葉の部分) 30g
ニンニク 9g
パン粉 40g
EVオリーブ油 40g

<作り方>
1.下処理をしたパセリ、その他を計量して、フードプロセッサーに掛ける。



計量もほぼ1分、ミキシングもほぼ1分であっという間に完成です。

コツ・ポイント
包丁でみじん切りにしても良いですが、1束をひたすらみじん切りにするのは結構たいへん。包丁もまな板も要りませんので大きな洗い物もなく大変楽です。最近はこのスティックタイプの「ハンドブレンダー」がコンパクトで大好き。付属のパーツで超絶なめらかなポタージュも作れますので、かなりオススメです。

プロのレシピもお家ゴハンのアクセントですが道具も揃えてゆきますとグンと調理の幅が広がります。

「そんなの持ってないわよ!」と賛否両論ありそうですが今回はあえてそこに触れて行こうかと。家庭料理に驚くほどの変化が出ますので。

ちょっと良いワインほどのお値段で手に入るので今まで気になっていた方もそうでない方も是非ご検討、活用してみてくださいね。


(佐藤尊紀)

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