1. トップ
  2. グルメ
  3. 一生憧れ続ける場所「銀座」。【平野紗季子さん×吉本ばななさん】自信を持って案内したいお店とは?vol.1

一生憧れ続ける場所「銀座」。【平野紗季子さん×吉本ばななさん】自信を持って案内したいお店とは?vol.1

  • 2020.11.15
  • 4052 views

「食べるということに常に本気ですよね」と笑い合う二人は初対面。平野紗季子さんが今好きな大銀座を吉本ばななさんにご案内します。今回はその中から〈caveman〉と〈銀座 青汁サービススタンド〉の2店をご紹介します。

表も裏も奥が深い銀座は一生憧れ続ける場所。

左・平野紗季子さん/右・吉本ばななさん

吉本ばななさん(以下、吉本):私は銀座といえば〈慶楽〉だったので、なくなってショックでした。
平野紗季子さん(以下、平野):好きなお店がなくなると、その街ごとイメージが変わったりしますよね。
吉本:平野さんの本を読んで、全体的に、単独行動だと感じたのですが、普段のはしごはお一人で?
平野:人をお誘いするのが苦手で…。その人が気に入ってくれるかどうかなどプラスアルファが入ってくることで、自分が本当に食べたいものが濁ってくるというか。食事と会話を両立できないところもあって。
吉本:分かります。本気で味わいたい時は、会話との両立は難しい。
平野:ばななさんはおいしいお店をたくさんご存じですが、お店に興味を持つキッカケは何ですか?
吉本:バランスですかね。あとはメニューの構築も見ます。
平野:分かります。全ての思想が出ますよね、そこに。
吉本:料理を食べに行っているのですが、考え方を見に行っているという気持ちも大きいので。多少でもポリシーみたいなものを感じられれば、たとえ何か問題があっても許せちゃう。
平野:それと急にお店が目に入ってくる時ってありませんか?何度も前を通っている時には気付かなかったのに、ある時ふと「こんなお店あったっけ?」と。それで入ってみたら、すごくいいお店だったりすると、その帰り道は多幸感がすごい。
吉本:私にもそういうお店がいくつかあるなぁ。

1.自由に料理を楽しむ空気が人々を魅了する。〈caveman〉

大きな窓から光が差し込む店内。モーニングは8:30〜10:00。
ホテル、コーヒーショップ、レストラン、バー、ビアホールの複合施設〈K5〉。

平野:私はお酒を飲まないので、私のはしごは今日のように朝から夕方という感じです。まずは朝食からスタート。〈caveman〉は古い銀行を改築して、上がホテルで下にレストランとバーがあるんです。
吉本:窓の外が石壁っていうのがまたいい風景。北欧を感じます。オープンサンドはどちらも食べてみたいので半分こしましょうか。
平野:そうしましょう。

鶏肉・アボカド・温泉卵と、桃・モッツァレラ・エストラゴンのオープンサンド。メニューは週替わり。

吉本:とうもろこしのポタージュにひげがちゃんと入っているのがうれしい。私はひげだけ茹でて食べるくらい好きなので。
平野:桃とモッツァレラのオープンサンドは、エストラゴンがきいてますね。

ナチュラルワインや発酵をほどこしたジュースなど、ペアリングを楽しむ提案も。

〈CAVEMAN(ケイブマン)〉
ノルウェーの〈MAAEMO〉でスーシェフを務めたというオーナーシェフ、黒田敦喜氏によるコースが先鋭的。「朝食だけでなくディナーも最高なんです」(平野さん)
東京都中央区日本橋兜町3-5
03-5847-1112
BREAKFAST8:30〜10:00、LUNCH12:00〜13:30、DINNER18:30〜、19:00〜、19:30〜水休(朝食・ランチは金土日のみ)
30席/禁煙

2.さっと立ち寄り、カウンターでぐいっと1杯。〈銀座 青汁サービススタンド〉

店内に入るとすぐにカウンターがあり、テーブル席も1つ。カウンターでぐいっと飲み干して、また出かけていく人が多数。

平野:〈銀座 青汁スタンド〉に行くと、オンとオフ、銀座の華と楽屋という感じのイメージです。前に黒服を着ているボーイの男の子がパッと入ってきて「青汁一つ」と言って秒で飲んでさっと出ていったんですよ。銀座の部室、バックステージっぽいなぁって。そこに生きている人の佇まいや生活を一瞬垣間見れると、グッと街の魅力が深まるんです。

コップ1杯(小)350円、(大)700円。

吉本:〈銀座 青汁スタンド〉は私も来たことがありますが、様々な職種の人が存在する銀座という街を支えているなって思いますよね。
平野:大学を卒業した頃に初めて入ったのですが、ものすごいオーラで、ずっと気になっていて。

「1杯飲んだだけで元気になった気がします」。
「この青汁1杯がたくさんの銀座の人たちを支えているんでしょうね。近くに仕事で来た時には立ち寄ります」。

吉本:青汁という名前がまだない時代から、ケールを種から育てて作っていたという…。そういう偏ったお店は本当にすごい。銀座でお店を長く続けるという時点で、何か特別なものがないと絶対に続かないと思うのですが、青汁だけでずっとやってきたとかそういうワザや知恵に長けたお店が意外と銀座には多いと思う。

〈銀座 青汁サービススタンド〉
1962年開店の青汁スタンドでは、搾りたての生の青汁を飲むことができる。「どこかに行く時、ついでに立ち寄っていた店。銀座の人たちを支える大切な場所です」(平野さん)、「久しぶりに飲んだけれど健康的な味わい」(吉本さん)
東京都中央区銀座1-6-7 谷口ビル 1F
03-3535-2046
8:30〜19:00(土9:30〜18:00)日祝休
6席/禁煙

Navigators

平野紗季子(ひらの・さきこ)/1991年、福岡県生まれ。大学在学中に文筆活動スタート。自身のフードレーベル「HIRANO FOOD SERVICE」では食を中心に多岐にわたり活動する。Hanakoの連載をまとめた『私は散歩とごはんが好き(犬かよ)。』(小社刊)が好評発売中。

吉本ばなな(よしもと・ばなな)/1964年、東京生まれ。1987年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。数々の賞を受賞し、著作は30カ国以上で翻訳出版されている。noteにて配信中のメルマガ『どくだみちゃんとふしばな』をまとめた文庫本も発売中。

(Hanako1189号掲載/photo:Wakana Baba, Tetsuya Ito, mitsugu text:Maki Kakimoto)

元記事で読む